- Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784403030109
感想・レビュー・書評
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借りたもの。
ワーグナーによる叙事詩オペラ前夜。
ワルハラの建造と、ラインの黄金が盗まれる件から始まる。
冒頭から、この物語の根底にある「富と権力への執着」と「愛」の対比が、ライン川の少女たちによって語られる。
愛を放棄したものが手に入れることができる“指環”――それは世界を手中に収める魔力を有しているという。それは死の呪いであり、猜疑心に苛まれる運命にある。
この“指環”、もといラインの黄金はやはり、ライン川の底にあるべきもので、いずれそこに還る運命なのだろう。
最後の件、ラインの少女たちの悲しい歌はそれをちゃんと語っていた。
寺山修司氏のあとがきで「愛(エロス)と権力(ロゴス)の葛藤を描く」と簡潔に指摘していた。
ギリシア神話の神々を彷彿させる、人間くさい神々。
トリックスターなローゲの誘導にまんまと乗せられ、捕まるアルベリッヒは童話のお約束。
アーサー・ラッカムの挿絵、寺山修司訳という、なんとも豪華な印象に魅かれて手にとる(装丁が残念なのは、当時だから仕方ない?)
ちょっとしたカットも印象的なアーサー・ラッカム。
各章の口絵に使われているものが洗練されたデザイン。
竜のファーフナーがウロボロスのように尾を加えて円を作り(指環)、ラインの少女たちとアルベリッヒが添えられている。
こうして読むと、J.R.R.トールキン『指輪物語』( http://booklog.jp/item/1/4566023826 )に多大な影響を与えていた事がわかる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今度聞きに行くニーベルングの指環の予習にいつものシリーズで。音楽も飛ばし飛ばし聞きながら。
第一作目の『ラインの黄金』は本当に物語が始まったところ、という感じで、続きは!?という気持ちになって終わったので、これだけ楽劇を見てもそわそわしてしまいそう笑。「三日間の祝祭劇への前夜」だもんね。
とりあえず続きを読む。 -
わざわざ出版社まで指定してるのは、アーサー・ラッカム挿絵だから。
もう、ジャケ買いしてしまうレベルの挿絵の素敵さ!!
高校の図書室に置いてあって、もう挿絵の綺麗さにのめり込みました。
もう、物語と挿絵のイメージが完璧にあってるんですよ。
この感動を誰か共有して下さい。 -
アーサーラッカムの挿絵
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いちばん悪いのはヴォータンだな、という話。
アーサー・ラッカムの絵、なつかしー。 -
今回はクナの56年バイロイトライブを BGM に読み直してみました。 ワーグナーとクナとアーサー・ラッカムのコラボで堪能する「ラインの黄金」は格別でした。 たとえおれが悪事を行ったとしても、それは自分に対して、勝手に罪を作るに過ぎないが、神のお前がおれの指環を奪うことは、この万世のすべてのものに対して罪を作ることになるのだぞ!by アルベリヒ。 誰も耳を貸さなかったのが悲しい。
(全文はブログにて)