カラーレシピ(下) (ディアプラス・コミックス)

著者 :
  • 新書館
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784403666353

感想・レビュー・書評

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  • まず、私はディアプラスに移行する前からこの作品の一巻を読んでいました。その時の感想にも書いてあるのですが、最後の最後でゾワッとくるのがこの本の良さです。
    一巻の最後では鬼原さんへのスケープゴート、福介の笑吉への執着心が描かれていましたね。二巻では福の計画の綻びが描かれていきます。
    私は福介の性格について、一巻を読んだ際に『完璧主義で自分の思い通りに絶対させるサイコパス』と認識していました。しかし、二巻を読んで『サイコパスを装い、自分の思い通りにさせたいものの計画に甘さの見られる実に人間らしい人』と認識を改めることとなりました。

    私はリョナ的表現が好きなので、中間部分の笑吉への計画の綻びから笑吉を監禁するあたりはとても好きでした。はらださんの好きなところとして、やはり闇の部分が挙げられます。普通、監禁されたらそのままバッドエンドに進んだり、共依存によるメリーバッドエンドが考えられますよね。しかし、はらださんはきちんと監禁された後の怖さ、相手への恐怖を笑吉に与えました。
    その後、二人の関係は解消され「二人で美容院を経営する」という夢から遠ざかってしまいます。これには賛否両論ありますが、実に現実性を含んでいて私はとても好きです。
    今後二人の関係がどう転んでいくのか、それが読者に託されているのですね。

  • 最初はケンカップルぽい感じで落ち着くのかと思えば途中から伏線に気づき始めてりくと福介のネタバラシの会話でもうそこからはゾワゾワが止まらない。
    本当にこうゆう話が、天才的すぎるはらだ先生。
    怖い怖いと思いながらもページをめくってその後どうなるんだっていう期待とが永遠にやってくる。

    最初はサイコパスだなと思っていた福介も実際陥落したしょーくんに優越感より可愛そうが勝り充足が満たされない様子を見て嫌悪感を抱く人もいるかもだけど自分的には意外に人間味もあってまだ救われました(笑)
    まあそこから優しく義理がたいしょーくんを再び情で落とそうとする姿やしょーくんを手に入れるためにミス誘発させる姿はクズすぎましたが(笑)

    主役以外の美門さん、りく、一祝、鬼原さんの面々の人間性もしっかり描かれていてすごくストーリーしっくりきたし、ハッピーにもバッドにも展開予測不可能なエンドも良き終わりだったのかなと!
    とりあえず読み疲れました!(笑)

  • 絶対に手に入れたい(なお手段は選ばないものとする)を地でいってる
    上巻ラストでサイコパス追い込みをりくちゃんに見破られて、でもばらさない(りくちゃんもいい性格してんな)ってことで終わりかなとは思ったけど
    そうよな、福ちゃんの最終目的は最初からいってたもんな「独立して一緒に店をやる」
    そのためにこのまでするとは
    ただあの鬼原さんが戻ってきたのと、りくちゃんのさり気ない妨害(?)が予想外だったんだな
    一祝も地味にいい仕事してくれてるし
    終わりがはじまり
    ここからさらに追い詰めるんだろうか
    下巻で終わりだけど、このあとの笑吉と福はどうなるんだろうね

  • お、面白い…
    最後まで展開読めなかった
    福介のハッピーエンドは程遠そうだけど
    期待の持てる終わり方も良い…

    ページが減るのが悲しいと思える漫画は久々だったなぁ

  • いったい何回読みながら「こわ〜〜い!」と叫んだことか。
    とんでもないですよ、この作品は。
    加速度的にホラー要素が増しますよ!下巻!

    新しいアシスタントの一祝が登場して、福介が仕組んで笑吉と対立させようと画策。笑吉を孤立させて居場所なくしてふたりで独立ルートを目指す福介。店に迷惑かけてるんだからなおさら辞めるわけないじゃんと、仕事と美門さんが依然いちばんの笑吉が面白くない。自分が一番じゃないと、唯一じゃないと。

    そのやり方がね、ほんとに、孤立しかけてるところを見て笑顔になったりする福介を見てると、

    えっこれってほんとに好きなの?
    好きな人が不幸で楽しいの?
    そもそも愛ってなんだっけ?
    自分の手でだけ相手を幸福にしたいってことだったっけ?
    結果として相手を変質させてもいいわけ?
    そこまで強く執着して我を失うことを愛と定義してるの?
    これ恋愛なの?こんな独りよがりなものが?でも恋愛ってたしかに多かれ少なかれ独りよがりなとこあるよね、

    みたいな、思考のループで吐きそうになり、

    つまりなにが言いたいかっていうと、
    ものすごく気持ち悪いのに、こんなもんは恋じゃないとは言い切れない、のが気持ち悪くて、脳がグラグラしてきます。

    そんな混乱状態のなか、福介の行動はエスカレートし、
    一方では女装の麗人後輩スタイリストりくくんが、上巻からずっと福介の真意を見抜いていて、下巻ではガシガシ邪魔をかけに入ります。
    かっこいいよ!りくくん!

