スクリプトドクターの脚本教室・初級篇

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  • 新書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403120244

感想・レビュー・書評

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  • めっちゃ面白かった。脚本を書く予定はありませんが(笑)、あちこち創作全般に対してタメになる情報がいっぱいでした。新しい視点が増えた感じ。単純に映画観るのが好きな人も、脚本の考え方などなどが見えてきて、また違った楽しみ方が増えるんじゃないかな。
    物語を創り出す全ての人に向けた指南書です。

  • あなたならではの経験からくる想いや感情の動きを理解したら、今度はシナリオの主人公に仮託し、彼や彼女を限界まで追い込んでみて下さい

    他者認識(キャラクター)だけを辿ろうとせず、自己認識(パーソナリティ)に着目することで、新たな展開を生み出せたり、人物が隠し持っていた要素を発見しやすくなる

    殻を破る瞬間

    殻を作るのは、「未精算の過去」

    社会的な仮面と未精算の過去

    殻を破れるのは自分自身

    中心軌道

    抽象化 設定の具体性やキャラクターの固有性をはぎとって芯の部分のみを抜き出していく

    主人公と敵対者、あるいは環境などの関係性をX.Y.Zの3つに絞る 

    旅人の鞄

    逆バコ起こしで構成力を身につける

    • uptoyounikonikoさん
      『自分自身』を探す旅路は辛い時もあったけど
      見つかり辛いことと、見つからず辛いことがある。
      知らなかった事実はやはり知った方が良い。
      ...
      『自分自身』を探す旅路は辛い時もあったけど
      見つかり辛いことと、見つからず辛いことがある。
      知らなかった事実はやはり知った方が良い。
      人は知らない方が幸せというが。
      事実を受け止める課題がある。殻を自分自身で破る勇気を持てない根底を探し彷徨っている。
      2016/06/12
  • 190223.内容もしっかりしているし、他では中々読めない内容だと思う。
    映画のコアな部分を簡潔にまとめるというのはとても面白いし、そこまで削ぎ落とした骨格は昔からの物語から通じていたり、ジャンルを飛び越えて共通しているものがある。
    そしてそれらはいつの時代にも人の心を刺激する。
    うーん、とても不思議でとても納得。古典の大事さ。ただ読むだけではなく、本質を捉える必要性。
    監督、脚本家の作家性の原点や、本人も気づかない本質に気付いてしまう三宅さん。
    根底にあるのは全てパワーオブラブ。すごいです。
    最後の箱書きもそれだけで一本の映画を観た気分に。
    中級編も買います。

  • 印象的な箇所のまとめ。

    ・あなたらしい作品を描きなさいと脚本教室の講師は言う。そこで自分のあたりさわりない日常を描いても、コンクールで落ちる。
    ・あなたらしい作品とは何か。それは、プロの真似をしないこと。あなた独自の社会の見方を提示すること。
    ・あなたには、たくさんの好きなこと、嫌いなことがある。これはあなたが毎日他人を評価し、ジャッジしているということ。あなたの判断基準、評価基準はあなた独自のものである。
    ・ありのままのあなたを作品化するためには、貴方の心のブレーキを外す必要がある。
    ・多くの作品の主人公もまた、最初はブレーキがある状態で登場する。様々な障害と対決する課程で、主人公の心のブレーキが外れ、本来の自身の能力を発揮するようになる。主人公の変化が、ドラマになる。
    ・あなたの作品の主人公は、あまり変化しない。変化したとしても、厳しい障害を乗り越えて変化したわけではない。ただなんとなく変わっただけとか、説得力がない。これではコンクールで受からない。

    ・無難な人物を主人公にしない。興味が持てない人物は、魅力的に描けない。
    ・脚本家のあなたが「不愉快に感じる人物(嫌いな人物)」は、あなたの倫理観において「認めていない人物」である。ムカムカしたりイライラする。あいつだけは許せないと、気になって仕方がないはず。実はこういう感覚も「共感している」と言える。
    ・主人公を追い込むのが辛いなら、自分の嫌いな人物を主人公にする。
    ・誰かを嫌いなのは、その人に対して「もっとこうしてほしい」という想いがあるから。
    ・主人公に次々と障害をぶつける。主人公が障害を乗り越える過程で、主人公の状況、考え方、習慣行動が変わる。

    ・先行作品を手本にする。ジャンルやストーリーではなく、中心人物の関係性、パワーバランス、中心軌道をまねる。具体的には、脚本の要素を抽象化して、数式のように定義する。
    ・中心軌道とは、脚本を貫く葛藤の流れである。主人公Xが敵役Yや物体Zを前にして、葛藤する。関係性が変化する。その流れが中心軌道。
    ・異なるジャンルの作品でも、中心軌道が似ている場合はある。
    ・脚本のクライマックスとは、葛藤の最終解決行動である。

  • 「窓辺系の君たちに送る、人生を変えるための処方箋」 - あなたを救うのは、あなた自身でしかありません。あなたの「殻」を破れるのもあなた自身なのです。 - あなたにはあなたらしい学びの速度があり、あなたらしい脚本の書き方が必ずあります。 - あなたがあなた自身の世界観で、驚き、笑い、恐怖し、涙し、考えさせられた映画たちこそが、真の意味での教科書です。 - あなたの最大の武器は、「あなたがあなたであること」だということを、どうか忘れないでくださいね。

  • 読書会課題図書
    スクリプトドクターという映像制作現場における脚本コンサルタント的な職業を生業にしている方の脚本指南書
    具体的な方法論というよりは、向き合い方に関する事が多く、
    事例もたっぷりで特に脚本を書く予定のない自分でも興味深く読めた
    自己啓発的な側面もありながら、物語の見方についても新しい視点を得られたように思います

  • 読みものとして秀逸

  • 実例を書けない処がもどかしいが、Sドクターはカウンセラーでもあるという点はよく分かる。

  • この本の冒頭に「窓辺」系シナリオという言葉がでてきます。「窓辺」系とは、作者が主人公の内面に入り込みすぎ、問題に対して主人公は窓辺で悩んだ末、なんとなく成長したつもりになって終わる物語のこと。

    作者には主人公のきもちが痛いほどわかり、感動すらする。だからこそこれは自分にしか書けない「自分の持ち味」をいかした物語だ!、と感じてしまう。それが、他人には「なんとなく」しか伝わらない感情で、誰もが書く「ありがちな物語」なのだと断言され、衝撃でした。

  • 自分以上の映画の知識を持った人々は沢山いるが、「映画に対しての自分の感情」は自分なりのオンリーワンのものだ。それを大切にしろって所はとっても大事やと思った。あと、物語を分解して、話の軸を「抽象化」「類推」し、ジャンルの違うストーリーにも通底する話の軸やテーマを探すことについても改めて大事なことだと感じることができた。

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著者プロフィール

脚本家・映画監督・スクリプトドクター・心理カウンセラー。
主な作品に、映画『ホワイトリリー』『劇場霊』『クロユリ団地』『七つまでは神のうち』『呪怨 白い老女』、テレビドラマ『デッドストック~未知への挑戦~』『ほんとにあった怖い話』『世にも奇妙な物語』など多数。
著書に『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』『スクリプトドクターの脚本教室・中級篇』(新書館)、『これ、なんで劇場公開しなかったんですか? ~スクリプトドクターが教える未公開映画の愉しみ方~』(誠文堂新光社)などがある。
日本では数少ない「スクリプトドクター」として、国内外の映画企画に多数参加。東京藝術大学大学院や各種大学、シナリオ学校などで講師も務める。

「2017年 『スクリプトドクターのプレゼンテーション術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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