- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784401643417
作品紹介・あらすじ
ミュージシャンの「死」から見えてくる人生、そして聴こえてくるジャズ…現役の医師だからこそ書けた究極のジャズ論。思わぬ事件・事故で生命を落としたクリフォード・ブラウン(交通事故)、リー・モーガン(内妻に撃たれる)、ジャコ・パストリアス(暴行で脳挫傷)、グレン・ミラー(搭乗機の墜落)、チェット・ベイカー(ホテルの窓から転落)、ソニー・クリス(拳銃自殺)、レム・ウインチェスター(ロシアンルーレット)…、そして病魔との凄絶な闘いの果てに倒れたマイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーン、チャーリー・パーカー、ビリー・ホリデイなど…Dr.Ogawaによる23ジャズメンの「死亡診断書」=生と死と彼らのジャズの記録。
感想・レビュー・書評
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23人もの物故したジャズメンのうち、ほんの数人しか演奏を耳にしたことがないが、その様々な事情を知り得ただけでも自分の限られた音楽体験に深みを与えられたような気がする。何年後か再読すればさらに何人かのミュージシャンと触れ合えるのかもしれない。
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スコット・ラファロ
クリフォード・ブラウン
ビヴァリー・ケニー
レム・ウィンチエスター
リー・モーガン
アルバート・アイラー
チャーリー・パーカー
ジャコ・パストリアス
エリック・ドルフィー
ミシェル・ペトルチアーニ
グレン・ミラー
ジョン・コルトレーン
ビリー・ホリディ
ウディ・ショウ
レスター・ヤング
ソニー・クリス
ビル・エヴァンス
フランク・ロソリーノ
チャールズ・ミンガス
ソニー・スティット
チェット・ベイカー
マイルス・デイヴィス
アルフレッド・ライオン -
【所在・貸出状況を見る】 https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/207076
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ジャズメンのそれぞれの生きざまを医者としてのコメントも交えて,うまくまとめてある.知っている名前がふんだんに出てくるが,ニューヨークのクラブなどでのやり取りが面白かった.麻薬や酒に溺れる事例がほとんどだが,創造的な演奏には不可欠なんだろうか.若い時に会社のバンドでウッドベースを弾いていた経験では,少しアルコールが入ると演奏にノリが出てくることは事実だ.ジャズシーンに名を残すだけの名手なら,麻薬も必要かもしれない.
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ジャズはまったく知らないけれど、人間と歴史と病跡学と死にざま列伝みたいな本は大好き。そんな本来ターゲット外の人間だが、それなりに面白く読むことができた。
ただし、前半(死亡時年齢順に並んでいる)はドラッグ、アルコール、ドラッグ、アルコール、交通事故…みたいな感じであまり面白くない。それぞれに一生懸命で、悩みもあるのはわかるんだけど、この業界ジャンキー率高すぎません? という気がしてしまうのだ(そういう人だけを集めたのかもしれないが、そこはジャズに詳しくないのでわからない)。俄然面白くなるのは後半で、ビリー・ホリデイ、レスター・ヤング、ソニー・スティット、アルフレッド・ライオンあたりはガチ泣きしてしまった。
ジャズを知らなくても楽しめるが、ジャズの歴史や当人のプレイスタイルについてかなりのページが割かれているので、ファンやマニアはさらに楽しく読めると思う。ただ、ある音楽が好きな人が、その作り手の人生(それもドラッグだとかの比較的マイナスな一面)や死亡状況に興味を覚えるかというと微妙な気もする。とするとやはり、私のような下衆な趣味人向けなのだろうか…?
2017/8/2~8/4読了