神学の起源 社会における機能 (シリーズ神学への船出 03)

  • 日本キリスト教書販売 (2013年5月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (220ページ) / ISBN・EAN: 9784400300038

みんなの感想まとめ

信仰と神学の関係を深く探求する本書は、キリスト教の多様性や神学の歴史的背景を通じて、読者に新たな視点を提供します。多くの人が特定の宗派や教会に基づいてキリスト教を理解する中で、他の信仰の形を受け入れる...

感想・レビュー・書評

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  • ・多くの人は、キリスト教と一言で言っても、自分の信じているあるいは所属している宗派や教会しか知らないので、それがキリスト教だと思い込むのである。それが一般的な宗教との接し方であり、間違いとは言えない。ところが信じるという行為は自らの人生をそれに重ね合わせ、全てを委ねることであるから、他にもキリスト教があるという事実を受け入れることがなかなかできなくなる。

  • 神学自体を対象にしていて分かりやすい。

  • (太陽信仰)自然に豊かな実りを約束する太陽を神とする信仰である。それは、ヨーロッパの深い森林を支配する神々や精霊への信仰と畏れである。キリスト教はこの自然と人間の関係にメスを入れる。そして人間に時間と共に生きることを教える。人間は時を刻むこと、時を計ることに努力するようになる。教会や修道院が時間や曜日、そして暦を管理する。時間も暦も聖なるものとなった。自然の克服。(p.75)

    なぜ中世のような時代に、とても世の中の役には立ちそうもないと思われるような思弁的で超越的な神学が生まれたのか、という問いには、ヤン・ロールスが言うように、そこには哲学があったから、と答えることができるであろうし、またそのような思弁が社会においてはどんな意味を持っていたのか、と問われるならば、社会を平和に保つために、また世界の仕組みを「神」を含めて説明するために大変役に立つ具体的な回答としての意味があったからと言わざるを得ないのである。(p.85)

    宗教は教会という場所から、人間の心へと場所を移すことになった。これは近代の典型的な宗教の場所である。それまで宗教が担っていた責任が、西ヨーロッパ全体とか、キリスト教世界、あるいは国家や社会の道徳性などという全体性や公共性ではなく、個人の心の中へと移動してゆくのである。(p.164)

    つまり世俗化とは、現代社会のように「聖なるもの」を失い、脱宗教化して、社会システムのあらゆる場所から神を追い出すことだと説明されるが、逆に、その社会にはたとえ人々が宗教を忘れ、聖なるものを失っても、なお「世俗化した」形で元来のシステムが残っているという、過去と現在の連続性を説明することにもなるのである。そうすると神学は、西ヨーロッパに起源をもつあらゆる文化や学問、制度やシステムを考える時に、常に対話の相手として呼び出される、非常に重要な学問ということにならないだろうか。(p.216)

    絶対的なものを知っているが故に自らを相対化すること。この態度は人間を自由にし、謙虚にし、本当の意味で対話を可能にするし、自らの学説や仮説が乗り越えられていくことを受け入れ、そのことを喜び、真理が明らかになることを喜ぶのである。もう既に全てが明らかになっているとか、自分は全てを知っているなどとは言わないで、対象と謙虚に向き合うことを教えてくれるのである。現代社会の中で、現代人に対して、神学はこのような意味での真の相対化を教えるのだと思うのである。(p.220)

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著者プロフィール

1964年生まれ。アウクスブルク大学哲学・社会学部博士課程修了。Dr. Phil.(アウクスブルク大学)、博士(文学)(京都大学)。現在、金城学院大学人間科学部教授。著書『超越と認識』(創文社)、『十九世紀のドイツ・プロテスタンティズム』(教文館)、『ヴァイマールの聖なる政治的精神』(岩波書店)、『思想としての編集者』『神学の起源──社会における機能』(新教出版社)、Paul Tillich: Journey to Japan in 1960(Tillich Research 4、 de Gruyter: Berlin 2013)ほか、訳書にシュライアマハー『宗教について』(春秋社)、『アーレントとティリッヒ』(法政大学出版局)ほか多数。

「2014年 『ティリッヒとフランクフルト学派』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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