違国日記 5 (フィールコミックス FCswing)

  • 祥伝社
4.43
  • (24)
  • (15)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 309
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396767754

作品紹介・あらすじ

《人生の本棚に入る本》としてあなたの心の奥地に届く物語!
人見知りの小説家(35) と 姉の遺児(15)がおくる手さぐり年の差同居譚

「姉がさ、日記を遺してたの朝宛だった」

朝の亡き母・実里は日記を遺していた。
20歳になったら渡す、という娘への手紙のような日記を。
槙生にとっては高圧的な姉で、
朝にとっては唯一無二の“母親”だった実里。
彼女は本当は、どんな人生を生きている女性だったのか?
母の日記を槙生が持っていると知った朝はーーー。

槙生と笠町の“新しい関係”もはじまる
ーー扉が開く第5巻。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ──悲しみは果てのない
    長い長い浜辺を歩くようなものだった。

    ずっと先で砂と水と空とが溶け合って
    どこで尽きるかもわからないような美しい浜辺だ。

    一歩ごと足が沈み、

    砂つぶが指の間に入り込み、

    寄せる波に足首が濡れる。

    冷たい怒りが足元を
    濡らすたび はっとして
    かれがいないことを思い知る。

    俺の竜は死んでしまった。

    もういない。

    これからどうすればいい?

    忘れよう。

    いや許せない。

    殺してやる。

    誰を?

    話したい。

    誰に?

    眠っていたい……。

    寄せては返す波ごとに
    ルカの心は小舟のように揺れた。

    この浜辺はどこまで続くのだろう?

  • 読み終わって、自分の中の透明度が上がって、その向こうに何か見えそうでもどかしくて、走り出したいような何か始めたいけどそれが形にならない、透明度は上がって今とても澄み渡った気持ちなのに、何かが出てきそう、その何かがわからない そんな気持ち
    ちょっとハリポタの5巻の冒頭思い出す

  • すごくよかった。子どもの頃は親を単なる「親」として認識しているけど、成長するにつれ「親」もひとりの人間で、人生があって、その人生の途中で自分は産み落とされただけなのだよなとわかってくる過程があると思うのだけど、朝の場合はとつぜんそれを突きつけられた状態で、いろいろ付いていかないだろうな、しんどいだろうなと思った。
    両親がいないのは変、とかいろいろ、今まで自分が「普通」だと思っていたことから外れているのは彼女も多分なんとなく分かっていて、でもその「普通」ってのは実は自分の感覚の話で、誰かから押し付けられたり、誰かに押し付けたりするものじゃないってことはきっとまだ分かっていない。両親がいない自分は普通じゃない、普通じゃないのは変、変なのはよくない、みたいな。でもそれが自分の現状で、しかしこの現状に陥っているのはまったく自分のせいではない。悲しいのと、腹がたつのと、困惑と、でもそういうごちゃごちゃした感情にもならない何かを吐き出すすべを彼女は知らない。そういう子どもが、手では触れられない諸々を言葉にしていく小説家と暮らすことの意味、というのを、この巻になって私はようやく考えた。すごくいい。次巻もたのしみ。

  • 亡くなった朝の母・実里が遺していた日記。それは朝が20歳になったら渡すという手紙のような日記だった。実里はどんな人間だったのか。槙生は姉の心境へ思いを馳せ、朝は亡くなった母への怒りと悲しみに襲われる。ラストの朝の表情に心を揺さぶられる。
    「孤独を 絶望を 表す言葉をまだ知らないというのは一体どんな苦しみだろう」
    わからないからこそ、その孤独を埋めるやさしさや、絶望を癒す嘘を朝は求める。それを安易に差し出さず、槙生なりに向き合っているところがよかった。槙生の小説の凛とした美しさと、朝の激情にゆがむ表情の対比が素晴らしかった。

    槙生とえみりの母・みちこの会話も印象的。子を持つ母としての視点から、実里のことを考えるキッカケになったこと。「ご自分に厳しそう」という共通点も、指摘されなければ気づかなかったかもしれないね。「書くのはとても孤独な作業だからさ」という言葉も好き。その孤独を知っているからこそ、実里の思いの強さを感じ取ることができたんだろうね。

    笠町の「全部自分に返ってきたんだよな」って一言も胸に刺さる。人に思ったりしたりすることは、自分にも自然と返ってくることなんだよね。人をどう見るかも同じで、つまりは自分の価値観を鏡で見ているようなもので。この作品は人の孤独や関わりについて、読んでいる内に深く考えさせられる。

  • 事故で両親を亡くした中学生の少女と、彼女を引き取った独り暮らしの小説家の叔母との共同生活記第4巻。品行方正だった姉の残した日記と意外な事実。自分は自分、他人は他人、血縁であっても、自分の気持ちは自分だけのもの、という槙の考え方は私の考えに近いけど、子供にとっては残酷のような気がする。

  • 完璧な人などいない、槙生もそう。

  • えみりさん苦い。朝は…しかたないのだよな、中3でいきなり両親を亡くして、まだ全然、ぜんぜん、嵐なのだ…本人は足跡が残る砂漠を歩いてるつもりだけど、その砂漠はたぶん、足跡どころか砂嵐で真っ暗な中をどこにいるのかわからないまま歩いてる(実は歩けてもいない)のと同じ…。ただ、渦中にいると虚無感が強くて暴風を感じないんだと思う……
    誠実な大人ばかりだし、優しくはないかもしれないけど抱きしめてはくれる槙生ちゃん。
    槙生ちゃん私より確実に年下だし、部屋の荒れようもすごいが、自分が潰れないできる最大限を提供しててめちゃくちゃがんばっていらっしゃる。

  • 読み終わった後、ぐちゃぐちゃな感情が襲ってくる。
    悲しいんだけど、悲しいだけとも違う。
    なんだろう、自分を通して、他人が「失った」ことを認識したことを知ったときの、この感覚は。

  • 2019.12月。
    .
    #違国日記5
    #ヤマシタトモコ
    #祥伝社
    .
    .
    #2019年134冊目
    #本 #book #読書 #reading #本の記録 #読書日記 #読書感想文

  • やっと泣けた朝ちゃんにつられて涙。
    「わたしは」そう思う、という考え方の大切さ。

    この物語の感想は、どうしても箇条書きになってしまう。
    最後まで読み通したときに、私の中でもまとまっていくものがあるんだと思える。
    こういう読書体験ができているのは幸せだ。

全19件中 1 - 10件を表示

ヤマシタトモコの作品

違国日記 5 (フィールコミックス FCswing)を本棚に登録しているひと

ツイートする