ふさいで イエスかノーか半分か 番外篇 3 (ディアプラス文庫)

  • 新書館 (2018年12月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (253ページ) / ISBN・EAN: 9784403524714

作品紹介・あらすじ

入社2年目で夕方ニュースのDに配属された栄。性格に難がありすぎて周囲からは煙たがられていたが、Pの設楽はその性格ごと栄の才能を認め、自由にさせてくれていた。デザイン室の睦人と三人、気が向けば深夜の映画と酒を共にする、そんな関係を続けていたある日、平穏な日々を徹底的に壊してしまう事件が起こり……? 栄と設楽は、どうしたら11年の空白と喪失を埋めるられる? 大人気シリーズ番外篇第3弾!!

みんなの感想まとめ

大人の後悔と喪失がテーマのこの作品は、シリーズの雰囲気を一新し、複雑な人間関係を描き出しています。登場人物の相馬栄と設楽の関係を通じて、深い感情のやり取りが展開され、特に設楽の包容力が印象的です。BL...

感想・レビュー・書評

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  • イエスノーシリーズの番外編第三弾です。
    今作は『横顔と虹彩』に出ていた相馬栄と設楽とのお話し。今までのシリーズ作とは雰囲気が変わり、大人の後悔と喪失が描かれていました。
    栄がなかなか面倒な性格ですが、それをまるっと受け止める設楽さんの包容力にやられます。
    BL要素よりストーリーが面白く、一穂さんらしさを感じる作品でした。

  • いやぁ......

    あの作品やあの作品を書いた一穂先生だもんなぁと納得。

    凄かったです。

  • 満を持してのこの2人\(//∇//)\
    プロデューサーとディレクター

    もうBがLしなくてもいいんじゃね?
    と妙に納得する自分笑

    いやもう最高ですm(_ _)m

  • あっれ発売日に買ってるのに登録し忘れてる…。

    新たなスピンオフ作は設楽Pとなっちゃんの師匠、相馬さん。
    横顔〜での相馬さんのダウンから物語は始まり、時間軸は一気に引き戻され、物語は「報道にいた頃の相馬のトラブルと、設楽の地方への左遷」の経緯へと踏み込んでいく。
    一穂さんお得意の天才でキレ者な人間的に問題ありな栄の人物造形はああ、佐伯さん…笑
    設楽さんは相馬さんの才能になにより魅せられているからこそどんなに苦しくても投げ捨ててしまいたくても辞めないでほしいと願う、その切実さは残酷でもあり、痛々しくもある。

    取り替えしのつかない罪にどう向き合い、その後の人生をどう生きるのか」「報道」の果たすべきことは何か。既存の作品でも繰り返し取り上げられてきたテーマが、睦人を含めた三人での「戻らない青春」を交えて描かれるのが痛ましくも煌びやかで目が離せなくなってしまう。
    睦人のあの事件に差し掛かったところで口絵のふたりを見てしまうとどうしようもなく胸が苦しくなります。この場面を切り取ったことがあまりに天才的すぎる。
    竹美屋先生は作品ごとにイラストでの演出を変えてくるのがほんとうにお上手。

    「あの時ああしていれば」の後悔に捕らわれている生き方の痛ましさは母親を亡くした嵐や整の両親の事故に間近で立ち会ってしまった和章を思い起こします。
    時間を越えてふたたび自らを壊してしまうほかなかった栄の生き方、そこにもう一度向き合おうとする設楽、ふたりの大人の仕事と人生、恋愛がもつれ合っていくさまがどうしようもなくもどかしく愛おしい。
    タイトル…ほんとうにとてもよい…。
    二年前に帰ってきた設楽さんがリニューアル立ち上げに関わったのがザニュースで、看板キャスターのそうちゃんとは同期、それがそうちゃんの緊急入院で国江田アナが大抜擢ーー書かれた当初は想定されていなかったはずのパズルのピースがこうしてどんどん埋まっていくのは物語世界の奥行きが広がっていくようでワクワクさせられます。
    社運を賭けてのリニューアル番組に抜擢されるほどの腕利きプロデューサーが十年近くも地方局を転々としていた理由、報道部門で設楽と因縁があったことから部署を移動させられたことで「天才・相馬栄」による「ゴーゴーダッシュ」が生まれ、なっちゃんの行く末が決まったこと。
    幾重にも重なり合った「これまで」の物語の系譜を引き継いだその先で十年の時を経て「ザニュース」に一同が介するさまはほんとうにドラマチック。

