- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784398147790
作品紹介・あらすじ
ヒット商品『地図でスッと頭に入る』海外シリーズの第4弾。宗教・民族対立、石油資源競争・・でつねに紛争の絶えない中東は、昔から日本人にとって遠い存在の地域であり続けた。しかしながら、日本がもっとも石油資源を依存している地域でもあり、われわれ日本人はこの地域に無関心ではいられないはずである。また、中東および中央アジア、北アフリカはイスラム教が最も普及しており、イスラム教なくしてこの地域を語ることはできないほどである。
本書は、これら中東・中央アジアの国々について、他の関連図書よりもわかりやすく解説する入門書となることを目指します。
感想・レビュー・書評
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やってきました、シリーズ第三弾!
もうこの時点で完全ジュニア向けとは見ていない笑
今回も随分と勉強になったし、前回の『ヨーロッパ47ヶ国』と似た形式にもはや安心感すら覚えている。「中東」「イスラム」といえばつい中央アジアの地図を思い浮かべてしまうが、イスラム(※)が普及している範囲のことも示すので、本書では北アフリカやジョージアまで取り上げられている。
(※)イスラムは宗教という意味を含むので、「イスラム教」ではなく「イスラム」と表記することも多いという。
『ヨーロッパ47ヶ国』同様、国土の面積や地図上の正確な位置を知られるのも利点の一つ。カザフスタンが中東一の面積を誇り、お隣にロシアがあることを今回初めて学んだ笑
前回に続き歴史コラムが導入されている他、冒頭にはイスラムの解説がFAQ形式で用意されている。
本書の監修を務め中東研究を専門とする筆者ですら、宗派の違いは「何度聞いても頭に入ってこない」ので、我々日本人にとってもまだまだ理解が足りないのは認めざるを得ない。自分の場合宗派は言うまでもなく、今回も世界史関連ワード(王朝名等)に苦しめられた笑
あと、各国の石油産出量(2020年値)も表記されていたのが中東らしい。
中東は世界有数の石油・天然ガスの埋蔵量・生産量・輸出量を誇っており、それらを巡って激しい競争だったり時に戦闘へと発展することもある。(実際クウェート侵攻は、イラク最大級の油田の権利主張が原因だった)
資源の恩恵を受け、サウジアラビアのようにオイルマネーで潤っている国があるのも事実で、アゼルバイジャンなんかは「原油スパ」なるものもリゾート地にあったりする。
資源を保有しているかどうか、またシリアのような内戦が原因で、各国貧富の差が歴然としている感じだった。
シリア…。
「内戦以前は中東で最も安全な国だった」と記述があるように、古代史の時点では農業国で他国の介入もまるでなかった。しかし今では豊かな穀倉地帯も内戦で灌漑設備が破壊、地雷まで埋められている。「アラブ圏らしく家族を大切にする」一方、第三次中東戦争のせいで地域が分断され、拡声器で会話をしなければならない現状もあったり。
あの「アラブの春」がもったのも束の間。もはやイスラム国や近隣国の介入で泥沼から抜け出せないでいる。「内戦さえなければ…」とショックを受ける記述が多かった。
スーダンはアブディンさん(高野秀行氏のご友人で、先だっても著書を拝読した。…という大雑把な注釈)の故郷というのもあって注目していた。
しかしここも政情不安が続いており、軍の権力闘争が市民に飛び火する始末。ネットニュースを覗いても黒煙を上げる首都ハルツームの写真が目に飛び込んでくる。アブディンさんのご家族は無事なのか、再び不安に駆られた。
「中東・イスラムを知れば、世界の過去・現在・未来が見えてくる」と筆者は語るが、知ろうとするにもその中身はえらくこんがらがっている。「何度聞いても頭に入ってこない」のは承知の上で(今回のスーダンよろしく)何度でも見回りに来ることが、今できる精一杯だ。 -
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なおなおさん、こんにちは!
アジア編はなかったのですが、こちらの本は図書館にありました!
詠みたい本リストにしたいと思います。
地...なおなおさん、こんにちは!
アジア編はなかったのですが、こちらの本は図書館にありました!