    そんなりくくんの動きもあって、笑吉はいままでの行動が全部福介の企みによるものだと気づくのですが、
    そこからの電気責め(まあ予想ついてたよ)⇨屈服⇨かわいそう(は???いまさらどうした??)⇨土下座(怖い(白目))の怒涛の展開。

    もうこっちのライフはゼロですよ。
    特に福介が笑吉をサイコーに下衆な手段で脅して屈服させてレイプしかけての「かわいそう」は、今年度最高のはぁぁぁ?を記録しました。

    どの口でおまえ・・

    そんなんやる前に普通わかるでしょ、あっ、わかんないからサイコパスって呼ばれるの?それともそういう恋愛のはじめの、浮き足立った状態のこと冷や水ぶっかけにきてんの?はらださん??と、かなり動揺しました。

    そして最後まで読み終わってですね、終着点として、
    私、ホントおかしいかもしれないんですけど、

    「描き方とやりかたが極端だからとんでもない物語に見えてるけど、恋愛でこういうことって(相手の尊厳をふみにじって相手を思うままにしようとする試み)誰でもやってるかもしれないよな」

    と、思ってしまったんです。
    人ごとじゃないぞって。だからこれは、サイコパスの、どこか遠い場所の物語じゃなくて、私の物語であって、道行くそこの彼の物語かもしれないぞって。これは愛についての物語じゃないかって、そう受け止めました。

    名作だと聞いてはいましたが、その評判にまったく負けない、鮮烈なインパクトを残してくれました。
    いまさら私がいうまでもなく、傑作です。
    BLだとかどうだとかそういうの取っ払っても読む価値があります。


  • 美容業界を舞台にした、王子系スタイリスト×糞真面目流され不憫系スタイリストの完結編。
    最後まで強烈インパクトなストーリー展開でした。

    上巻の流れからいくと、HENTAIなノリのかわいい系イチャラブに落ち着くのか?とも思ったけど、そこはやはりはらだセンセ。一筋縄ではいかないですよね~
    これだけでは終わらない、福ちゃんの闇深い脳内がさらに明らかになっていて。
    せっかくのしょーくんとラブラブな今の幸せなのに全然満足できてない、強欲バチ当たりなんですよ。しょーくんと仲良くする奴みんな俺の敵!みたいなwww
    ライバルから完璧に遮断しないと我慢できない心理状態の福ちゃんは、汚い手を繰り出しまくってしょーくんに疑われると、堂々と開き直り監禁して緊縛プレイに至っちゃうわけですね。そんなことしちゃダメじゃん!と思いつつ、エロエロHENTAIプレイに目が釘付けになりました…
    まあこういうところだけクローズアップすると、福ちゃんまさに鬼畜極まりない外道になっちゃいますが。

    だけど、りくに「王子様からご主人様になりたいんですね?」と軽蔑されてもめげずに、あれこれ汚い手を使いしょーくんを自分だけのものにしようと強引に行くしかないのは…
    実は不安で心配で、愛が満たされていないからなんだろうなと思いました。
    しょーくんは福ちゃんに溺愛されてるからといって依存したりせず、無自覚ナチュラルに対等な立場であろうとしていて、とてもプライドがある男の子。
    手強い相手です。BLの受にありがちな弱々しさが見当たらないですw
    なので、福ちゃんの所有欲はまったく満たされず…なんですよね。福ちゃんとの力関係がほぼ一緒。だから、しょーくんが緊縛された場面もそれほど痛くは感じなかったかな。
    むしろ、つけ入ろうと汚い手を使いまくるしか技がない福ちゃんがかわいそうになってきましたwww
    王子キャラなのに、本気になると見事になりふりかまわないところとか、ちょっと哀れ。

    最後の最後まで福ちゃんこじらせ策士のまんまでしたが、ほっとけない慈愛の持ち主のしょーくんにずっとかまってもらって、ぜひぜひ幸せになってほしいと思ってしまいました!
    あとは、ストーリー中でりくの存在(ものすごい解説者感)が思った以上に大きくなったこととか、一祝くんが思った以上に何にもわかってなかったこととか(笑)、鬼原さん再登場とか!!
    色々面白かったです。
    最後まで先が読めないストーリー展開で、ドキドキが止まりませんでした。センセはこういう話描いたらもう天才的!

  • サイコパスがしょーくんを手に入れる為になりふり構わなくなってきて、怖かった・・・というか新人君を巻き込んで、仕事のミスを連発させて美門さんの店辞めさそうとするとか(そして自分が拾う)エグ過ぎ。焦ってしょーくんに乱暴をしてしまって怯えられてしまったから、きっと本当の意味で福介を好きになる事はなくなったんだろうなぁ。笑吉の優しさにつけこんで、本当はメンタルが弱い自分を演じて彼を手に入れようとするけど、それは同情さてるだけだし彼を本当の意味で手に入れる事は出来ないと思うし、なりふり構わず過ぎて酷い。そしてリクも良いだけ引っ掻き回して、最後は傍観しててホントいいキャラしてるわー

  • 福ちゃんが一貫してサイコパスで良かった

著者プロフィール

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「2016年 『オリジナルボーイズラブアンソロジーCanna Vol.49』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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