Meet, Again.(ミート・アゲイン) (ディアプラス文庫)

  • 新書館 (2012年1月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784403522956

みんなの感想まとめ

繊細な心理描写とキャラクターの成長が魅力の作品で、登場人物の微妙な仕草やセリフから心の変化が感じ取れます。特に、壊れた攻めと強さを秘めた受けの関係性が丁寧に描かれ、BLの要素を持ちながらも一般文芸とし...

感想・レビュー・書評

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  • 一穂ミチ先生の作品再読

    10年前の作品ですが上手いなぁ…と
    繊細な心理描写にモヤモヤドキドキ

    ほんのちょっとの仕草、セリフ、数行の描写で
    栫が変わって行くのが分かる…

    《あとがきにかえて》 
    毎作品にありますが…
    何気にコレが楽しみです!
    毎回グワッと心掴まれます(u_u)



  • 『雪よ林檎の香のごとく』のスピンオフ。あのヤンデレの栫先輩のお話。(デレはどこだよ!)いざレビューを書こうと思った時、このお話は一体何にカテゴライズされるのか一瞬考え込んでしまった。結論として、サイコサスペンスかなと少し思った。恋愛はあくまでも付加的なもの・・・っていうか、これを恋愛小説と呼んでいいのか、わたしには正直わからなかった。『雪よ林檎の~』でも、栫先輩は十分に壊れている人だと思っていたけど、そんなもんではなかった。その壊れっぷりは半端ない。ただ、本作を読むと、栫の人格がどうして壊れてしまったのかの理由がわかる。プロセスは詳しく明かされていないけれど。
    それは、五歳の時に突然行方不明になってしまった結合双生児の兄弟の禄朗の存在。
    ふたりは完全なシンメトリーだった。ふたりでひとりだった。だから栫に残されているのは、失われた半分の強烈な不在。片割れがいなくなってしまったのに、どうして自分だけが残っているんだろうという自分の存在意義への単純な疑問。そして彼の両親は、『失くしたものを気に病むあまり、その手に残されたものを健やかに育むことができなかった』
    それは想像を絶するような人生だったのだろうな。希望を持ち続けることの絶望を目の当たりにしてきた人生というのは。
    栫は周りにいる人たちを恐ろしいまでの冷静さで観察し、誰にも見られたくない秘密を暴いてしまう。でもそれは、彼にとってはゲーム、ほんの暇つぶしに過ぎない。それぐらい歪んでいる。きっと彼には感情のフィルターはないから、物事がありのままの正確さでみえてしまうのかもしれない。そんな栫だけれど、嵐は特別な子なのだろう。賢くて強い。栫の人格が破たんしていて、決して自分を愛したりはしないだろうとわかっているのだけど、やっぱり好きだからそばにいるのをやめない。それを選んだのは自分だと言い切れる潔さがある。嵐は栫の予想の斜め上を行く。だから、貴重で大切でおもしろい。栫にも嵐をグシャリと壊すことができない。だから、きっと手放せない。
    エンディング、行方不明の禄朗が白骨遺体となって発見される。それがわかった途端、栫はこんこんと眠り続ける。生きることをあっさり放棄するみたいに。まるで禄朗のいない世界では生きたくないというみたいに。
    でも、嵐の声で目を覚ます。
    『あなたが、確実に存在する世界なら、まあ、起きてもいいか』と思えるぐらいに、嵐は特別な存在なんだろう。
    この物語には、目に見える形のハッピーエンドは何処にもない。でも、ふたりはふたりにしかわからない形で、きっと幸せなのだと思いたい。
    読後、ホッとしてうっすら笑いたいような、泣きたいような、そんな気分になる。

  • 一穂ミチさん、実在する固有名詞や小物をモチーフに使いながら、その時代のリアルな世界を鮮やかに描く人だと思うのですが、この作品だけはちょっと異質で、オカルトというか、ファンタジーっぽい要素が入ってる不思議な話です。

    嵐と栫の関係に恋愛的な甘さがほぼないのですが、そこらの恋人に負けないくらいお互い相手の理解度が半端なくて、ある意味感動します。

    栫の酷い言葉で傷つけられても、まともな人間関係を築けない、いろんなものが欠けている栫のために涙を流してしまう。嵐の考え方や優しさに切なくなります。
    栫は客観的にみて壊れている人なんですが、それでも、過去の自分の言動に後悔し罪悪感に囚われて苦しんでいた嵐を救ったのは、間違いなく栫なんですよね。

