ニアリーイコール (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403523854

感想・レビュー・書評

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  • たくさんの大好きな台詞や言い回しがある、買って良かった一冊になりました。書ききれないので、また別の機会に感想まとめたい…
    繊細な心理描写と、それに合わせた演出が本当に上手で、いつか凪良先生は教科書に載っちゃうんじゃないかな…と読みながら思ってました
    いい意味で商業BLっぽくないのが良かった!


    追記
    讀賣にインタビュー掲載あり、内容がなかなか衝撃だった

  • ニアリーイコールはイコールではなくて、人それぞれ違う。だからこそ良い事もあれば悪い事もある。

  • 全人類に読んでほしい。

  • 4.5。終盤までは最高に面白かったし仁居に感情移入してすごく胸が苦しくなったりで…とても面白く読んでいたが、肝心の仁居がトラウマを乗り越えるところがあまりうまく描けていなかったのではないかな、と思った。
    長年抱えていた佐田からの言葉から解放されたのは、どうしてだったんだろう。心を晒しても変わらず愛してくれる国立のおかげ?そのきっかけが外部からのものだったのもなんだか納得いかない…。設定がどストライクだったが故にもったいないという気持ちがある。
    しかも最終的には諦めるとか…、ええ…。
    愛情が重いという割にはその後も国立にわがままを言うわけではなく…。
    結局、佐田に当時は孤独な無防備な高校生の愛を受け止めるだけの器がなくて、彼の言葉に傷つけられて臆病になっていただけなんだ。愛が重いんじゃ、ないんだよね。
    当時は幼くて無責任だったこと、彼はただ尽くす一途な愛の持ち主だったということ、それを受け止めてくれる人と出会えたということ…。
    良かった。2人に幸あれ!

  • 痛々しい過去を持つ2人を丁寧に書きながら、それでも不思議と辛くて読めないということはなく、極上の優しい物語に仕上がっていてさくさく読めました。

  • 凪良さんはうまく世間と折り合いをつけられない疎外感や孤独感をこれでもかというほどに色あざやかに柔らかに切り取ってくるので胸が痛くてどうしようもなくなる。BLは人間関係の教科書だなぁとつくづく思わされます。

    天涯孤独の身の上で窓辺から川を見下ろしてひっそりと暮らす仁居と、まっすぐな健やかさで仁居の孤独を包んでいく国立。両者に抱えきれない傷があり、他人に預けることを恐れてしまう思いがある。
    二人ともがそれなりの経験を積んで、そこから出会いと別れを繰り返してこのタイミングで巡り会えたからこそ良かったんだろうなと思います。
    いたずらに土足で踏み込まないけれど優しく寄り添いあう二人のやりとりがやわらかで優しく、ピアノのメロデイのように、綺麗な水のように心に染み渡っていく。


    佐田との一件に関しても、佐田もまた深く傷ついて後悔を背負っていたこと、心から自分を優しく抱きとめてくれた国立を通して再会を果たし、過去の自分を許せたことで結末につながったあたりにとてもほっとしました。
    お互い子供で、それ故に無茶を言って振り回してしまったのがすべて。傷の場所を確かめて、痛みと共に前を向いて歩けるようになったというのがすべてで、温もりに満ち溢れた結末だったと思います。
    派手さはなくても、寄り添う優しさが心を温めてくれる心地よいお話でした。
    国立妹もまた、時間をかけてもいいから前に進めるといいな。 

  • 良かった…!今まで上手い作家さんだとは思っていましたが、今回は萌えが勝った。内容自体はありふれた地味な作品なんだけど、心理描写を丁寧に追っていたせいか、読了後には何とも言えないものがじんわりと胸にしみわたっていた。
    傷を抱え恋愛に臆病になっている攻と受の恋愛。これだけの単純明快なロジックを、それぞれの視点で語っていくだけでこんなにも胸を打つ話になるものかと作者の才能に舌を巻く。全篇においてひたすら地味で湿り気のある話に、要所要所でほのぼのとした空気をまとわせる子猫の描写。何もかもがツボでした。ありがとうございます!

  • 凪良センセの初ディアプラス作品。高校時代に恋をした相手から「重い」と捨てられてしまったことで、恋愛に臆病になってしまった仁居。彼の魂の再生を描いた、しみじみと心に響くストーリーでした。

    仁居の気持ちにものすごく寄り添ってしまって、途中で思わず泣いちゃいました…やっぱり凪良センセはこういうお話が上手いですね。仁居の後ろ向きで臆病になってしまった恋心や、その真意ををつかみとろうと苦慮する国立の優しさと想いが絶え間なく伝わってきて、のめり込んで読んでしまいました。

    愛に飢えていた少年が愛されたいと願って好きになった人を全身全霊で愛してしまったのは、純粋で必死だった証拠ですよね。受け止めきれなかった佐田も、仁居からすれば大人だったとはいえ実は若すぎて未熟で…誰も責められないですね。

    そんな恋の後遺症を引きずって、恋に積極的になれずブレーキをかけまくりの仁居。国立を好きになっても捨てられて傷つきたくなくて深入りを避ける付き合い方で、幸せからどんどん程遠くなるのではと、大変心配させられました…

    国立は爽やかで察しもよくて、とてもステキな相手でした。そんな彼も、実は過去の悔やみきれない後悔を抱えていて影の部分がありました。でも、だからこそ仁居の気持ちを理解できて、彼に寄り添える優しさと包容力が備わっていたのだという気がします。
    そして、ニーニ!
    ニーニがおりこうさんでかわいかったです!あの子が恋のキューピッドですね?

    両想いになってからの展開もスローだったけど、二人のやさしい思いやりがしっかり伝わってきて、何気ないやりとりの場面にも胸を熱くさせられっぱなしでした。
    佐田との再会では伏線とか絡め方が絶妙で、甘苦い切なさと優しさが感じられて印象的でした。その後の国立と仁居の会話に二人の揺るぎない愛が感じられたのもよかったです。

    読み始めは痛い話かと身構えてしまいましたが、思ったより優しさあふれる展開に安堵したせいか、涙がこぼれてしまいました。事故のところの顛末は涙腺が…
    これからは、二人でニーニと幸せに生きてほしいです!!
    何度も読み返したくなるような作品でした。

著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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