言ノ葉ノ使い (ディアプラス文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403523595

作品紹介・あらすじ

生まれつき人の"心の声"が聞こえるカンナは、ずっと誰かの役に立ちたいと思っていた。ある町で心の中まで寡黙な男・ガクタと出会う。大怪我を負っていた彼が洩らす『痛い』という心の声を放っておけず、世話を焼くカンナ。最初は鬱陶しそうだったガクタもそれを受け入れ始める。だが彼がヤクザだと知っても変わらないカンナの態度に、下心があると誤解したガクタが手を伸ばしてきて…?大人気シリーズ第3弾!!

感想・レビュー・書評

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  • ぶっきらぼうな攻×健気な受/ 攻のガクタがヤクザの犬ってこともあって血や暴力描写はけっこうあるんだけれど、話全体の雰囲気はとても優しい感じでした。受のカンナの性質のおかげなんだろう。面白かったです!

  • 言ノ葉シリーズ三作目。
    これ単体でも問題なく読めます。

    人の心が聴こえてしまう体質のカンナは
    母の教えで人助けをすることを刷り込まれていて
    何でも他人優先にする姿が痛々しかったです。
    お母さんの言い分は宗教じみていて怖い。
    でも後から病んでいたんだということが分かり、
    可哀想だったな~と思えました。

    そんなカンナがガクタと出会い、
    一生懸命彼の世話を焼くことで
    誰かの特別になりたいと願い、
    自分の意思を優先することを覚え、
    愛して愛されて幸せになって行って良かったです。

    ガクタも極道の犬として扱われていて
    心が死にかかっていたところを
    カンナとの出会いで息を吹き返した感じで
    出会うべくして出会ったんだな~と思えました。

    エロは初回以外は優しく丁寧で
    痛々しくなかったのがよかったです。
    初回以外はなかなか入れようとしないのが◎。

    ろむこさんの挿絵もイメージぴったりでした。

  • 天涯孤独のチンピラ・ガクタと、母も心の声が聞こえる人だった遺伝性天使のような青年・カンナのカップル。
    やくざの親分や組員たちがガクタをのら犬扱いで
    いたぶるのが読んでて辛かった。
    ひねくれて飢えてなにも浸みこまなくなった心に
    カンナの労りと愛情が徐々に伝わって緩むところ
    胸がいたくなりあつくなり好きだった。
    カンナが少年のような小柄華奢な体躯で、
    ガクタとの体格差もあり、最初のレイプまがいで
    トラウマになったら可哀相と思ったけど、
    心通わせた相手には丁寧で溶かすような
    愛撫しかしないガクタ、素敵。
    時間をかけて心と体の融解を描きだしたこの本を
    素晴らしいと思う。

  • シリーズ3作目、ヤクザのガクタと生まれつき人の心の声が聞こえるカンナ。前2作品を思うと、と無意識に期待値が上がっていたのかもしれない… 面白く読めましたが。ずっとこの力を使って誰かの為に役に立ちたいと思っていたカンナ。でもこの気持ちに嘘はないのだろうけど、母親の言葉に縛られてるように思えて可哀想に感じた。後半の呪縛が解かれたカンナは可愛くて良かった。ガクタもカンナと関わっていくうち空っぽだった心の声が段々と増えていく様子がいいですね。でも、一作目が一番好きだな。

  • 言ノ葉シリーズ三作目。
    私は一作目が大好きなのですが、二作目も中々に萌えました。
    で、ここにきての三作目は、母親も聞こえる側だったサラブレットな健気受です。
    相手は心をからっぽにしてることの多い、寡黙なヤクザ攻。

    正直なところ、萌えたかというとそうでもなく。
    でも楽しくなかったかといえばそうでもなく。
    読み物としては面白かったのですが、脇役のシュウとカズヨの方が気になってしまい、本編上滑りしてました……。
    毎回リンクさせてくれるのは嬉しいんだけど、存在感ありすぎて(笑)