    テーマは重めだし、栫の言動も容赦ないのですが、二人の会話は軽やかに交わされるし、嵐がウジウジしてないので、私は読んでいてそんなにしんどさは感じませんでした。


    愛とか恋とかの選択肢を無視しているというよりはなから抜け落ちているようだった栫に、

    「あなたが確実に存在する世界なら、まあ、起きてもいいかと思った」

    とまで言わせてしまう嵐って凄いなあと。
    これって栫は嵐が居なければ生きてないってことで。好きっていう感情を向けられるより、重い言葉じゃないか?というか。

    多分最後まで恋人になってない気がするし(しかし身体の関係はある……)、誰もが分かりやすいハッピーエンドではないのだけれど、お互い相手が特別な存在になっていることは間違いないと思う訳で。

    一穂ミチさんの作品の中では、不人気作のようなんですが(多分栫のキャラ設定が原因?)私は二人の関係性、凄く好きです。
    続編が書かれることはもうないと思いますが、一穂さんのファンブック「long hello」とnoteに、その後の二人の小話が掲載されてます。

  • 『雪よ林檎の香のごとく』に出てきた栫くんのおはなし。壊れてしまった攻めとピュアで、でもピュアなだけじゃない強さと痛みを知ってる受け。ハッピーエンドとは言えないけれど、この二人でしかありえない特殊な関係性を丁寧に描いてる。BL的な萌えもありつつ一般文芸にも通じそうな空気感で、一穂ミチという作家の独自性をあますところなく味わうことができる。傑作。

  • 人気作のスピンオフ。うーん、私には難解すぎたのかも。
    とにかく互いが恋に落ちる心の動きが理解できなかったのが大きな敗因。キャラクターはいいんだけどね…。一穂さんは大好きな作家さんなんだけど、私的に合う合わない話があるので残念だったな。

  • 一穂さんのデビュー作である作品のその後のおはなし。
     ※主人公の志緒がちょいちょい出てきます。

    読み終えてから、ふふふ…と笑ってしまった。
    あまりにもわからなすぎて、いろいろと。
    理解・共感・納得、ただのひとつもできないままだったのに
    文章がサラサラとした砂みたいで、気付けば読み終えていたという。。
    なんだろう、この感じ。
    重苦しさが後からじわじわ効いてきそうな・・・

    <関連作品>
    『雪よ林檎の香のごとく』

  • 久しぶりに読む一穂さん。なんというか静かに押し寄せてくる感じ? スピンオフなのに気づかずに本編より先に読んでしまったこともあるかもしれないが、主人公たちの性格や関係性がいまいちよく掴みきれなくて、深く理解ができないまま終わってしまった。本来本編なしでもスピンオフだけでも十分に楽しめた作品かもしれないが、私にはちょっと情報量が少なかったようだ。もう少し彼らのまわりの背景が見えていたら理解が深まったのかもしれない。

  • 「林檎」のスピンオフ作品。「林檎」での栫くんがどうしても許せなくて、栫くんの印象がわかるかも、少しは好きになれるかも、と思い読みました。

    うーん。正直やっぱり好きになれない。悲しい過去と浮き沈みのない感情。それでも、少しずつ少しずつ変化をみれたな、心が動いているのかな、と最後の方は思えて、嵐に報いてほしいと願いました。

    逆に嵐のことはとても好きになりました。とても普通で素直で優しくいい子。そして、栫を好きになってしまうということに悩みはすれど逃げない姿勢も強いな、と感じました。普通むりでしょ。
    きちんと恋をしているし、悩みながらちゃんと生きてる。
    栫には嵐のような、ちゃんとした普通の男の子が必要だったのかな。

    志緒ちゃんと、美夏ちゃん(「林檎」より出番が多いと思う)が出てきて、嬉しかったです。そして、志緒ちゃんも、あんなことがあったにせよ、一応、栫と交流を持っていることに、懐の深さを感じました。

    最後の居眠り栫の件は、ちょっとよくわからなかったですが、嵐が穏やかに幸せになって欲しいです。

  • 【読んでよかった】
    [雪よ林檎の香のごとく]に続く今作。レビューに“少し暗い内容”とあったので覚悟して読みました。
    結果、読んでよかったです。

    前作でも独特な存在感が溢れていた栫。人の嫌なこと(普通じゃやらないこと)を悪びれた様子もなく淡々とやってしまう敵にはしたくない奴。というのが栫の印象でしたが、読了後は元の印象は変わらないですが「もしかして悪いとも相手を陥れようとも思ってないのでは」と感じられる要素がちょこちょこ散りばめられていた気がします。

