違国日記 8 (フィールコミックス FCswing)

  • 祥伝社
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本棚登録 : 917
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396768423

作品紹介・あらすじ

「あたしはただ、あたしでいたい」
楢えみり、高2。  
好きになるのは同性で、相思相愛の彼女がいる。彼女とのことは、親友の朝には言えていない。
いま、朝にとって恋話とは異性とのことでしかなく、だからこそ「朝とは恋話はしない」とシャットアウトしてきた。
しかし、えみりは自分が自分である大事なことを親友に分かってもらっていないことに悩んでいたーー。
自分が自分でいるために。キャッチボールの第8巻!

第24回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出!

感想・レビュー・書評

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  • >あなたには誰からでも自分の秘密を守る権利があるよ

    大人も子どもも傷ついて迷っている。
    大人と子どもの違いは視野の広さだろうか。この作品の大人たちは決して出来た人間たちではないが素敵で、そして子どもに正面から向き合ってくれる。

    さてその中で二度と本心を確かめることのできない故人である 朝 の父だけが人に向き合うことが出来ない人間として描写されている。

    >お父さん
    >あなたの小さな遠吠えのこだまのこだまのこだまのこだま
    >いつかきこえる日を待って きっとわたしは耳をすまそう

    きこえる日は来ないのではないだろうか。
    来ないまま年を取って、ずっと心の隅に刺さったままのトゲとなるのではないだろうか。

    すべての思春期少年少女と、今でも思春期な大人たちに読んでほしい。

  • なにか響いてくる。
    もやもやを抱え続ける、考え続ける。そんな人がたくさんいて、私もそのひとりなんだろうな。
    読んでると日常は狂おしいほどのバランスで成り立っているんじゃないかと、ちょっとひやひやするような気持ちも。まだまだ続きが気になる!

  • 笠町くんの存在にすごく救われる。

  • 今巻も最高だった。朝がどんどん主役になっていく。人はこんなにモノを考えているのだろうか。朝が周りに問いをかけることで皆考えるキッカケになっているのかな、と。

  • 同性が好きで、彼女がいるえみり。親友である朝には恋話をしなかった彼女が、自分が自分である大事な部分を打ち明ける決心をする。後半では、朝が亡くなった父のことを知るためにその面影を探し始める。

    「えみりが何で傷つくかは……えみりが決めるんだ」
    この言葉で踏みとどまった朝に成長を感じる。自分自身の体験を重ね合わせながら、槙生たちとの交流を経てたどり着いた場所。〇〇な人の前にその人はその人。「なりたい自分になりたい」という夢が叶えられるといいな。

    私は父に愛されていたのか?という朝の疑問。父を知ろうとすることは、父を通して不安な自分を知ることだった。人に反響する自分を探す旅。
    「でもべつにあの人に愛されなくてもおれが価値のない人間ではないんだ」
    厳格な父へ向けた笠町の一言がまさに答えなのかなと思う。これを確信する道のりは険しい。ぼくも似たような境遇だけど、これは理屈ではわかってても実感としてはまだ言えない。

    朝の母は、夫の足りない部分を埋めることで存在価値を得ようとしていたのかな。こうあるべきという常識の殻で覆った空虚な心。相手の世話を焼くことで、自分の価値を見出す。でも、それでは埋まらない心の部分がある。それは自分で砂漠を掘り抜いて、オアシスを見つけなくてはいけない。相手がなってほしい自分じゃなく、自分がなりたい自分になる。「そんなに簡単なことじゃない気もするけど それくらい簡単なことな気もする」というえみりのセリフがここにも当てはまるように感じた。


    最後に好きな文章を引用して終わります。

    「変わってゆくものと 変わったものと 変わらなかったもの そのすべてを書き記しておけばよかった そう気づくのはいつも何かが変化してからだった」

    「関係に名前なんかなくていいんだよ」

    「あなたは誰からでも自分の秘密を守る権利があるよ」

    「後輩にもさー言えばよかったんだよね 『わかんなかったら言ってね』『ヤだったら言うからね』」
    (中略)
    「そんなに簡単なことじゃない気もするけど それくらい簡単なことな気もする」

    「……おれはたぶん父から愛されてはいない 少なくともおれの欲しい愛情の形じゃないんだ それがずーっと苦しくて 苦しいと気づくこと自体すごく……大変でね」

  • 笠町くんいいな

  • しばらく前から読んでみたいな、と気になっていたタイトル。そのうちにと思っていたら、実写映画化のニュースが来たので、じゃあとりあえず読んでみようかと週に一度の本屋で一冊ずつ買いはじめて8巻目。

    親友えみり、朝ちゃんにだけC.O. 
    朝ちゃん、自分の足元を固めるために亡き父親のことがもっと知りたくて、周囲の人の父親像をきいたり、お父さんの会社の人に会ったり。
    すなおだけどちょっとデリカシーに欠けることもある朝ちゃんは考えてみればぼーっとしたわたしの少女時代ににているところもあるかなと思えてきた。

  • なんか自己の内面を探求する話になってきて、ちょっと予想外

  • うーん、好きなんだけどちょっと難しいというか、わかるわかる!とはならない作品。
    でも、みんなが幸せでいて欲しいな、とは思う。

  • そっかわたしはわたし

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