- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784400521273
感想・レビュー・書評
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はじめてのボンヘッファー。
キリスト者の「交わり」について、かなり新たな視点を発見できた。まさに目からうろこ。
ボンヘッファーはとても現実的な話をしている。この混沌とした世界における、罪びととしてのクリスチャンの交わり。それは理想郷でもなんでもなくて、時として荒削りな、こんなはずじゃなかったと思わせるようなこともあるけど、そんな現実の中にこそ神様は働いていて、キリスト者の交わりの恵みがある。
こうあるべき!じゃなくて、まず自分自身がその状況や人を受け入れることが、私のするべきことだなと気付かされました。
自分の身をぴしっと正されるような、厳しいこともずばっと語ってくれるところが好き。難しいけど、ぜひ一度は読んでみることををおすすめしたい一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
告解の新しい心理的効果を学んだ。
罪を他者に告白するというのは、たいへんな苦労と努力が必要。黙して神に告白するのでは、自分で自分を許してしまう。なるほど、そのためにも、プロテスタントといえども告解は必要なんだな、と。 -
恐らく4度目。読む都度、印象に残る言葉が違うというのは、この本の奥深さを示しているように感じる。訳者が最後の解説で書いている言葉が端的に表している。「読者は、いたるところにちりばめられている聖書の言薬からの引用によって、キリストからの恵みの賜物としてのキリスト者の交わりの世界の深さ、広さ、豊かさに対して眼を開かれるであろう。しかし同時に、 キリスト者の交わりの本算をとらえ、 今日のブロテスタント教会の弱点にふれて、それを克服する道が的確に示されており、キリスト者の交わり、共同生活のあり方について考え実践する者にとって、神学的,実際的の両面にわたって数々の貴重な示唆と導きに富む書物であることは疑いない。」ディアコニッセの「兄弟の家(ブルーダーハウス)」をボンヘッファーが提案していたということも今回初めて知ったことだった。
キリスト教徒としての基本的な生活態度について、深く心を抉られるような言葉の数々だ! -
090721
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何度も何度も読み返す価値のある本。キリスト教信仰は、神との関係を縦軸とするならば、同信の兄姉との関係という横軸があって、はじめて生きたものとなることが学ばされる。古典と言える本は時代や場所の違いを超えて訴えかけてくるものがあるが、この本はまさにその典型。ボンヘッファー神学の全体を知っているわけではないが、真に神に愛され信仰を全うしたキリスト者であったことは確信できる。教会などの読書会テキストに最適なのではないかと思う。