パーム (1) ナッシング・ハート (ウィングス文庫)

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  • 新書館
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403500015

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  • 文庫本でご紹介。
    アメリカに暮す主要人物たちの非日常的日常生活。
    相次ぐ身の回りの不幸にすっかりグレてしまった元医者のカーター、純潔マフィアに生まれながらも牧歌的生活を維持しようとする天才青年ジェームス、アフリカで自然と育ったアンディ、小粒でピリリと辛いアンジェラ、死そのもののような殺し屋サロニー、怖いもの知らずの警官フロイド。
    20年も続くと絵柄がかなり変わり、最近ではすっきりウツクシくなっているけれど、私は中盤のべったりした頃が好きです。作者のコマには納まりきれない情熱が感じられます。
    台詞もとても印象的なものばかり、そして死を含む別れの場面や、人の心の深遠を描く幻想シーンはどれも秀逸。

    印象的な台詞をいくつか。
    「その体に熱量がある限りは闘え」
    「宇宙では惑星の死滅は平凡だ、生命は儚い、けれども情熱に満ちている」
    「認識しなければいけないのは彼らが”彼ら”ではなく我々ということだ」

  • パーム、長いしね、絵柄硬いしね。
    でも私には名作なんです~。
    やっぱ、ジェームス・ブライアンという男の一生を見届けたい。

  • いつかめぐり合う善良な人たち、過去の帰らぬ人、今自分を覗き込む優しい視線、分かり合えなかった人、報われなかった思い、生まれなかった魂、全てを愛しいと全身で叫ぶ事を、それに迷わない事を学んだ。
    この体に熱量がある限り戦う。
    あたしは決して孤独ではない。
    座右の書。

  • アメリカ西海岸を舞台にした大河ドラマ的な漫画シリーズ「パーム」の第一話がこの「ナッシング・ハート」です。コミックス版では2巻目なんですが、第一話なんですね。

    収録作は「ナッシング・ハート」と第二話「胸の太鼓」。
    シリーズにはマフィアの御曹司ながら父に恐れられ命を狙われマフィアの世界から去ったジェームス・ブライアンことマイケル・V・ネガット、元医者の私立探偵カーター・オーガス、カーターの親類でライオンに育てられた野生児アンドルー・グラスゴー(通称アンディ)、の三人の主人公がいますが、「ナッシング・ハート」はジェームスの、「胸の太鼓」はアンディの少年期が描かれます。

    「ナッシング・ハート」の意味は、直訳すれば「傷ひとつない」。転じて「決して傷つかない」。心も身体もズタボロの傷だらけになっても、ジェームスは「愛はけして傷つかない」強い信念を持って生きていく。後々のシリーズを読み進み、また読み返してその度に胸を打たれる秀逸なタイトルです。
    自分も小学生の頃から愛読しています。

    もう30年以上続いている漫画ながら、知名度は高くないのが残念。そのまま映画になるようなクオリティなのになあ。

  •  久しぶりに再読。
     やはり、マンガ的ではないというか映画っぽい。(絵柄自体もディズニーアニメっぽいからだろうか)

     マリアの言う「決して傷つきはしないんだよ」は、心に残る。

  • 子どもを無くした育ての親が、ジェームズに向かって言う言葉。
    「神さまをうらんじゃいけないよ。
    なにも失われちゃいないんだよ。
    なんにもきずついたりしないんだ」
    彼女はさらわれそうになったジェームズの目の前で殺されます。
    「あたしの子をどうしようっていうんだい!」と叫びながら…
     ジェームズの義父(叔父)は彼を嫌っています。彼は乳母の家の子ども同然でした。
     身代金支払いにも応じず見殺しにしようとするマフィアの義父。ジェームズは自力で脱出し別のマフィアにかくまわれます。

  • 文庫版パーム1

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