翻訳教室

著者 : 柴田元幸
  • 新書館 (2006年2月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403210884

作品紹介

チュアート・ダイベック『故郷』、バリー・ユアグロー「鯉」、レイモンド・カーヴァー「ある日常的力学」、ハルキ・ムラカミ=村上春樹(英訳はジェイ・ルービン)"かえるくん、東京を救う"、イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』より「都市と死者2」、アーネスト・ヘミングウェイ『われらの時代に』より第5章と第7章の抜粋、ローレンス・ウェシュラー「胞子を吸って」、リチャード・ブローティガン「太平洋ラジオ火事」、レベッカ・ブラウン「天国」。村上春樹、ジェイ・ルービンもゲスト参加!東大文学部の翻訳演習を完全収録。

翻訳教室の感想・レビュー・書評

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  • 再読です。

    で、やっぱり面白い!!!

    東大文学部翻訳演習完全収録という本書。
    毎週、課題を与えられ翻訳に挑む学生たちも、それを添削する柴田先生(院生のヘルプがあるとは言え)も、どんなにか大変な日々だと思うのに、みんな、とても楽しそうなんですよ。
    頑張って勉強して東大に入るとこんな面白い演習に参加できるんだなぁ、とこれは前も思ったことだけど。(*^_^*)

    学生さんたちが優秀なのはもちろんだけど、とても前向きに“翻訳”という世界に取り組まれているのが素敵です。

    また、実はここが読みたくてこの本を買ったわけなのですが、演習に村上春樹さんご自身が来られて、学生の質問に答えたり(学生さんたちの驚きと喜びを想像すると、私まできゃぁ~~!(*^_^*)と言いたくなる)、また、同じ作品を村上訳、柴田訳で比べたりする章がこれまたとてもとても面白かった。

    翻訳って・・・
    「横のものを縦にする」(*^_^*) だけでは成立しないんだよね、とこれも改めて。原文の持つ世界観をいかに伝えるか、が命なんだ・・。

    以下、私の覚書のために・・。

    ●英文の語順で日本語に訳す(特に、節の順番!)のが基本。
    ●日本文のリズムを大切に。
    ●原文の持つ雰囲気を壊さないように。→ あまりにこなれた日本文に訳すと、原文の持つ“奇妙な”感じを崩してしまうことがある。あえて固い日本文に訳してみることが必要な場合もある。
    ●英文は誰の目線か、ということがはっきりしている特徴があるので、そこに留意。もし、目線が変わってきていたら要注意。
    ●主語その他の代名詞は、全部訳さないのはもちろんだけれど、半分くらいを目途にするといいかも。
    ●shockをショックと訳すと、文の中での重みが違ってしまう、みたいな、よく知る英語に要注意。

  • こんな講義受けたかったなあ!私の脳みそじゃ東大になんか入れないしそもそも文系じゃないけど。
    各々が己のポリシーを持った議論って楽しいよねえ。

  • 翻訳とは正解のない作業。それでも精度を高めようと表現を練る教師と学生たち。日本語の表現の豊かさを感じさせる。

  • 2015/03/16 読了

  • こんな授業があれば絶対とりたいな。さすが東大生と、自信を削がれかけもしたが自分の方がニュアンスをつかめてるなと思うところも二、三カ所あり、モチベーション上げる次第。

  • 翻訳者、柴田元幸先生が東大で行った翻訳の講義をまとめたもの。
    購入したのは3,4年前だったが、忙しくてなかなか読めなかった。
    課題の原文が9作あり、これらを訳してから先生の講義の文章を読まないと勉強にならないため、読み進めるのに時間がかかる。
    翻訳者として、決して見過ごしてはならない英語の表現はもとより、日本語にもかなりこだわって、学生さんと議論しながら良い訳文を作っていく。
    原文があって、それを文法通りに意味を取るならだれでもできるが、翻訳はそれを日本語にするだけでなく、作者の気質、これまでの作品、書いたときの状況なども把握しないと、原文を正確に日本語にすることはできない。
    例えば、小説はほとんどが「で・ある」ちょうだが、場合によっては「です・ます」調で訳すこともある。
    このような選択は、作者のことも作品全体のこともよくわかっていないとできないのである。

  • 著者が東大文学部で行った「西洋近代語学近代文学演習第1部翻訳演習」の授業をそのまま本にしてありますので、読むと疑似授業を受けているような面白さがあります。村上春樹さんを迎えての特別講座もあります。

  • 読むの2回目。柴田元幸氏による東大翻訳講座の記録。先生と学生との、世間一般からみたらどうでもいいような熱いディスカッションは何度読んでも刺激的。ゲストとして日英翻訳家のジェイ・ルービン氏と村上春樹まで登場し、「ああ、何かにかまわず、学問ってこういうふうに発展していくんだな」というのを実感できる。些末な事柄についてとことん具体的に論じ合う、これこそ学問の理想の形ではないだろうか。

  • 翻訳者としての柴田さんのファンとして手に取った一冊。
    雰囲気にあわせた訳をするという印象はありましたが、
    原典の表現一つ一つをくみ取ろうとする誠実さに感嘆させられました。

    英単語のこまやかなニュアンスの説明、
    そして、小説の背景についての解説も流石なのですが、
    それ以上に印象的だったのが日本語への気配りです。
    日本語についても学ばせられることばかりで、
    これはもう一種の文章読本と言い切りたい気持ちです。


    自分でも英語を頭の中で訳してみては、
    学生さんの訳の工夫に唸らされ、
    それについての改善点を考えては、
    その上をゆく先生の指摘にはっとさせられる。
    その連続の中で知的興奮が高まってゆく、とても楽しい読書体験でした。

    この後ここで知った小説を読んで楽しめると考えると、
    一度で二度も三度もおいしいわけで、実に素晴らしい本ですね。

  • 翻訳家になりたい気持ちがまたむくむくわいてきてしまう1冊。
    東大入ればよかったw

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