すみれびより (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館
3.99
  • (25)
  • (42)
  • (22)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 296
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403523724

作品紹介・あらすじ

初恋は実らない。花すら咲かない。だから再会なんてしたくなかった-。学生向けの下宿を営む祖母のもとで暮らす芙蓉は、六年前の淡い恋の記憶だけを大切にして生きている。それは芙蓉にとって一番大事な宝物だ。ところがかつての片思いの相手である西澤が、大学進学のために祖母の下宿に入居してきた。昔の面影を残しながらも、もっと魅力的になっていた西澤に、切なさとともに胸の痛を覚える芙蓉だったが…?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 植物と初恋のお話。このまま日々のお話で淡々と延々と続きを書いていただけないかしら。大好き!!

  • 月村センセのラブコメじゃない作品もすてきです。地味な恋愛ものかもしれないけれど、地味でもぐっとくる味わいはさすがだと思いました。
    母親のネグレクトによって小学6年で育った町から離れ、東京で学生寮を営む祖母にひきとられ暮らしている芙蓉。その学生寮に、なんと小学生の時片想いしていた西澤が下宿人としてやってきます。

    再会ものはいいですね。
    芙蓉は野に咲く可憐な小花のような男の子です。おとなしくて、目立たなくて、でもよく見ればすごくかわいいし、一生懸命働いて尽くしてくれる…みたいな。
    タイトルがいいです。懐かしい響きのある言葉ですよね。
    雑草や野の花に詳しい芙蓉にぴったり~
    …そしてイラストが草間さかえセンセ。レトロなかんじがもうぴったり。というか、「草」つながりってことでしょうか???
    だとしたらすごいわ編集部。

    芙蓉が恋愛に対しても自分自身についても自信無さげで、大丈夫かなと心配させられますが、西澤が思った以上にステキな王子で安心させられました!さわやかなんだけど、ちょっと執着系ww芙蓉は一生手放してもらえないと確信です。
    手つなぎやキスに、ものすごくときめきました。ドキドキです…!
    こういう素朴な恋愛展開が新鮮で、胸に沁みる今日この頃。

    あとがきに親近感持ってしまいました。メルヘンで良いと思います!
    また読み返したくなるストーリーでした。

  • ひそやかできれいだった
    植物がたくさんでてくるのもよかった

  • 大学生×下宿経営孫
    子供の頃、母からは産まなければ良かったと言われ、ネグレクトを受けていた芙蓉は小汚い子供でイジメの対象だった。
    ある日東京からやってきた転校生の西澤は正反対の優秀でみんなに優しくて、人が集まるような人間だった。芙蓉にも優しくしてくれた西澤。しかしある日、ネグレクトを受けていた芙蓉は祖母に引き取らられることになる。それっきり6年の歳月が過ぎ、祖母の営む下宿を手伝っていた芙蓉。
    新たにやってきた新入生の入居者は西澤で…

    という訳で、同級生再会モノ。
    過去に西澤に借りたままになっていた植物図鑑の影響でやたら雑草、野草に詳しくなっちゃうような多くを望まない口下手でおとなしい芙蓉と、人気者で闊達な西澤のお話。
    もう再会してから芙蓉は心臓ばっくんばっくんしてて、当時の淡い恋心が爆発しそうなんだけど、知られちゃいけない!って固く思ってるのに、西澤を前にすると挙動不審になっちゃう…
    西澤は西澤で言葉足らずで余計に芙蓉を悲愴的にしちゃったり。
    下宿人の田上さんがいい味出してます。年の功でうまく2人をおちょくってるところがとても良い。

    正直、絵のイメージが違いましたが…
    なんか西澤がおっさんぽくて…

  • 芙蓉が語る植物の話に嬉しそうに耳を傾ける西澤っていう図がもうすごくほっこりする。出てくる登場人物いい人しかいない〜!いじめっ子や芙蓉母を除いてですが。
    優しくていい話だった…好き…。

  • 久々に再読。
    とてもしずかで穏やかなお話ですが、慎ましやかで健気な初恋が、季節の草花と共に、とても丁寧に描かれています。
    月村奎先生の代表作といえる1冊ですよね。
    なぜか、2回目に読んだ方がしっくりきて、最初から泣きながら読みました。

    芙蓉はこの先、たくさん愛されて幸せになってほしい。
    二人のその後もとても読みたいです!

    草間さかえ先生のイラストもイメージにぴったりでした。

  • つつましさがこの本の魅力。植物の話がたくさん出てきて楽しい。もっとおばあちゃんの話あってもよかったな〜

  • 穏やかなお話。花の勉強になる/受が健気でいじましい/攻の王子様感(受フィルター)

  • 再会愛
    あとがきでは地味な話と言われていますが
    やっぱりこういうのが一番好きです。

  • 下町の昔ながらの下宿屋を舞台にした再会幼馴染みもの。特に何か事件があるわけでも劇的な展開がある訳ではないけれど情緒ある描写にほっこりした気分になりました。昭和っぽい舞台に草間さんの絵柄がまたぴったりでこれまた味わい深い佳作。

全25件中 1 - 10件を表示

月村奎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×