- Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396767174
作品紹介・あらすじ
「へんな人と
暮らしはじめた。
お父さんとお母さんが
死んだので。」
35歳、少女小説家。(亡き母の姉)
15歳、女子中学生(姉の遺児)。
不器用女王と子犬のような姪が
おくる年の差同居譚。
手さぐり暮らしの第1巻!
少女小説家の高代槙生(35)は
姉夫婦の葬式で遺児の・朝(15)が
親戚間をたらい回しにされているのを
見過ごせず、勢いで引き取ることにした。
しかし姪を連れ帰ったものの、
翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。
槙生は、誰かと暮らすのには不向きな
自分の性格を忘れていた……。
対する朝は、人見知りもなく
“大人らしくない大人”・槙生との暮らしを
物珍しくも素直に受け止めていく。
感想・レビュー・書評
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現在4巻目まで出ているようだけど、1巻目を読んだ段階であまり大きな進展はないタイプの話のようなので、1巻目だけの感想を書く。というのは、気に入ったから。「このマンガがすごい!オンナ編」第4位。
田汲朝(15歳)は、交通事故で亡くなった両親の母親の方の妹と一緒に住むことになる。妹は高代槙生(35歳)小説家である。1話目は、突然朝が高校3年で出てくるが、2人の日常生活を描いているので、おそらくこの物語は、その3年間の「日常」を描くことなんだろうな、と見通しを立てた。2話目からは、朝を引き取る時の中学生の頃に戻る。
なにが面白いのか。人見知りの一人暮らしの女性の小説家が、女の子を引き取って、初めて「人間」と暮らし始める。その1つ1つがやはり発見の連続。朝の視点と槙生の視点。人間とはいえ、まだ犬ころを拾ったような感覚が槙生にはある。
槙生は小説家なので、言葉を大切にする。朝に日記を勧める。「この先誰があなたに何を言って、誰が何を言わなかったか。あなたが今、何を感じて何を感じていないのか。たとえ二度と開かなくても、いつか悲しくなったとき、それがあなたの灯台になる」。よくわかる。
私も中学生から高校生にかけてずっとつけていた日記があった。数年前にそれを見つけて、何か文章を書こうとしたら、それ以降一度も開けることがなかった。「そうだ、日記は灯台なんだ」まだ私には、必要ないのかもしれない。このマンガが完結した時に、また改めて感想を書きます。
どうでもいい話なんだけど、どうして最近のマンガ家は全部カタカナの名前が多いんだろう(コナリミサト、ヤマザキマリ等々)。そんなにもデジタル化(or記号化)したいんだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「あなたは 15歳の子供は
こんな醜悪な場にふさわしくない
少なくともわたしは それを知っている
もっと美しいものを受けるに値する」
両親を失った15歳と、人見知りの叔母との同居生活を描く。
ヤマシタトモコの物語はいつも最高で最強にエモい。
淡々と語るようで、その実ものすごく熱く訴えてくる。
しかもあまりにも唯一無二。
この空気出せる作家ほかにいなくない?
