WHITE NOTE PAD 1 (フィールコミックスFCswing)

  • 祥伝社
3.74
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本棚登録 : 602
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396766610

作品紹介・あらすじ

私の人生は奪われた――
女子高生(17)と中年男(38)。
女と男、人格逆転ドラマ。

1年前、体と人格が入れ替わった男女。
小田薪葉菜(おだまきはな、女子高生・17)と
木根正吾(きねしょうご、自動車工・38)は、
ある日突然、体と人格が入れ替わってしまった。
別人の体のままで1年が過ぎ、偶然2人は再会する。
少女の体になった男は
容姿を磨き美しい読者モデルに、
中年男の体になった少女は
記憶喪失扱いで定職を失っていた。

再会した“自分”は
あまりにも違う“自分”になっていて――。

感想・レビュー・書評

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  • ある日突然入れ替わってしまった、17歳の女子高生・葉菜、38歳の中年男性・木根。別人のまま、2人は一年後に再会する。
    入れ替わりもののストーリーは数あれど、この設定は何とも斬新。…といっても、考えてみただけでキツいよなぁ…女性である自分は、どうしたって女子高生からおじさんになってしまった葉菜のことを思うとやり切れない。たまったもんじゃない。読むのは辛くて無理。
    そう思っていたが、ストーリーがどうにも気になり手に取ってみた。予想を超える複雑さ。エグさ。ねじくれた自我はもはや原形をとどめていない。違う肉体のまま一年を経れば、それも当然だろう。地味で平凡だった葉菜は、木根と入れ替わってから読者モデルに。「俺の方がうまくやれる」とばかりにメイクを覚え、垢抜けて、華やかな世界に身を置いていても、勝ち気な表情は上昇志向が滲み出たオヤジそのものだ。
    一方、自動車工だった木根。入れ替わってからは、記憶喪失ということで失職したが、葉菜の雑誌に雑用係として雇われる。中年男性らしからぬピュアさで好かれ、彼もまた変わり始める。変化していくかつての自分を複雑な思いで見つめる2人。新しい「自分」を妬み、嫉み、時に醜い感情をぶつけ合い。当初は圧倒的に葉菜に肩入れしていたが、木根の方が長く生きてきた分、38年積み重ねてきたものを自分が奪ったと、葉菜(姿は木根)が気付く場面は胸が苦しい。
    アイデンティティが揺らぎまくりの展開、深すぎて、切なすぎて、先が読めなすぎる!2人が行き着く先は一体何処なのだろう。非現実的とはいえ、不思議なリアルさを孕んだストーリー。今後目が離せない。もしこれが自分なら…と、何度も考えてしまった。

  • 気になってたマンガをいつの間にか貸してくれる友達…読書メーターしてないはずだけど、いつもありがとうございます。

    男(38)と女(17)の身体が入れ替わる!ある程度世の中を知った男は野心家の女子高生として読者モデルになり、社会のことをまるで知らない女は記憶喪失扱いで無職になるが、1年後に再開。

    面白い!

    知らないことばかりだからこその純粋さを持って中年男が頑張る!きっとそんな人はみんなから好かれるよね。そして、スレた女子高生は嫌われるはず…

    2巻早く読みたい!

  • はい好き~ほんと好き~。
    こんな入れ替わり考えたこともなかった!!
    一年も知らない人として過ごすのってほんと怖かったろうな。自分が誰かも分からないなんて正気の沙汰じゃない。こわいよ。
    そして巡り会う二人。「わたし」とはなにか。
    二巻が楽しみです。

  • 中身が入れ替わったことで始まるストーリー・・・ではなく一年が経過しているというのが新鮮かも。元に戻ろうとするのではなくそれぞれの人生を模索している感じがもどかしい。

  • 二人の人間の体と心が入れ替わってしまい、戻り方が分からない。
    これだけ聞けばよくある設定だと思うかもしれないが、
    ひりひりするような厳しいリアリティと繊細な感情表現により
    全く新しい切り口の物語になっている。

    何故か入れ替わってしまった後、女子高生の小田薪葉菜になった
    中年男性の木根正吾は姿をくらましてしまう。
    一年後に再会するのだが、中年男性になってしまった葉菜は、
    記憶も身よりも無く悲惨な一年を過ごしていた。
    一方正吾は読モになってうまくやっている気になっているが、
    実はそうでもない自分に気がついていて鬱屈している。

    正吾は葉菜を自分のコネで読モをしている雑誌の事務所に
    雑用係としてねじ込む程度の世話はしてくれるものの、
    正吾が葉菜の体を使ってやりたい放題する様は
    シンプルに気持ち悪いし不愉快だ。
    だが、積み重ねたものが奪われたのは自分だけではない、
    と葉菜が気がつくシーンではこちらも辛い気持ちにさせられる。
    記憶喪失になり職を失った正吾を尚心配してくれる
    元同僚たちがいて、何もわからない姿にふと男泣きするコマを見ると
    本来の正吾だって空っぽではなかったのではないかと思うのだ。

    正吾は葉菜のことを、空っぽの人生を送っていた、自分の方がうまくやれる
    実際うまくやっている、と思い込もうとするが、
    葉菜が周囲の協力もありおじさんとしてでも一生懸命生きようとする姿が
    疎ましく羨ましくもあり。

    ヤマシタ先生のことなので、もとに戻ってハッピーエンドになるか怪しいところ。
    続きも読んでみようと思う。

  • 不思議な展開をする漫画だった。女子高生と中年男性の体が入れ替わる話で最後はまあこんな感じで終わるのだろうなという予想はなんにも当たらなかった。私たちは日々誰かとすれ違い思考や情報に触れ常に他者とともにある。そんな世界で、唯一無二の確固たる私とは何だろう。

  • 「自分とは何か」、「自分を自分たらしめる要素は何か」について、ライトにでもちょっぴり重く描いた作品。哲学的ですごく好き。
    『違国物語』でもそうだったけど、この作者のこういう作品すごく好きだな。考えさせられる

  • 2巻完結。
    とても愛おしい

  • ようやく読んだ。38歳機械工の男性と17歳女子高生の意識がある日突然入れ替わり、その1年後から始まる話第1巻。SF的な思考実験で、中のジェンダーも立場も変わると人はどうなるのか、人の人格は容物に依存するかどうか。なかなか興味深い。

  • おじさんと女子高生の入れ替わり。設定はともかく、台詞まわしは流石の一言。ラストのまとめ方は読み切り風で少し好みではなかった。

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著者プロフィール

1981年5月9日生まれ。 2005年のデビュー後、すぐに「ねこぜの夜明け前」で講談社「アフタヌーン」主催の四季賞、夏・四季賞を受賞。 19年には「違国日記」がマンガ大賞4位に入賞する。主な作品に『BUTTER !!! 』『ひばりの朝』『さんかく窓の外側は夜』(本書原作コミック)『花井沢町公民館便り』などがあり、幅広い層の支持を得ている。

「2020年 『さんかく窓の外側は夜  映画版ノベライズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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