東京の休日 (1) (ディアプラス文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403522598

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  • 初恋にワタワタする北條せんせがかわいいw
    不器用だけれど愛情深い、仲よくケンカするいいカップルだ! 
    札休で出てきた真史はこういう背景を背負ってたんだなぁと、札休を引っ張り出して読みなおす。

  •  完璧な容姿を誇る北條は、総合病院で医師として働いている。
     見た目よし、頭よし、そんな北條の唯一の弱点が、「酒に弱いこと」だった。
     ある日、彼が職場の飲み会で酔っ払い、二日酔いで目覚めた朝。
     ともに裸でベッドの中にいたのは、なぜか男――医局で事務のバイトをしている大塚真史だった。
     ゲイではない己の所業に、戸惑った北條は真史に対して逆ギレする。
     それ以来、冷静な北條が真史と顔を合わせれば喧嘩ばかりしている。
     そのたびにムカつきながらも、真史のことが気になってしょうがない北條だったが……?

     という話でした。
     こちらは、札幌の休日で出てきた隆司に振られた真史と、その相手である北條の話。
     北條は、出会いからして最悪だった真史のことも、ましてや自分が男も抱ける人間だということも受け入れることができなくて、真史のことを見かけるたびにイライラし、イライラしてしまうから、ついつい口調もきつくなって、他の人間にはできているような冷静な対応ができなくなってしまう。
     おまけに真史は、自分の性癖に関しては非常にオープンな人間で、北條が忘れたい思い出したくないということを、冗談めかして口にする。
     かと思えば、入院患者が病室を飛び出した時にはその入院患者に付き添ったりして優しい面もあって。
     おまけに、「するな」と言ったことは絶対にやらなくて律儀に守る。
     ただ明るいだけの人間だと思いきや、時折見せる陰りに北條は真史との距離をどうとっていいのかわからない。
     その戸惑いが真史に対する辺りのきつさに変わって――

     一方の真史は真史で、意地っ張りで、おまけに過去の恋の傷からまだうまく立ち直れてないから、なかなか北條に素直に心を開けずにいる。

     真史はでも、そういう精一杯の恋愛の経験があるから、何とか自分の気持ちをうまく飼い慣らしてるんだけど。
     今まで自分から人を好きになったことがなくて、「女は寄ってくるもの」という一般男性に喧嘩を売っているような認識の北條はだからこそ、右往左往。おまけに勝手にどんどん煮詰まって。
     ついには、自分の気持ちを認めざるをえないことをやらかしてしまう。

     でもまぁ、認めたら北條みたいなタイプは手が早いわけだ。
     腹さえくくれば後は一直線。ハッピーエンド、でした。

     この話は「札幌の休日」っていうシリーズの番外編のような形で、そこで真史はちょっと悲しい役回りになってしまっていたので、ぜひとも幸せになれたのでとってもよかったです。
     ただ、札幌の休日ほど、主人公が傲岸不遜な北條なだけあって、胸が苦しくなるような切なさはないので、札幌の休日的な切なさを求めて読むとちょっと拍子抜けしてしまうかもしれません。

  • 「札幌の休日」という作品における脇役・真史と北條氏の番外編なのに私の中では高評価の作品です。
    札幌の休日というのは、私がはまりたての頃に出ていた作品で、一年に一作というとてもスローペースな作品で、非常に続きが歯がゆかった記憶があります。番外編は、その点、続きでないので気楽でしたが。
    北條氏は、医者なんで(?)女性にもてます。まあ、サイテイヤローが正しい評価なんじゃないかと。真史と出会うことで大切なものが変化していく。切り捨てられないものは、絶対に切り捨てないと誓う覚悟ですかね。それは、今まで持っていたしがらみやこれから出てくるであろうしがらみも含めて抱えていくと決断した北條氏はかっこいいです。いい男になったもんだ。最後は、傲慢だけどいい男。でも近寄れないな~。
    真史ちゃんは、この恋が実ること自体想像していなかった。彼には、札幌に好きな人がいたから。いろいろなことから逃れて『休日』を楽しんでいる。
    うっかり寝てしまった相手が北條であったのであれよあれよと恋に落ちていく(笑)だからゲイである自分が、北條氏を引き込んでいるのではないかと引け目を感じる。だから最後は、臆病な恋人。
    本編の真史ちゃんは格好いい。主人公を励ましたり、突然現れたり。
    でも本編と番外編のギャップに少し驚きます(他人の恋と自分の恋は違いますから)が、私は真史ちゃんのお相手妖怪(笑)・北條さんのあがきっぷりは間抜けで素敵だと思いますよ。真史ちゃんのはっきりした性格が時には災いになったり幸いになったりしますが、そこは二人で乗り越えていくことなんです。そんな二人だからこのお話が好きなのかもしれません。掛け合い漫才も楽しいです。

  • 「札幌の休日」のスピンオフ。登場人物の造形(攻の人が特に…)が思ったよりも好みじゃなく残念。設定は好きなんだけどなー。

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