主人公の一人、叔母の槙生は生活面ですっごくダメ人間だけど、子供を守ることが出来る完ぺきな大人だ。
「悲しめなくてもいい、悲しくなるときがきたらそのとき悲しめばいい」
とか
「日記は、いま書きたいことをかけばいい。書きたくないことは書かなくていい。ほんとうのことを書く必要もない」
とか言える大人になりたい。 -
これは面白い。何回も何回も読み返す。セリフにハッとする。電子なら気に入ったページをスクショしておきたくなる。
発売してすぐに話題になっていたけれど、
この設定おもしろいのかな?と。手をつけていなかった。
槙生さん自身も取り巻く友人も素敵
ヤマシタさんの作品って痛くて鋭い印象があったから構えて読むと設定は残酷なところから始まるのだけど
優しい。しかしてリアル
女子高生の思春期のゾワゾワした
ずるさとか面倒くささもリアルに表現、
大人の女性達の感じ方も
家族に対する描写も
リアルだー。
読みながら自分の生き方とか
人間関係について考えさせられた。
救われたところもありました。
えぐられたところもありました。わたしが槙生さんより年上で良かった。朝の世代なら私は読めなかったろうな。
けれども構成のうまさと
セリフの良さと
ちょっぴりの胸ぎゅん(きゅんやなくてぎゅん!)に、
ひれ伏します。大切に読みます。
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& premiumの本と漫画特集の時だったか、その中でオススメされていた漫画で印象に残っていて読み始めた。一気に最新刊だった6巻まで。この度7巻を読んで改めて感想を。主人公の高校生あさと、肉親であるティーン向け小説家まきおの共同生活。最も最近続編を待ち望んでいる漫画です。よく心が救われる漫画、とも表現されていてすごく頷く。自分を見つめる為の漫画。ジェンダーについて、家族の有り様について、中学から高校、これから大学生、成人となっていくあさの感受性を通して自分と照らし合わせる事が多いです。漫画に登場する映画や書籍にも注目。フライドグリーントマト は作中に登場して実際鑑賞してとてもよかった映画のひとつとなりました。
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飲み会で笑っていたのも私だ | はらぺこ本屋の新井 | 【公式】dancyu (ダンチュウ)
https://dancyu.jp/read/2021_00004358.html -
・この先 誰があなたに何を言って…誰が何を言わなかったか
あなたが今…何を感じて 何を感じないのか
・わたしは決して あなたを 踏みにじらない
・日記は 今 書きたいことを書けばいい 書きたくないことは書かなくていい
ほんとうのことを書く必要もない
槙生語録のなかで一番刺さったのがこれ↓
・あなたは 15歳の子供は こんな醜悪な場にふさわしくない
少なくともわたしはそれを知っている
もっと美しいものを受けるに値する
泣いた。 -
ヤマシタさんの空白とかモノローグとかほんと好き…。ちょっとキーになっている「悲しくなれば」とか、なにがしかを含めた言い回しとかっていうことに、子どもの頃出会いたかったな、と思った。でもやっぱりそれは大人になったからそう思うんだろうな。
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日記は今書きたいことを書けばいい
たとえ二度と開かなくても、いつか悲しくなったときそれがあなたの灯台になる -
人見知りな小説家・高代槙生(こうだいまきお)と、事故で亡くなった姉の娘・田汲朝(たくみあさ)との同居生活が描かれる作品。
葬式で朝が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、人見知りであるのも忘れて勢いで朝を引き取った槙生。不器用ながらも誠実に朝と接する槙生と、悲しみを実感できないまま新しい生活が始まって戸惑う朝のやり取りにリアリティを感じる。丁寧に描かれる生活感があるからこそ、心理描写やドラマが切実になるんだなと。
時々顔を出す詩的な表現が物語性を深めていて好き。不器用な女王と子犬のような王女。二つの国が一つの部屋で暮らす、静かであたたかな物語。
叔母の槙生と姪の朝。この二人の関係性はもちろん、槙生と友人たちとの大人同士の友人関係がまた魅力的。槇生と笠町がお互いに感情的にならずに感情を伝えるところに憧れるね。言葉の選び方、間の作り方が丁寧だなと感じる。
好きな言葉たち。
「日記を…つけはじめるといいかも知れない この先 誰が あなたに何を言って…誰が何を言わなかったか あなたが今…何を感じて何を感じないのか たとえ二度と開かなくても いつか悲しくなったとき それがあなたの灯台になる」
「アサガオの観察日記なんか大人になってからやった方が楽しいに決まってる」
「あなたは 15歳の子供は こんな醜悪な場にふさわしくない 少なくともわたしはそれを知っている もっと美しいものを受けるに値する」
ヤマシタトモコの作品





