雪よ林檎の香のごとく (ディアプラス文庫)

  • 新書館 (2008年7月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784403521942

感想・レビュー・書評

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  • 一穂ミチさんデビュー作。
    ストーリーも文章も初々しくて、こちらが林檎になってしまいそう。ぽっ。

    一作目のタイトルは、

    君かへす 朝の舗石さくさくと
        雪よ林檎の香のごとくふれ

    北原白秋 の短歌からです。さくさくは、足音と林檎の食感の重複ですね。
    不倫相手を見送る雪の朝の心情です。
    タイトルだけでなく、ストーリーにも重複するものがあります。

    2作目は、雪よ〜のその後になります。
    「手のひらに きみの気配が満ちてきて
       明るい夜の底をゆくときも」
    伊津野重美 さんの短歌からのイメージとのこと。
    手のひらにお互いの暖かさが感じあえるような仕上がりです。

    15年以上前の作品です。これからも楽しみです。

    • おびのりさん
      もうさ、ブックカフェ持ち込みありでお願いします。
      もうさ、ブックカフェ持ち込みありでお願いします。
      2023/07/22
    • ゆーき本さん
      えー、最高!そのブックカフェに入り浸りたい
      えー、最高!そのブックカフェに入り浸りたい
      2023/07/22
    • みんみんさん
      うち娘も一緒にBL漫画読むんだけど笑
      娘の友達が泊まりがけで読みに来るよ( ̄▽ ̄)
      小中高と漫画読ませてもらえなかったらしい…
      かわいそう〜...
      うち娘も一緒にBL漫画読むんだけど笑
      娘の友達が泊まりがけで読みに来るよ( ̄▽ ̄)
      小中高と漫画読ませてもらえなかったらしい…
      かわいそう〜反動ってくるよね笑
      2023/07/22
  • 一穂ミチさんデビュー作再読
    15年程前の作品ですが何というか…
    美しい言葉、流れる空気感…既に一穂ミチという世界が出来上がってるって感じです。

    毎回思うのですけど、タイトルが素晴らしいな〜と。
    各章につけられるタイトルも同様。
    無知なわたしが知らない美しい言葉。

    主人公である桂が高校の国語の先生なので
    作中にも素敵な文章がいっぱいです(^ ^)


  • 読了。毎朝図書室で関わっていって……生徒と先生のBL作品です。ちょっと入り込めないことがあったけど、全体としては良かったです。一穂ミチさんのデビュー作とのことで気になってました。

  • イエスかノーか半分かを読んで、一穂ミチの世界にハマった。
    初作品の「雪よ~」も、1.2を争うくらい好きな話だった。
    志緒が可愛くて、りかもいい子で…
    そして桂は、いい加減そうででもそうじゃなくて、過去があってだからこそ今がある。
    桂も志緒に会えてよかった。志緒も桂に会えてよかった。
    栫だけは、どうも納得がいかないけど、彼の心も知りたい。

  • お気に入りさんから借り本。とても綺麗な作品でした。掛け合い、セリフで笑えるところもあるんだけど、どこまでも真っ直ぐで純な、浄化という言葉が似合う印象。主人公・志緒が先生の何に惹かれたのか、二人共ノンケだったはずなのになぜ恋愛関係になったのか(ノンケ同士の恋愛関係というのは性別を超えた魂の繋がりという解釈で宜しいでしょうか。)、BLじゃなくても成立するな、とかもう一つ説得力が欲しい気もしましたがこれがデビュー作なら全然文句ないです。

  • 桂単体の話の収まり方は好きだけど、お互いがお互いを好きになる過程が微妙にわからなかった。

  • 読了

  • 一穂ミチさんのデビュー作。ずっと積んでた!やっと読んだ!

    高校入学後の出会いと、高校卒業までの二篇。+先生の過去の精算のお話。

    本当に最初の頃の志緒はとんがっていて、思春期反抗期真っ只中、といった雰囲気だったけど、恋をして、色々な気持ちを経験して、自分に素直で良い子になったな、と思う。純粋に真っ直ぐに先生を好きになる志緒。誰にも流されないし、触れさせない。無敵の若さと強さが眩しい。
    妹を愛してくれて、よかった。
    桂は、モテるのわかる。こんな先生、いないけどね!そこが、先生×生徒の良いところ。
    一穂さんお得意の、過去の辛さを上塗りするような飄々さ。その影に惹かれてしまうのよ。

    それぞれに恋に落ちる瞬間が、ちょっと抜けちゃってる感じかしたし、桂に15才の男の子に惹かれてしまう葛藤があったら、とも思ったけど(好きになった理由はわかる)。けど、その後、2人が本当に想いあっていて狂おしいです。

    先生の過去も癒されて、今後の2人は幸せになっていくんでしょう。短編集を読むのが楽しみだー。

    りかちゃん、いいこ。栫が本当に怖かった…。

  • なんだろう、一穂さんの文章はリアルじゃないのにリアル。
    普段なら「文章の中の出来事」って読んでるんだけれど、
    登場人物が動き、情景が浮かんじゃうんだな。