    スピンオフなだけあって、後半の旭テレビを舞台にした大立ち回りでは皆川くんやなっちゃん、国江田アナももちろん勢揃いで登場。
    彼らの裏の顔を知っていると「仕事をしている時の顔」を異なった視点で見られるのがまた楽しいし嬉しいです。
    国江田アナは期待を遥かに上回る結果を必ず残す逞しい王子で皆川くんは底抜けに明るいアホの子、(褒めている)なっちゃんは歪みなくかわいい。楽しそうなおっちゃんたちの様子もイキイキしてていな〜〜。
    スピンオフなら出番はあるよね? あるよね? と期待して待っていたところ、あくまでも露出の量は抑えられながら大きな見せ場を掻っ攫う国江田アナの作中での役割の素晴らしさにブラボー! の拍手喝采をしたくなりました。
    『国江田計』を演じ切り(映画にあった鏡の前で「化けきるか」っていうシーン大好き)常に期待を遥かに超える結果を出すための愚直なまでの弛まない努力や覚悟を設楽さんはちゃんと見ているんですよね。
    表向きの『貌』は勿論作ってはいても国江田計として発する言葉には少しも嘘がなくて、そこに込められた信念や覚悟、いままでわたしたちに見せてくれた「仕事」に向き合う生き方や成長がもたらしたのであろう驚くほどの行動力とそこから導き出す結果にわたしたち読者も計の仕事を見守っているはずの潮もどうしようもなく胸を打たれてしまう。
    この【国江田計】の物語上での役割が本当にすごくてすごいとしか言えない。
    「なりたくてなったわけじゃない」からこそ負けないための愚直すぎるまでの努力を重ねてきたけれど、理不尽な重圧にはひとりではとても耐えきれない、という局面を何度も潮に救ってもらった計にとっての「テレビに出て仕事をすること」はいまではそう簡単に取り上げられてたまるか、という不屈の闘志を燃やせる仕事で、天賦の才能×弛まぬ努力×仕事にかけるプライドと矜持は設楽さんを圧倒させ、「楽しくやっている」皆川くんのプライドを引き出し、ここまでの闘志とポテンシャルを発揮させているんですね。横顔で設楽さんの采配により「負かされた」ことがこうして生きてくるんだな。
    ふたりの共闘関係を見張る設楽さんのまなざしが良いですね。
    それにしても仕事描写をここまで臨場感を出しながら生き生き描けるのは本当にすごい。これだけ魅力的に動いてくれる演者たちがシリーズで続々集まってきたこともあれど、作家として更に何ランクも上のステージに行きつつある証なのだろう、と唸らされました。
    ストのためにかき集めてきたおじいちゃん連中の大活躍に、欠かせない脇役として大きく活躍してくれる錦戸のおっちゃんと相馬さんの十年越しの再会、CGトラブルを受けての国江田アナの技術と皆川アナの機転とユーモアが昇華されるホワイトボードでのやり取りの盛り上がりは張り詰めた空気に程よい抜け感をくれる楽しさで、このバランス感覚が魅力だなぁと思います。
    (この後めちゃめちゃ怒ってる計が目に浮かぶね…笑)
    師匠が現場に戻ってきて否応なしにテンションのあがるなっちゃん、フロアがなっちゃんなのでますます張り切っていたであろう皆川くんの回しのテクニック、国江田アナとの絶妙なバランス感覚での共闘プレーが文句なしにカッコいい。
    これは「おまえは二流」と横顔で相馬さんに切り捨てられたことへの鮮やかな逆転になったのでは。
    『相馬栄の作るものが見たいから現場に立ち続けてほしい』というエゴとも言える感情、設楽さんが惚れ込んだものが、二度現場を追われた相馬さんをそれでも半ば無理矢理に呼び戻したことでみるみるうちに溢れ出していくさまが堪らない。
    (劇場版の作画があまりに美麗でびっくりした。笑)設Pのシリーズ通しての存在感や厄介さ、「欲しいものは手元に置かないと気が済まない」貪欲さを見せつけられたよう。
    官能描写の豊かさ技術力の凄い作家さんですが、二人の関係性が発揮されたベッドシーンがちゃんと展開されているのである意味安心とも言える。
    「おまえの男にしてくれ」の殺し文句がヒリヒリするほどかっこいい。