詠みたい本リストにしたいと思います。
地理はどうも苦手で方向音痴でもあるのですが、地図を見るのは好きです♪
素敵なレビューで読みたい本リストに登録しました☆2023/02/19 -
ベルガモットさん、コメントをありがとうございます。
地図は楽しいですよね。
エラソーにレビューしてしまったのですがね…中東編は歴史や宗教、民...ベルガモットさん、コメントをありがとうございます。
地図は楽しいですよね。
エラソーにレビューしてしまったのですがね…中東編は歴史や宗教、民族について情報が多いのとちんぷんかんぷんで頭に入って来ず、パラパラ読みなんです(><)
やはり馴染みがないというのもあるのかな。まだアジア編の方が親しみや面白さを感じました!2023/02/19
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他に借りたい人がいなかったので、延長して図書館から長い期間借りることができた。
ありがたい。
本来なら購入したい良書であるが、購入すると漏れなく積読化してしまうので。
年初に購入して以来(なんとか積読化せず)少しずつ読み続けている書籍『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康 編著)と付き合わせながら、本書を隅から隅まで一言一句漏らさず読んだ。
各国の章より先に、まずは「中東史解説を12章・歴史閑話2つと石油解説・コラム4つ・高橋和夫の目を4章」読んだ。
同シリーズの他の書籍より、この部分はちょっと難しめに感じた。
カザフスタンの首都の名称がまた元の名称に戻ってしまったのは、本書印刷後のことだから仕方ない。
しかし12ページには、明らかな間違いあり(1版1刷発行)
ナゴルノ・カラバフがジョージアの中にあると書かれている。
正しくはアゼルバイジャンである。 -
アメリカの「五十州」より数は少ないのに、体感テキスト量は倍くらいに感じた。ものすごい読み応え。知らないことが多すぎたせいだろうか(アメリカも知らないことだらけではあったが)。
各国&地域のページも面白いが、コラム的に挟まれた「中東史解説」もためになるし、コラム「高橋和夫の目」も理解を助けてくれた。明日からまた世界が違って見えるかもしれない。 -
「中東」ってなに? と冒頭の問い。中東とは西洋人が自分たちの距離感覚で名付けた地名。自分たちに近いバルカン半島が近東で、日本などは遠いので極東、その間なので中東。
もともとはバルカン半島とアラビア半島あたりを合わせ中近東といっていたが、ソ連崩壊後、コーカサスと中央アジアの国、北アフリカもイスラムの影響が強いので拡大された。
中東=イスラム教? といっていいが国によって世俗化を許容している国もあり、戒律の強弱は異なる。
中東=アラブ? サウジアラビアと北アフリカはアラビア語圏で、コーランはアラビア語で読み発音することが原点で至高とされ、イスラムが広がるとともにアラビア語も広がった。ただ、トルコから東はイラン・ペルシャ語やトルコ・トルコ語が母語で自分たちの言葉を守った。
30か国をぱらぱらめくると、確かに国ごとに違いはある。一本貫くのがイスラム教ということか。読物で中東の歴史のページがわかりやすい地図入りで12章ある。途中この地域をおおう帝国がいくつか出現したが、やはり19世紀になってのヨーロッパ帝国の進出で線引きされてしまった、というのが現在の困難だなあと映る。
巻末の資料で石油埋蔵量のランクが出ていたが、1位はベネズエラの3038バレル、2位がサウジアラビアの2975バレル。ベネズエラが1位とは知らなかった。3位はカナダの1681バレル。
2022.9.1第1版第1刷 図書館 -
中東とイスラムの30か国について、地理、歴史、政治がひと目でわかる、わかりやすいイラストで描かれている。
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地図でスッと~のシリーズ、アメリカから入りましたがめちゃくちゃ解りやすくて好きです。
中東は今一番注目したいエリア。昨今のニュースを知るために基本的なところを押えておくのに必須級の1冊です。
レバノンのヒズボラがなぜイランに支えられているのか、ハマスはどうやって生まれたのか、石油産出量は少ないドバイがなぜ超高級リゾートになっているのか。地図を見ながら俯瞰できる良書です。 -
中東及びイスラムの歴史と現在の状況が一通り整理されていて、非常に読みやすかったし、ためになった。
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図解。日々おさらいする。
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このシリーズのヨーロッパとアジアについては言った国も多かったが、この本に書かれている国には1か国も行ったことがなく馴染みのない国だった。
とはいえ、国名のほとんどは聞いたことがあるので、その国の文化や特色と位置関係は楽しく理解できた。
読んでいてやはり、中東のイスラム教国には1か国は死ぬまでに行ってみたいのと、北アフリカにも興味がわいてきた。
著者プロフィール
高橋和夫の作品






いいですね、このシリーズ。ahddamsさんの第三弾でアブディンさんにつながったことを、勝手に本の神様から...
いいですね、このシリーズ。ahddamsさんの第三弾でアブディンさんにつながったことを、勝手に本の神様からのメッセージと受け取って、私も読んでみようという気持ちになりました。
調べてみたら、日本、アメリカ、イギリス、フランスという一国ものもあれば、ヨーロッパ、アジア、中東と広い範囲のパターンもあって幅広いですね。どこからにするかは、本屋さんか図書館で出会ったものと、その時のマイブーム次第で決めようと思います!
このシリーズ好きになったかもです♪
本の神様!良いですね(^^)背中を押してもらったからには突き進まねば、...
このシリーズ好きになったかもです♪
本の神様!良いですね(^^)背中を押してもらったからには突き進まねば、です!!
「スーダン」の国名を目にするたびに意識するようになったのも、アブディンさんのことを沢山知ったからこそです。現地の女性が身にまとうという色鮮やかな民族衣装を見て、「奥さんも似たような衣装を纏ってらしたなー」と思い出したりもしていました。
おっしゃる通りこのシリーズはその時のコンディションで選ぶのが一番です!自分は今回世界史の解説で苦戦したので、次は『世界史』に進もうと思いました^^;