代表質問 16のインタビュー

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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403211027

作品紹介・あらすじ

村上春樹さんたち13人が話してくれたこと。

感想・レビュー・書評

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  •  柴田元幸氏の行った16のインタビューを集めた本。
    「16人」に対しではなく「16回」のインタビューということになる。
     例えば村上春樹、バリー・ユアグロー、ロジャー・パルバースに対しては各2回ずつ、これで計6回という計算になる。
     また、ジョン・アーヴィングへのインタビューは、それまでに他の人が行ってきたジョンへのインタビューを、柴田氏が編集・再構築した「架空インタビュー」ということになる。
     他にはリチャード・パワーズ、スチュアート・ダイベック、ケリー・リンク、レイモンド・カーヴァのパートナーでもあったテス・ギャラガー、ベン・カッチャー、古川日出男、沼野充義、内田樹、岸本佐知子へのインタビューが掲載されている。
     ベン・カッチャー以外の人たちの作品(小説、評論、翻訳物等)は読んだことがあり、それなりに面白かったりもしたので、インタビューも興味深く読み進めることが出来た。
     ただ、こうして人名を並べてみると、柴田元幸という名前から連想される人たち、いわゆる「柴田元幸人脈」の範疇内の人たちばかりだな、と言うことも出来そう。
     だからこそ安心して読めるのだろうけれど、だからこそスリルや意外性には乏しいと思う。

  • 手を出すのが早かった・・・

  • 海外文学の著者とのインタビューも載っている。
    エキセントリックな小説書く作家の生の声聞くと、おもしろい。

  • 「人間というのは物語を語る動物です。人間がなぜ物語を語るのかと言えば、そうやって人間は記憶するからです。」-スチュアート・ダイベック(小説は挫折した詩、あるいは詩のDNAを隠している)

    「僕は、これは前にどこかで言ったことがあると思うんだけど、すべての風俗は善だと思っているんです。原則的にはね。つまり今あり、今おこっていることは、原則的にはナチュラルであると。」-村上春樹(一九八九年の村上春樹)

    「それから、ある学校で読み聞かせをしたときに、すべてがうまくいく話ではなく、めちゃくちゃになる話も書いているんだと言ったら、「人生みたいに?」と訊いた男の子がいました。」-バリー・ユアグロー(桜とヤクザのいる風景)

    「だからだいたい、「絶対に何トカだ」とうるさくいう人は「絶対」を見ていないんです。・・・声高に語れば語るほど、目が向いているのは自分のすぐ近くにいる人間との相対的な勝ち負けなんですよ。」-内田樹(『村上春樹にご用心』をめぐって)

    柴田元幸という人は(知り合いではないけれど)捉えどころのない人だと思う。訳されたものを読むと、個性が色濃く出ている翻訳であるように感じるかと思えば、実は無色透明だと言ってもよい訳のようにも感じたり。川上弘美か岸本佐知子かが言っていたと思うけれど、柴田元幸という人は実は何人も居て、各々が翻訳をしたり、エッセイを書いたり、小説を書いたり、雑誌を編集したり、しているのではないか、と(そう言えば、柴田さんのエッセイに本人の幽霊を見る話があったね)。但しどの柴田元幸も揃いも揃って精力的ではあるけれども。

    この本に収められたインタビューの中でも、インタビュアーという、基本的には答えを引き出すための問いを発する受け身の立場に(発するのに受け身とはこれいかに)いるよりはもう少し積極的で、自らも答えを出していたりする。その辺が翻訳でも柴田元幸翻訳という一つのジャンルになってしまう個性だと思うし、インタビュアーからもそんな個性がちらほらと見え隠れはする。しかし、読んでみて結局何が残るのかというと、インタビューされた人たちの印象的なメッセージであって(柴田さんにまつわるエピソードも、もちろん、記憶されるけれども)インタビュアーの思いそのものではない。そうなってしまうところに、柴田元幸という人の才が発揮されているのだと思う。

    「代表質問」というタイトルにも、その才能が意識して機能されていることが伺える。あらかじめ用意された問答に沿って問いを発するのではなく、一つの質問に対する答えから、きっとこんなことが聞きたいとみんな思うのだろうなという質問がさらに繰り出される。そういう一歩踏み込んだところへ行くためには質問をする側の抱えているものも開示せずにはいられないのだけれど、そうやって個人の考えを示しながら普遍的な問いになっているところが柴田元幸という人の特殊なところかも知れない。

    そんな風に言ってみると柴田元幸がいかにも頭のよい人で(もちろん、そうだと思うけど)イマジネーションに溢れた人であるようにも聞こえるし、内田樹との対話の中で本人も、自分は身体の動きが悪くて頭と身体のバランスが悪いと言っているけれど、イマジネーションの元というのは何かを察知する能力であって、これは脳の働きというよりセンサーである身体の機能に負うものだ。そうだとすれば柴田元幸という人は、ひょろひょろとした如何にも体の弱そうな人であるように見えながら、やはり優れた身体能力を持つ人であると思うのである。そうでなくちゃ、あんなに読み易い日本語は紡ぎだせないもの。

  • 時間はかかったけどとても楽しく読み進めることができました!
    特に柴田元幸が自分で訳したことのある作品の作者との対談は興味深かった。何冊か入手しちゃったもん。本。
    (バリー・ユアグロー、ロジャー・パルバースにやっぱり買っちゃおう!と古川日出男、内田樹も!特に内田樹はちょうど気になり始めた所だったのでこれを機会に!って感じでした)

    この中で村上春樹との対談も二本入ってたんだけど、特に1986年の対談にはいろいろ「はっ」とさせられた。
    当時もし読んでたら意味が分からなかったと思うし、1986年当時は実は毛嫌いしてた(笑)ので絶対読まなかっただろうけど(笑)、今2009年に読むことが出来て良かったと思った。
    ちゃんと書きたいのでちょっと時間もらいますv
    + + +
    就寝前にぽつぽつ読んでます。2009.10.01.

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著者プロフィール

柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年東京都生まれのアメリカ文学研究者、翻訳家。東京大学文学部名誉教授。ポール・オースター、レベッカ・ブラウン、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソンなど、現代アメリカ文学を数多く翻訳。
2010年、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』(新潮社)で日本翻訳文化賞を受賞。マーク・トウェインの翻訳に、『トム・ソーヤーの冒険』『ジム・スマイリーの跳び蛙―マーク・トウェイン傑作選―』(新潮文庫)、最近の翻訳に、ジャック・ロンドン『犬物語』(スイッチ・パブリッシング)やレアード・ハント『ネバーホーム』(朝日新聞出版)、編訳書に、レアード・ハント『英文創作教室 Writing Your Own Stories』(研究社)など。文芸誌『MONKEY』、および英語文芸誌Monkey Business 責任編集。2017年、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。

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