    海燕座での睦人との再会によって「あの日」で止まった時間が動きだすさま、新しく繋がれたいのちである宗太との出会いが描かれるところにじーんとしました。
    加害者少年のその後を追い続ける睦人は痛ましくもありますが、許さないし忘れない、風化させない。それでも生き続けるということが弟に出来る唯一のことだという決意表明のようにみえます。

    設楽さんの計らいにより相馬さんが「ザニュース」につく事でお話が終わる、ということはまだシリーズが続ということですね。
    にくい終わり方だ。

  • 現実の生活と物語の何かが呼応する。

    読む時期が違えば 違った感想になりそうだ。

    栄は好きではないタイプ、 でも気持ちが解る。 
    今 解る。
    栄は 聞こえすぎる人(聴覚過敏)と同じで 塞いでないと見えすぎ感じすぎになるのだろう。


    物語はめでたしめでたしでも、悲惨でしたでも 幕を閉じてから次が始まる。

    『ふさいで』は
    現実では 終わらないうちに プチッと断ち切られること
     次が始まっていることを思い出させてくれた。

    奥はもう一人の栄かもしれない。
    朝焼けの中のシルエットと 華やかでも一瞬で着得る花火。

    一日限りのP…。
    助っ人のじじいズが面白い。 今 話題の5G!(すぐに死語になってしまうかも)

    ON AIR前の慌ただしさにどんどん追い込まれる感じに きっと起こるであろう何かにどきどきする。

    そして
    我が道を行く 栄が
    皆川や国江田に巻き込まれていく感じが面白い。
    結局は彼らの力が無くてはできなかったことだけど。
    いつか「対決」のときが来るのを期待する。

    辞令!
    したたかな奴ばかりで 栄が可愛らしく思えてきた。




  • 一穂ミチさん、大好きでほぼ全著書持っておりますが、この本が一番大好きです。この「ふさいで」は「イエスかノーか半分か」のスピンオフ作品です。「イエスか~」もとても読みごたえがあってかっこいいお話ですが、こちらの「ふさいで」は甘さ控えめだけど、後でじわじわ染み出てくるこくと旨味があると言うか…(笑)ようはスルメ作品です。噛めば噛むほど、読めば読むほど。「イエスか~」の他の作品とは違い、低空飛行ではありますが話の中で高度を増したり更に低くなったり、とこちらの感情がえらい揺さぶられます。辛くてもう読めないよぉ…、と思ってしまうくらいに引き込まれます。でも読み進めて下さい。何て魅力的で色気がある人たちの話なんだろうって、感動しますから。この、登場人物達だからこそ発することができる言葉があちらこちらに散らばっています。ドキッとするような、艶っぽい告白にしびれちゃいます。作品に漂う、アダルトな雰囲気がなせる技なのでしょうか。まだまだ登場人物達の心情が明かされてないようなもどかしさが残るのもいいです。これからも続いていってほしいなぁ。

  • 3カプ目、さすがに展開に飽きるかなぁ、と思ったんですが、痛みを伴ったカプはビター度合いが絶妙でした。

    俺をお前の男にしてくれ、って攻めの告白が最高ですよね。大人が故に大事なところでは取り繕わないのがよかったです。

    2026.4.19
    61

  • 計潮、深竜起とは一味変わったビターな作品で一穂さんの文学的センスを感じた。

  • 本編より大人な雰囲気でした。
    設楽さんや栄の内面が深く描かれているので、知ったうえでもう一度本編の方も読み返したくなりました。
    ストーリーは重めで、つらい展開もあって読んでいて苦しくなりましたが、終わり方がとてもきれいで良かったです。
    ストが起きたときの国江田さんが相変わらずぶれてなくてカッコイイ(笑) 竜起との笑顔のバチバチもとても好きでした!

