ゴドレイの恋人 (ペーパームーンコミックス)

著者 : 森脇真末味

• 新書館 (1988年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[ざじさんの感想 · 2013年12月30日]

仲尾と金子が恋人関係であると描いてある『男は寡黙なバーテンダー』収録。短編なんだが必要最低限のスパイスが散りばめられているBLとしてもとても高度な作品だ。初めて仲尾を見た時の「ヤジ馬の目であった」とか文学的なモノローグが実に大人っぽいのだ。『緑茶夢』のバンド「スラン」の関連作「笊のような神経」も収録。私はこの作品を読んで「自家中毒」と言うものがこの世にあると知った。妙な言い方かもしれないけど、今読むと如何に精神的に「大人っぽい」と思えてくるんだよなぁ、この時代の作品。森脇作品は特に「小説を読むような」「映画を見るような」構成がカッコいいんだよ…