バースデー (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館
4.06
  • (15)
  • (23)
  • (12)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 144
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403524462

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 安西リカ先生には珍しくこの作品は少しミステリー風味が加味されていてとても面白かった

    子供の頃の壮絶な虐待のせいで多重人格を患ってしまった百合原透
    その透の人格の中でもリーダー格である三希と深い関係を持っていた過去を持つ滝本遼一
    百合原と滝本の出会いの偶然も、実は三希の残した思い出と記憶によって繋がっていたのが興味深かった

    三希を愛し翻弄され裏切られた気持ちを引きずる滝本が、三希と同じ顔を持つ百合原に最初は悪意を持って近付くのだが気付かぬうちに朴訥で素直な百合原に惹かれていってしまう
    ここでいつ滝本が百合原と三希が同一人物だと気付くのかとハラハラとしてしまった

    滝本が百合原と三希の多重人格を知り一度は身を引くも、本能のように互いに求めて愛し合ってしまう情動がすごかった

    三希との激しく情熱的な恋を経て、百合原との穏やかで慈しむような恋で滝本自身の本当の姿が垣間見えるようになる

    ラストの場面で三希が滝本を愛していた事がわかって滝本の心の傷が救われたのが良かった

    最終的に百合原と三希の人格は統合され2人の性格が中和されたような人格が形成されたのだろうか
    滝本と百合原がこれからもずっと穏やかで幸せである事を願う

  • 暴行虐待された過去のある多重人格の受けに、よく嗜虐願望のある攻めのキャラを組み合わせたなぁ…しかしこれが逆に読み終わったあとじわじわくる…感動でうち震えてしまうくらい…。
    ちょうどmiletさんのアルバム聴きながら読んでたらなんかクライマックスの部分で良い感じのエモい曲がきて二割増しくらい切なくなった(笑)

  • 多重人格だったという過去を持つゆりと、ゆりとそっくりな恋人がいた滝本の話。過去や病気のことを話せないからか、周りと深い関係を持つことのできないゆり。そんなゆりの寂しさを埋めてくれる滝本との出会いはこっちまで嬉しくなった。
    三希はゆりのとこを、滝本はゆりと三希のことを守ろうとしていて、悲しいし辛いけれど優しい話だと思った。

  • 自分よりでかくて強い男が好きな遼一が出会ったのは強烈な魅力を持つ三希。全然好みじゃないはずだったのに、その自信溢れる姿に心奪われ、一年ほどを一緒に過ごした。必死に追いかけ、未来の約束めいたことも口にした三希を半信半疑に思っていたら、そのまま三希は姿を消した。
    時は流れて、遼一の前に現れた三希。しかし、彼は三希ではなく百合野という新聞配達員だった。外見はそっくりなのに中身は自信もなく、オタオタする百合野を遼一はからかい半分、興味半分で扱っていたが・・・

    多重人格のお話。過去にひどい経験をした百合野が多重人格により身を守っていた頃に出会った男と再会・・・
    ちょっと百合野は読んでてもイラっとしちゃう感じだったし、遼一もいけ好かない感じではあるんだけど、まぁ面白く読めました。ストーリーは好きだけど、キャラがなんか嫌いみたいなお話でした・・・

  • あらすじを全く読まないで読み始めたので記憶喪失かな?と思ってたら、多重人格とは。別人格を生み出すほどの虐待があったと察して読むのが怖いと思いつつ読みましたが詳しい描写がなくて良かった。
    別人格が消える時も可哀想、、とならず良かったね…(泣)となる後味の悪くない終わり方でとても良かった。

  • 積本崩し。幼少期のひどい虐待により多重人格を持つ・透と、透の別人格・三希と過去付き合っていた・遼一。どんでん返しじゃないけど、落ち着いた頃にドキッとさせられなかなか面白かった。ただ、三希を思うと切ないです… 攻の葛藤や想いも自然というかリアルで良かった。もう只々、透を幸せにしてほしい…と思いながら読み終わった。

  • すごくよかった!
    姿を消した忘れられない恋人がいた滝本、古いアパートで一人きりで暮らす百合原。
    百合原は不遇というには苛烈な過去を過ごしていてそれが引き金となって、もう一人の自分、を何人も生み出してしまう。ゆりともう一人を深く愛して変わらない滝本と、ゆりともう一人のゆりの関係性・特にもう一人のゆりとの別れはきゅっとなりました。
    あと足指が萌えポイントでした。
    ビリーミリガンとかシーラとか好きだったのでそれも思い出しながら読みました。

  • 安西さんでは珍しく重い話。でも最後はハッピーエンド。

  • 読んでいる途中で苦しくなって、しばらく続きが読めなかった・・・年ね(笑)。

    痛いのは嫌だ。
    想像するのが怖い。
    ・・・現実に生死を大人に左右されている子供がいるんだよね。
    小説は楽しいのがいい。
    そう思うんだが・・・。
    最終的に幸せになるなら良しとするか。

  • 設定が重くて途中で一旦本を置きましたが、最後まで読んだら良いお話でした。彼らが今後穏やかに暮らすといい、と願います。

全16件中 1 - 10件を表示

安西リカの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×