  • 流し読み

  • 読み始めは、この組み合わせなのか。。。
    と思ってたけれど、どんどんBLとしてだけじゃなく、物語としてひきこまれた。
    設楽、栄、睦人の3人の関係がすごく良くて、それだけにその後の展開が苦しかった。
    11年かかったけれど、栄から色々なものが消えて、睦人も今は幸せで、ほんとによかった。
    次巻も楽しみ。
    この2人を、計、潮、竜起、なっちゃんが知ったら、それぞれ違う反応しそうで、おもしろそう。知ることはないのかもしれないけど。

  • 2022/05/01-05/04

  • イエスノー番外編。設楽×栄。

    大人のお仕事もの。BLでなくても、全然いいような面白さでした。別に、全然ラブラブしてないし。思い合ってるけど、思いやりはないってゆーか。。しかし、泣けた。
    この現場、性格難ありな人たちばっかりね笑。一番まともなのは、深かなぁ。旭テレビの採用基準が問題ありなのかしらん〜。

  • 丁度気になっていたカプでの番外編。最高です

  • 読書仲間さんからお借りした本。

    『イエスかノーか半分か』スピンオフ。
    設楽Pと『ゴーゴー』のPだった性格に難がある相馬さん

    重たくシリアスで…再生の物語。
    このお仕事シリーズ面白いわ(〃艸〃)ムフッ 
    ただ設楽さんと相馬さんねぇ…
    設楽さんもよくこんな面倒くさい人好きになったもんだ(笑)
    設楽さんだけに分かる何かがあって
    相馬も相馬で性格的な事もあるけど
    色々思ってグルグルしちゃってたんだなぁ。
    それが〝ふさいで〟になるんだね。

    後半のTV局のストライキにはハラハラドキドキ生き生き!!ジジィもいい味出してるじゃん!!
    『ザ・ニュース』は最強ヾ(≧∇≦)〃
    成長した深に闘志バリバリの皆川。
    設楽さんの更なる高みを保証された国江田さん。
    そして……迎えるチーフプロデューサーは!!

  • シリーズ番外編3。設楽×栄。
    あーすごいよかったです。シリーズ含めて何回も読み返しました。栄も設楽も他のキャラの絡みで気になっていたので、栄視点で詳しく読めて嬉しかったです。終盤の映画館のところはぐっときたなあ。こちらも泣きそうになりました。設楽視点ももっと見たかったな。あとがきに代えてがすごいよかった。あとストのところが最高に好き。

  • おとなカップル!

  • イエスかノーか〜のスピンオフ(のスピンオフ?)

    竜起編で出てきた栄が受け。
    全編に出てる設楽が攻め。

    はっきり言って栄は小汚いおっさん、設楽に至っては単なる小太りの更におっさんというイメージだったので、まさかの主役昇格にびびって、積んでた。

    読み終わってもシュッとした体型は思い描けないままなんだけど、受けが敏腕なのに一人で脇目も振らずに突っ走った過程が分かって、受けの繊細さも分かって、読み終わってはぁぁぁとぐったりきました。
    この作者は容赦なくキャラを底に落とすよね。
    文章の組み立て方だけじゃなく、キャラの生い立ちとか行動とか。キャラが立ってて何をどう行動するのか、それにブレが無い。上手い作家さん過ぎる。

    攻めは何考えてるんだか、本編の時からやっぱり分かりにくい食わせ物です。


    絵師さんは元々私の好みじゃないのでどうでも良いけど、口絵も挿絵も無いのはどういう事なのかしら?
    挿絵が無い分、価格を10円でも安くしてるのかな?(知らんけど)

  • 設楽のようなひょうひょうとして何でもそつなくこなす大人が才能がある新人に嫉妬しながらも恋に落ちること胸が踊った。相馬も横顔と虹彩のイメージとは異なって、一度懐に入れた人間には情に熱い姿や奥の一件には涙がスーッとたれてしまいました。口の悪い相馬が設楽さんに蕩けさせられているシーンはめちゃくちゃ好き!好き!この2人のラブラブをもっとみたいけど、そう簡単にラブラブもして欲しくないジレンマ...(笑) 設楽と離れていた時期の心理描写がなかったのも物語に中弛みなく読めたポイントの1つです。ふさいでの意味がサイコー

  • 前作倒れちゃったなっちゃんの親分、栄の若い頃がメインのお話。
    傍若無人でナマイキで、栄を煙たく思ってる人間は局内にたくさんいた。それでも栄は仕事で全てを黙らせるような人間だったが、設楽と睦人は知り合ったばかりでも気安く付き合え、仕事上でも頼りにできる存在だった。気難しい栄でも気を許せる二人だったが、ある日睦人がオンエアにとんでもない映像をのせてしまったことで3人の関係は変化してしまい・・・

    事件の後、睦人一切出てこないから心配になるほどでした・・・。正直設楽と栄がくっつくのは「え?なんで???そんな伏線あった?」ってくらいには唐突感はありましたが、最後はちゃんと睦人との関係もフォローされててよかったな~という感じでした

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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