資本主義はニヒリズムか

  • 新書館
4.17
  • (2)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 26
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403231186

作品紹介・あらすじ

司馬遼太郎が言うのとは逆に、日本は明治維新の近代化路線からすでに間違っていた。長寿だけが価値になってしまった現代日本のニヒリズムに抗するには、保田与重郎と特攻隊の思想しかないのではないか、と佐伯啓思は問う。ニヒリズムはもともと人間の条件、金融危機はそれが露わになっただけにすぎない、人間のすべての表現活動において、いまこそ核心的な問いが問われはじめている、と三浦雅士は応える。対論4篇、論文2篇を収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • モダン理解をわかりやすく書いた「身体の零度」からの延長で三浦氏の新刊を手にとる。

  • 佐伯啓思氏の文章から引用

    ミクロ的な投資主体のリスク管理は合理的になされる。

    金融市場の効率性は合理的に提案できる。

    市場経済の効率性は達成できる、としよう。

    しかしそれですべてうまくいくかというとそうではない。

    問題は、それらをすべて統合する「社会全体」を見る視点がまったく欠如している点にある。

    そして、社会全体を合理的に管理できる科学は存在しない。

    社会とは、政治・経済・宗教・地域共同体・歴史的構造などの複合以外の何ものでもないからだ。

    だから、社会を一定の方向に導くには、全体を統合する「価値」が必要となるのである。

    ニーチェはそれを「パースペクティブ」といった。

    社会について論じるとは、常に、一定の視点(パースペクティブ)から論じることにほかならない。

    つまり、ある「価値」を選択するほかない。


    としている。

    この著作は、佐伯啓思と三浦雅士という智慧・知識の巨頭が人間社会が歴史的に希求してきた「価値」について縦横無尽に語り合ったものがたりなのである。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1949(昭和24)年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。滋賀大学、京都大学大学院教授などを歴任する。2007年正論大賞受賞。著書に『隠された思考』(サントリー学芸賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(東畑記念賞)、『現代日本のリベラリズム』(読売論壇賞)、『倫理としてのナショナリズム』『日本の愛国心』『大転換』『反・幸福論』『西田幾多郎』など多数。

「2018年 『「保守」のゆくえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐伯啓思の作品

ツイートする