- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784400521488
作品紹介・あらすじ
NHK連続テレビ小説「あさが来た」ヒロインのモデル、広岡浅子の著書。
実業界の女傑の、剛毅にして瑞々しい信仰を示す。
広岡浅子(1849-1919)は京都の富豪三井家に生まれ、16歳で大阪の豪商広岡家に嫁いだ。生来英明にして剛胆、維新の動乱に際して婚家の家業が傾くや簿記経営などを独習し、夫に代わって事業の立て直しに努めた。鉱山や銀行の経営に辣腕をふるい、大同生命の創設にも力があった。懐に拳銃を忍ばせて鉱夫たちと起居を共にしたこともあったといい、大阪実業界の女傑として知られた。十分な学問ができなかった自らを省みて女子教育にも意を用い、日本女子大創設に尽力。晩年の大病を期に求道し、60歳を過ぎて大阪教会の宮川経輝牧師から受洗、YWCA等で活躍した。
本書は、浅子が『婦人週報』誌に連載した信仰的な短文に、短い自叙伝を巻頭に付し、彼女の死の前年に『一週一信』と題して出版された。およそ100年ぶりの復刊となる。
感想・レビュー・書評
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何した人だっけ?
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朝ドラの主人公の偉大な宗教者としての言葉に圧倒された。61歳で信仰に入り、70歳までの文章だという。教会の指導者・信徒に対する純粋な信仰の立場からの厳しい指摘、男性的な力強い聖書の説き明かしは内村、矢内原などを思い出すほど。巻末の解説にあるように「九転十起生」というペンネームで書いたはずだ。教会は世に受け入れられて迫害が無くなったのではなく、冷淡無視!とはまさに今の現状。約100年前の著作が「現代」「今」という言葉を使うとき、当に100年後にも通用する言葉であることが驚き。連合国の一員として欧州大戦に参戦した日本の緩さから「槿花一朝の夢」と国の将来を憂う文章は、30年後を予言しているかのよう。