きみの処方箋 (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館
3.66
  • (29)
  • (34)
  • (62)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 274
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403520938

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  業の深い愛の深いお話。

     この作者さんのお話は、いつも胸がぎゅっとして切なくなる。
     私が持て余してる感情に共鳴して、言葉を与えられる感覚がすごくするので、胸が苦しくなります。

     今回の話はたった一人の家族だった母親を亡くして、ほとんど会ったこともないおじに引き取られた智朗と従兄の克巳の話。
     おじに引き取られても、なかなか素直になれなくてぶつかってしまう智朗。
     対照的に、持病があるにも関わらず、明るくて人気者の克巳。そんな克巳には、智朗が考えもしなかった秘密があって……という話でした。

     とにもかくにも切ない。
     こんなにも一生懸命に必死なのに、なんというか、所詮高校生の悪あがきでしかなかったのだな、と突きつけられる現実が苦しい。子供の一生なんて、必死なんて、これから広がる世界の中ではちっぽけなものっていうのを突きつけられる。
     だけどそこには愛情があって、その上での救いがある。
     そんな苦くて甘いお話です。
     心の中の子供を殺せてない大人にオススメします。

  • あらすじを読んで購入を決めたのですが、てっきり主人公は受だと思っていました。途中で気づき慌てて攻視点に気持ちを切り替えたものの、それもあってかとても微妙に感じられた話です。
    細かい話はメインのネタバレになるので省略しますが、主人公がひねくれていて受への態度も冷たいので攻ザマァになる話だったらまだ良かったかも。とにかく合わなかった。
    同時収録されていた話も、本編で受を散々自分の事情に引っ張りまわしていた少女のNL話だったので、読むのが苦痛でした。BLなのにNL。一体どこに需要があったんだろう…。
    月村さんで失敗というのはほとんどなかったから油断してました。

  • ★3.5。兄弟もの。年下攻めになるのかな~?描写ないので受け攻めという表現がしっくりきませんが、一応。

    伯父に引き取られた攻め目線の話。天真爛漫だけど心臓疾患持ちの義兄の受けと頑固者の伯父、気さくな義母と可愛い幼い義妹。皆人間臭くて好い人たちでした。キャラの魅力で成り立っている部分もあり(いい意味で)、BL的萌えはあまりなかったけどスルスル読めた。特に後半の伯父さんが好人物。攻めの実父が一番ヘタレやんと思ったが…誰も突っ込まなかったね(--;)

  • ★3.5表題作と短編が3話。復刻版。
    伯母や美姫、草子など女性の出番が多い。伯父さんもいますが。甘い雰囲気はあまり無くて最後の短編までいたしていない。高校生の二人は若い!

  • 一瞬地雷を踏んだかと思ってびびったのですがそんなことなかったです。最後の、その後の短編が好きかな。

  • 素晴らしい。泣いた。萌えた。痛々しいだけじゃなくて。人の心にあるエゴ、ドス黒さ、自己嫌悪、愛されたい、必要とされたい思い、その先に救いもあって。それぞれの気持ちに揺さぶられた。展開も緩急テンポ良くて引き込まれた。

    出生に翻弄される登場人物たち。まさかの真実と展開に、えー!連発w ここに女子を混ぜていいスパイスにしてしまうとは。それも単にヤキモチとかの話でないのがいい。

    伯父さん「ウチの息子が…」ってカッコ良かったよ。伯母さん、単に当たりのいい人ではなかったなぁ。正直な気持ちを言える勇気ある人。胸が詰まった。

    何度絶望感を味わったんだろう。それでも逃げずに前を向いている克巳の精神力も凄いし、智朗の腹立ち紛れの口説き文句にギューっときてしまった。
    克巳のこれまでが報われた気がした。
    腹立って気付けば口説いてたって、智朗のキャラにまた似合うから、もうね…♪

    ほぼエロない感じでだったけどイイ。大人になった二人が楽しそうで嬉しかった。

    あまり軽くはないので余裕のある時に読むほうがいいかな、でも後味は良かった。色々引き摺り出して洗っちゃうみたいな。

  • 【あらすじ】
    父を知らずに育った智朗は、たった一人の家族だった母を亡くして伯父の家に引き取られた。けれど頑固な伯父とは衝突してばかりのうえ、従兄の克巳からは屈託もなく言い寄られ、智朗は早くこの家を出て独り立ちしたいと思っていた。ところが、心臓の病にも負けずに明るく見えた克巳には、実は智朗が思いもよらぬような秘密があり…。きみを守りたい、そして癒したい―あの名作が、書き下ろし短篇とともに甦る。


    青い!青くさい!だがそれがいい
    しっとり素敵なお話でした
    設定だけ見ると暗くて痛いかんじなのに、実際にはどこか安心して読めるというか、月村さんの作品のそういうところが好き
    読後感も良かったです

  • 心臓の持病がある兄と、家族と確執がある養子の弟の話。
    兄がとてもいい子です。

    月村さんの話は優しくていいですね。
    血のつながりのごたごたとか、一歩間違うと昼ドラストーリーになりますが、でこぼこはしているものの、登場人物が皆必死で生きていて健全でした。

    父親が美味しいポジションでした。

  • どっかのレビューで評価が高かったので気になっていた本の一冊です。
    読んでみると月村さんらしい、優しい本だなーって思ったのが第一印象。
    そういったシーンがないのもこれはこれで本当によかった。
    純粋な気持ちで読めたと思います。
    ……いつも腐っててすんません。
    この前読んだ本が本だけにすんげーほのぼのした気分。
    とかいいながらもなかなか登場人物の設定された家庭環境とか複雑で…
    変な同情とかを誘ってるわけではないと思うのですが…
    その辺はちょっとくどく感じてしまうかも??
    …あたしは嫌いではないのですが。
    智朗の不器用な性格とか、克己の想いとか…
    草子ちゃんの心情とか…みんな本というにいい子達でした。
    はじめは叔父さんにいい印象なかったのですが、、、
    たぶん、この本のMVPは彼だと思ってます。

    なんかこれ…だいぶと前に発売された本の新装版みたいで
    新たに挿絵が変わって、話が書き下ろされたものみたいです。
    読み応えはあったかと…。

  • 十代ならでは!という清々しさがありました。
    主人公二人より、何故か草子ちゃんの話にぐっと来てしまいました(笑)

全19件中 1 - 10件を表示

月村奎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
あさの あつこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×