    しかも感情移入し過ぎて泣いたりイライラしたり。 

    ま、それだけ自分が「入れ込んで」しまったってことなんだろうけれどwww

    この本は、先生と生徒の話~(ザックリすぎる?w)
    なんか静かに寄り添っていく二人の心にキュンと来ちゃいました。

  • 先生と生徒

    お互いに心に傷を持っていて、本心を隠しながら生きてる
    思春期に持つ潔癖な心が、すごくリアルに表現されてるかな…

    その歪んでいるような真っ直ぐなような、相反する気持ちが
    どうにもいきづまった、攻め様の心を解かし動かしていく様がジワっとくるのね



    この物語、同人誌で番外編が沢山出ているので、それも纏まるといいな

  • すごく好きだった作品です。
    機会があったらまた読み直したい。

  • 甘酸っぱくて素敵なお話でした。高校生の純粋さとか、悩みとか好きなものに真っ直ぐ突き進む心とか、こういうの自分も持っていたのかな、と思い返すきっかけになりました。恋人のことになるとちょっと口が悪くなる先生がかわいらしい。

  • 雪よ林檎の香のごとく(ディアプラス)
    著作者:一穂ミチ
    発行者:新書館
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    直木賞候補者の作品

  • 2020/10/19-10/20

  • 一穂ミチさんの作品3冊目。この作者さん好きです。
    やはり言葉がとてもきれいだなと思った。
    続編もあるようなので購入しようと思う。

  • りかが可愛い。とにかく良い子。読了後、まず出てきた感想がそれでした。
    恋をするには近すぎた幼馴染ふたりがお互いを大切に大切にしている姿が愛おしく、眩しい。
    りかと志緒が二人でおしゃべりしてお出かけしてごはんを食べる姿をずっと眺めていたい。
    辛い過去があり、誰とも付き合わないと決めていた桂が
    志緒を好きになって想いを伝えるまでがちょっと短すぎる…と思ったけど、
    それ以降に展開が静かで胸にじくじくとくる美しさでとても素敵でした。
    ところで栫は何がしたかったんだ…スピンオフがあるのかな?

  • 吉見さんを懐かしみたい…ということで一番同人時代に近いデビュー作を読みました。やはり言葉が美しかった…ごっくん。
    教師×生徒っつーことで桂がしおに無理くり迫る感じだったらどうしようかと正直私の倫理観が萌えを抑え込んでしまってたんですけどね。その辺うまいことなってよかったです。無理がなかった。無理のなさはBL楽しむのに不可欠な要素です個人的に。
    りかちゃんと通じ合うところ、葉子さんとの再会。この二箇所で泣きました。やっぱり女性の描き方が抜群に好きだしメインの恋愛よりぐっとくる。恋愛によって引き出されてしまう男の女々しさが、より女性の精一杯の逞しさみたいなもんを引き立ててくれるのかも!
    あと、えろが簡潔でうまい!参考にしたい!(なんの

  • 先生×生徒もの。主人公の受けの子がとにかく真っ直ぐで迷いがなくてキラキラしてて、こんな子に迫られたらそりゃあ色々飛び越えてすきになっちゃうなあっておもった。駄目な大人で、ずるくてやさしくて繊細な先生もすてき。ここにしかない大切なものを壊れないようにそっと切り取った、という感じをこんな風に出せるのは一穂ミチだけだなあとおもう。meet againも含め、大好きな作品だし、忘れがたい一冊。

  • 一穂ミチさんのデビュー作。主人公の青さがとても愛おしくて、言葉のチョイスも美しくてとても楽しめました。
    白秋の短歌からとったタイトルも素敵です。

    悩みを抱えた高校生の主人公志緒が明るく朗らかな桂先生との交流で頑なな心をほぐしていく話...かと思ったら、先生の方が実は闇が深かったんですね。

    先生の傷を志緒の若いまっすぐさが救って行くのが良かったです。
    先生×生徒はあまり好きじゃないんですが、卒業寸前まで体の関係は持たなかったし、なるべくしてなったんだなぁと思えました。

    前半の表題作は両思いになるまで、
    後半は付き合ってから~体の関係に至るまでという構成で、付き合ってからのお話が結構長いのも好きでした。
    二人がポンポン言い合いするのも好きです。

    後半の当て馬?もいい感じに歪んでいて、今後のことが気になりますね。

    ちょっと好きになった流れが唐突に感じたのと
    子持ちの攻めは好き嫌いがあるだろうとも思いましたが
    続きが気になってどんどん読み進めてしまいました。

    エロは最後に一回だけで、官能的ではなかったけど、
    攻めのてらいのない態度が好ましく感じました。

  • 高校教師×高校生のお話、先生の過去が思いの外ヘビーだったけど、そこから救いだしてくれた志緒ちゃん頑張ったね…。志緒ちゃんと幼なじみのりかちゃんの関係がいいなと思いました。雰囲気があってきれいなお話しでした。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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