    “欠如”
    今作を言い表すとしたらその2文字かなと思います。

  • 2021/03/26-03/29

  • 「雪よ林檎の香のごとく」のスピンオフ。なんて言うか、とても感想を上手く伝えるのが難しい1冊です。栫の破綻した人格は読んでいて痛いし重いし、嵐にそこまで想われる何かを持っている様にも思えない…。でも、なんか、ウ~ン… それだけだと嫌いな雰囲気になるのですが、そこまでいかないというか。読み終わってこんなに困ったのは初めてかも知れない。また読んだら今度は上手く感想を書けるかな…。

  • 正直言ったら不満ですねー。
    分量が足りない気がしますねー。
    もっとカコイを好きになって本を閉じたかったんですよ。
    未満でした。。。

    一穂さんの比喩多用が今回は気になってしまったの。
    『雪よ~』はそう思わなかったのになあ。

  • 林檎〜のスピンオフ、人の感情を玩具のように弄ぶ脅威の男・栫と何故かそんな彼にどうしようもなく引き寄せられてしまった生協バイトの青年嵐のお話。
    BLのレーベルから出てはいますが、物語の本質は数奇な運命に翻弄される人たちのサスペンスドラマなのかな。
    止まった時間に囚われて壊れてしまった栫とその家族、母親である翠子の描写はぞっとするほど。

    5年間付かず離れずの距離で友人として付き合い続けてタイミングを見計らったように秘密を暴いて感情を砕こうとする栫は怖すぎる……。
    内側から破綻した栫にとって、それでも自分から離れようとしない嵐は彼が初めて手にした希望であり、生きる意味に繋がる程の唯一無二の存在なのだろう。
    嵐が栫に絡め取られてしまったように、栫もまたずっと、嵐に見えない引力に似た強い力で引き寄せられていたのであろう事が端々から感じられます。

    シンメトリー、砂時計、二人で行った深夜映画、ガラス……それぞれのモチーフが印象的で読んだ後も鮮烈に残り続けます。
    砂のようにさらさらと流れ落ちていく文章と物語の運び、人間心理がどんどん暴かれていく描写や独特の台詞回しから見えるキャラクターそれぞれの生々しい人間性にはなんだか凄い物を読んだな…と唖然とさせられました。
    (hello,againでの二人の変化は『互いに離れられない』と想いを強く深めたからこそなのかな、と。)
    一穂さんの頭の中はどうなってるんだろう、と圧倒されつつ息もつくのを忘れて読み進めました。

  • 終わってすぐに、何だろう…と感想がでてこずに悩む。
    1回読んだだけでは消化できない、できてない感じ
    栫について、栫と出会ったことで変化した嵐について、それぞれ考えたくなるような話
    最後の最後で関係が交わった二人。
    次は二人の続きを見てみたいな。
    ウェル ミート アゲインの歌詞を聞いたシーンでは泣きそうになりました

  • 栫の物語。幸せになれそうで嬉しい……

  • 重い話なのが分かっていたのでずっと積んでいた本。ようやく読了。最後の最後でようやく僅かに光がさした感じ。個人的にはもっと甘さが欲しかった!

  • 栫が怖すぎた(笑)外見は完璧かもしれないけど内側が破綻しすぎてやばい。
    嵐が栫に引きずられて変わっていくのが哀しかったけど、結果、栫が人間らしくなった?のなら救われる。

  • またあいましょう。 そしてあいさつをする   こんにちは。
     
    難解な栫の難解な部分がスッパリキッパリ見えて、嵐と幸せになってめでたしめでたし……などということは全くなくて!!!wwww
    難解なままでした。
    それでも、ラストにちょっとだけ光が見えたのかな、栫にも嵐にも読者にも……これを余韻と呼ぶか、物足りないと感じるかは……

  • 雪よ林檎の~のスピンオフですが、これはちょっと生理的に
    受け付けないお話でした。
    まずもってBL小説ではない、と思う……。
    淡々と重たい話が続き、攻のカコイのあまりの人格の壊れ
    っぷりに共感もできず、それを好きになってしまう受の嵐にも
    ちっとも共感ができませんでした。

    というよりも、なぜ受は攻を好きになったのかも、ぜんぜん
    理解できず、文章無いに漂う『察してください』というような空気が
    何だかなぁ……という感じ。
    上品で綺麗な文章は見てて気持ちがいいですが、今回は何だか
    あまりに比喩表現が多くて、ちっとも感情移入できませんでした。


    スピンオフなので期待してた分がっかりだったわけですが、
    もう少しわかりやすいBL小説が読みたかったです。
    わかりにくかったり、考え込んだりするのは一般小説で読めます
    ので、BLというのを意識した作品を是非期待したいと思います。
    せっかく筆力のある作家さんなので。

  • 大学院生×生協のアルバイト
    砂時計や映画など雰囲気はすき。
    私的に愛がもっと欲しい。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

一穂ミチの作品

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