    そして何故に萌えなかったのかというと、受が良い子すぎるのが駄目だったのかもしれません。
    亡くなった母の言葉を大切に、心の声が聞こえることで誰かの役に立ちたい、と一生懸命な子は凄くかわいらしかったです。
    でも、この一生懸命が作中でも結構空回りしてて、それがなんともこう……善意の押しつけのように感じてしまってですね。
    おまけに攻の養父であるヤクザの親玉から攻を救い出すシーンも、何とも言えないご都合主義というか。
    極道がそんな甘いわけないない!! みたいに捻くれてしまい、いまいち乗り切れなかったです。

    とはいえ、後半からの展開は結構楽しく読めました。
    ともすれば博愛主義のように見えてた受(誰にでもよくしたい的な)が、困ってる人を見捨ててでも攻を助けたいと衝動的に行動するところなんかは、そうそうこういう本能的なのが読みたかったのよ~、と。
    最後にシュウとカズヨの幸せそうな姿も見ることが出来てほっとしました。

    物語の痛さレベルで言えば、シリーズ中でも最も痛みレベルは高いと思いますが、際だった切なさは今回は見られませんでした。
    ちょっと受に感情移入しにくいのが原因だったかと思います。
    この作品単体で読んでも大丈夫ですが、出来れば1作目から追っていって欲しいシリーズです。

  • 良かった…!このシリーズの中で、一番その能力についてポジティブにとらえているはずの受が主人公。なのに、味わうのは挫折の数々。ことごとく味わう人生の苦みに涙が出てしまいました。そんな彼に不本意ながら絆されていく無口攻。無理やりから始まった関係は苦手だけど、好きになっていく過程にとても萌えました。このシリーズらしく理解者としての恋人を得た主人公。これからの未来に幸あれと、祈らずにはいられないお話でした。

  • 人の心が聞こえるカンナと同じアパートに住むヤクザの男ガクタのお話。

    カンナがとても頑張り屋というか健気な男の子です。一応ヤクザなのにカンナの手料理に胃袋を掴まれてしまったガクタさんが可愛いなと思いました。

    最後、ガクタはカンナのおかげで?ヤクザから父がわりの人の犬から、人間になりたいといい、カンナがそれを助けてくれるのですが、その展開がちょっとご都合っぽくてうーん…とちょっと思ってしまいました。

  • 去年読み終わってたのにすっかり感想書くのを忘れていた、「言ノ葉」シリーズ3作目。雑誌で読んだ時にレビューしたように新たなcp、ガクタとカンナが登場します。

    カンナは自分の能力を受け入れて、誰かのために役立てたいと思っているのが、前の話の主人公と決定的に違うところでしたね~
    いい子なんだけど、ちょっと痛々しく思えるところがありました。母親の言葉に呪縛されてるんじゃないかと…

    心が空っぽでカンナにすら心の声が聞こえてこないガクタの人生は、さらに痛々しかったです…!生きていくためにひとつだけしか選択肢がなかったんですね。
    893がからんでいて、シリーズ中一番暗い印象がしました。
    カンナはガクタが危ない仕事をしているのに気付きます。彼の背負うものがわかるし優しい男だというのもわかってしまうカンナは、彼の悪事を止めさせようと一生懸命になります。
    人のために身を呈して尽くすカンナは強いです。そんなに他人のために頑張れるひとって、世の中にどれくらいいるんでしょうか…?
    そういう意味でもこれはすごいファンタジーです。

    愛の力ってすごいんだということを見せつけてくれるストーリー。シュウとカズヨも出ています。

    エロ的には好みのエロだったにもかかわらず、なぜか萌どころが見い出せず…カンナがとても人並みはずれて人に尽くすイイ子だったからかも。
    感情移入が難しかったんですね。前作は主人公がひねくれてたからすんなりだったのに←

  • 1作めの印象が強すぎて……

  • このシリーズも3冊目ですね。 3冊の中で一番好きかな~。 心の声が聞こえるんだけれど、なんか嫌なことが全然ない のとカンナが前向きだからかな。 読んでいてもちろん、嫌なことも辛いことも合ったという 事は分かるし、過去は辛かったんだろうけれど、 きっとそれだけではなかったのでは?と思える前向きさが良かったです。

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