パリ・オペラ座のバレリーナ: きれいに生きるための12のレッスン

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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403320279

感想・レビュー・書評

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  • この間見た映画エトワールにも出演していた、ミテキ・クドー。
    彼女は子育てとダンサーを両立、元エトワールの母に協力してもらっているそうです。

    オペラ座バレエ学校の入学試験を受ける9歳から⒓歳の子ども達は、まず最初に身体測定を受け、おまけに家族の身体的特徴まで調査されるそう。そこでかなりの子どもが不合格になるそうです。ミテキはエトワールにはなれなかったようですが、この学校に入れたのも母のおかげといえますね。この本当時5歳の彼女のお嬢さんは今12歳のはずだけど、どうなったかしら。

    個人的にひとつとても興味深いコメントがあったので、メモしておきます。

    ――これまでのキャリアのなかで、もっとも大事な作品を挙げるとしたら?

    ピナ・バウシュの『春の祭典』(1997年パリオペラ座初演)。まさに信じられないような体験でした。ピナバウシュがオペラ座に振付けること自体が信じられない事件だったわけですが、リハーサル初日からダンサーたちは信じられないようなショックを受けたんです。「自分がどこに連れていかれるかわからない」という感覚。いまでも、自分が生贄役を踊ったビデオを見るたび、「よくこの役が踊れたものだわ」と自分でもびっくりするんです。それ以前の私が少女のダンサーだったとしたら、『春の祭典』によって大人の成熟したダンサーになれた。そしてこの作品によって、私は周囲が抱いていた私のイメージを覆すことができました。当時は『ラ・バヤデール』の壺の踊り子のような、かわいい女の子の役を踊るダンサーだと思われていました。けれど、『春の祭典』のおかげでそうではないことを周りに知ってもらうことができたんです。

  • レッスンがいかにつらくても、どんな挫折に直面しても、この「ダンス状態」を決して忘れないこと。そうでなければ、バレエはたんなる屈伸運動にすぎません。パフォーマンスがいくらハイレベルでも、魂、ポエジー、人間美が欠けていれば芸術ではないのです。

    「我々は我々が食べるものからできている」byヒポクラテス

    肉は一週間で最大で4回くらい、肉を減らすことは炎症予防にもなります。

    公演のある日は「三時間ルール」を厳守。公演の三時間前に食事を終えましょう。そうでないと、消化不良となり、筋肉へのエネルギー源の伝達がブロックされていまいます。

    水分不足は、レッスンによる疲労を倍加させます。体重の2%分の水分を失うことで、疲労度が20%増加するのです。

    爪も呼吸していますから、ペディキュアを継続的に塗っておくのは避けましょう。

    休養でもっとも大切なのは睡眠です。一般的にダンサーは就寝時間が遅いため、疲労が蓄積しがちです。時間の制約や日頃のストレスを忘れて十二時前には就寝しましょう。短い昼寝も効果的です。十分な睡眠をとることでけがの回復もおどろくほど早まります。

    ダンサーにとって、完全な休養期間は数日間にとどめることが肝心。それ以上だと、ボディラインやダンス技術に影響が及んで活動再開が大変になります。

    byクリスティアン・ボバン「純粋な存在」より
    「私は窓の向こうにある木に毎朝こうたずねる・『今日は何か新しいことがあったかい?』何百もの葉を揺らしながら木は功答えてくれる。『すべてが新しいんだ』」まさにダンスクラスもそうなのです。

    ダンサーの孤独な作業
    →ダンサーがこの孤独を忘れることができるのは舞台の上でだけ。長いリハーサルに耐え、難しい振り付けを克服した後、舞台という「真実の瞬間」を生きるのです。

    まずは紙を3枚用意してください。一枚に自分の踊りの「長所」と「短所」を書き出してください。うぬぼれや謙遜を捨てて長所を理解し、短所を改善目標とする。

    踊っている最中にずり上がらないようにお尻にロジンをつけてから着用

    本番前の最後の食事は最低3時間前に。これは消化によるエネルギー消費を抑えるためです。

    ヒールの後ろまでロジンを塗るとマメの原因になる

    @滑りやすいフロア
    ポワントのプラットフォームに縫い目を入れて、、外側のソールに引っかき傷を入れておく

    公演などとくに激しい運動後の2、3回の食事は、老廃物排出を促すために、野菜またはフルーツジュース、シリアルや豆類、フルーツ、採油植物類を中心とした軽いものにしましょう。赤みの肉は特に老廃物を増加させてしまうので禁物。

    @ストレッチ
    深呼吸をしながら十分な酸素を送り込むことで、乳酸の蓄積を防ぐことができます。「ゆっくりと」これがストレッチの基本です。

    呼吸、とくに深呼吸は、エネルギー補給だけではなく、感情のコントロールに効果的です。深く、リズミカルな呼吸は、酸素補給、呼吸機能の改善、筋肉の柔軟生の向上を促進します。また、横隔膜、咽喉を解放し、内蔵や心臓のマッサージ効果もあります。神経系統が絶えずストレスにさらされていると、疲労、過度の緊張、不安、鬱、精神不安の原因となります。正しい呼吸は、神経からくる筋肉の緊張をほぐし、ストレスに直面した神経機能を安定化させてくれるのです。

    リラクゼーションとは「状態」ではなく「運動」です。また「耐え忍ぶ」運動ではなく「解放」する運動であることを忘れないで。

    夢が明確になったら、今度はその夢を自分自身の現実と対応させてみましょう。毎日、「いま私がいるところから、夢を実現するためには、何をしなければならないか?」を考えてリストアップしてみましょう。

    @妊娠中
    ムーブメントに少しでも痛みを感じたら即座に止めること
    激しいアンドウオールは行わず、速いテンポの動き、グランバットマンは控えめ、ソーは厳禁、ポアントはバー・レッスンやセンター・レッスンのルルベ程度にとどめておくことです。

    会陰部はダンサーにとってもっとも重要な部分です。とくにソーを行うには会陰部が強靭でなければなりません。そうでないと、身体全体のエネルギーの浪費を招き、内蔵機能の低下を引き起こすこともあります。

  • パリ・オペラ座のダンサーたちの身体のケアについて
    詳しく出ていると薦められて読んでみました。
    とてもいい本だと思います。

  • 妊娠中のレッスンについても自身の体験に基づき
    書かれているので、妊婦さんでバレエをやっている方
    には、ぜひオススメ!
    体型の維持、子育てとバレエの両立についてなど、
    興味深い内容が盛りだくさん!!

  • バレエをやっている人間には、分かっていても実践が難しかったことが改めた書いてあった。頭で分かっていたことも理路整然と活字にされると、確実に実行しようという気になれた。この本を読んだときは、ちょうど怪我で2ヶ月休んでいたときだったので、色々と感じることができた。ステキな本。

  • 日本人の父(工藤大弐)とフランス人バレリーナ(ノエラ・ポントワ)の母をもつミテキ・クドー。体や食生活などバレエについてはもちろん、妊娠・出産といったことをいかにしてプロダンサーという職業と両立するかといったことが書かれている。『ダンスマガジン』の連載をまとめたもの。彼女はは現役のパリ・オペラ座のダンサーであり、夫は同じくオペラ座のダンサー、ジル・イゾアール。二人には男女ひとりずつの二人の子どもがいる。

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