坊主DAYS (1) (ウィングス・コミックス)

著者 :
  • 新書館
3.92
  • (51)
  • (81)
  • (52)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 517
感想 : 70
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403670862

作品紹介・あらすじ

日本では禅の宗派に属する、臨済宗(一休さんなどが有名☆)。その寺の住職である著者の兄の修業僧時代を中心に、お寺のこと、お坊さんの衣食住などをわかりやすく描いた、日本初の坊主コミック・エッセイが登場!さらに、急にお葬式に行かなければならない時、またはお葬式を出す側になった時に知りたい、マナー、お葬式やお墓の金額相場、仏壇の祀り方など『すぐに使える!お役立ち仏教マナーガイド』も収録!知っているようで知らなかった、お坊さんの世界がここにある…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • さりげなく韻を踏んでいるタイトルが気になって、読んでみました。
    実家がお寺という漫画家による僧侶についての解説エッセイ本なので、細かく紹介されています。
    でも著者は萌え系同人誌を描いてきたとのことで、真面目な話の中にも、笑える遊び心がふんだんに取り入れられています。

    著者の兄が出家して寺の跡継ぎになるまでの修行の様子が描かれていました。
    お寺は一休さんでおなじみの臨済宗。 
    京都の建仁寺や鎌倉の建長寺が有名ですが、お兄さんはもっと近所のお寺で修行したそうです。

    日本の僧侶は、妻帯禁止だったはずなのに、いつの間に禁が解けたのだろうか、時代の変遷かしらと、前々から疑問に思っていた、その答えが作中で説明されていました。
    明治政府の大号令による神仏分離が行われたことで、寺では後継ぎが不足するようになったため、明治政府は妻帯をOKにしたそうです。
    なんと、政治がらみの措置だったわけですね。
    しかも、妻帯可なのは日本だけ。他の仏教国からは驚かれるそうです。

    修行僧がもらえる自分のスペースは、一畳だけ。
    座っている時ならまだしも、寝る時には、布団は一畳に入りきりません。
    そのため、布団を半分に折って寝るそうです。これをかしわ布団と言うんですね。

    托鉢や寄進では、何一つ断ってはいけないという決まりがあるそうです。
    だから、肉をもらったらきちんと食べるとのこと。
    肉食禁止ではないようです。

    托鉢は、何人かで「ほーう」と言いながら町内を巡るそうです。
    京都の金戒光明寺前で、秋に聞いたばかりでしたが、やはりあれが托鉢だったんだと納得しました。
    托鉢の仕方も、よくわからずにいましたが、しっかり描かれていました。
    普通は食べ物やお金をいただくものですが、なんと猫ももらったことがあるんだとか。
    途中で逃げてしまったそうですが、不思議な(というか意味不明の)寄進もあるものです。
    それもこれも僧侶にとっては修行の道なのでしょう。

    お布施の仕方も紹介されていました。
    托鉢もお布施も、経験したことがないため、今度その機会が来たら、たじろがずに行えるようになりたいものです。

    修行僧の1日は忙しく、毎晩4時間睡眠だとか。よく続けられるものです。
    精神が見事に鍛えられているからよりほか、ありません。
    木魚は、魚の形をしていないのが謎でしたが、龍が2匹向かい合うようなデザインになっているとのこと。
    魚はいつも目を開けているから、それに倣ってがんばれるようにという意味が込められていると知りました。

    軽やかに明るく紹介されていますが、実際の修行は血のにじむような努力と苦労の積み重ねでしょう。
    一般人には到底真似のできない、奥深く厳しい世界を、わかりやすく紹介してくれている、親しみやすい一冊です。

  • ファンシイダンス思い出した笑

  • お坊さんになるには?

    実家が、兄が寺の坊さんという、なかなか巡り合わない生活。
    こういう状況なんだ、というものから
    修行って…という話まで。
    お布団は干したい、と思う時点で
    煩悩にまみれてる、ということなのでしょうか??

    日本は妻帯おっけーですが、中国はアウト。
    その辺は…もう変化した、としか言いようがないかと。

  • 百姓貴族六巻発売を記念した杜康さんのインタビューを読んで、興味が湧いたので百姓貴族⑥と一緒に購入しました。
    内容は仏教に興味があるのであれば楽しめると思います。お寺の厳格で、稀に緩いエピソードや、住職になる為の修行の大変さ、また作者さんの寺の娘としての視点の話など、読み応えがあります。生半可な気持ちと覚悟では決してお坊さんにはなれない、というのが伝わってきました。
    ただ絵に関しては、建築物や道具などは巧いですが、人物の絵は……後半になるにつれ段々と巧くなってはいくのですが、それでもギャグ調にデフォルメされた人物の、喜怒哀楽の表現が物凄く拙い。発行自体が2009年というのを考慮しても古臭く、悪い意味で昭和臭さが抜けない表現というか……(辛口で申し訳ないです)。この辺は好みが別れるかと思います。好みの絵柄でなければ読み進められない、という人には結構しんどいかもしれません。

  • 最近はお坊さんになるのもユルイ感じなんじゃないかと勝手に思ってたけどけっこう大変な修行をしてるのね。

  • (2016-01-14L)(2020-12-03)

  • 臨済宗の僧侶となった兄を通して仏教界を知るかとができる。
    托鉢許可証があるのは初めて知った。公案関係のことも記載されているが詳述を避けているところを見るとどうもキナ臭い。

  • 禅寺の住職となるための修行やお寺さんの暮らしぶりなど。
    作風は好みじゃないけど、気軽に読めてタメになる。

    意識して見たことはなかったが、托鉢の見分け方に納得。
    これからは本物だと思ったらお布施をしたい。してみたい。

  • 4〜5

  • 中は見ないとわからないっていうのは思うんだけど、それでもやっぱ偏見は完全には払拭されないのはなんでだろうなぁ。

全70件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

11月2日生まれ。漫画家。臨済宗の禅寺を実家として育った経験を活かして、2007年、『坊主DAYS』(新書館)でデビュー。また、中国留学経験があり、中国の文化や風物、三国志の武将などに精通していることで知られる。代表作『孔明のヨメ。』(芳文社)をはじめ、『中国トツゲキ見聞録』(新書館)、『杜康潤のトコトコ三国志紀行』(スクウェア・エニックス)、『江河の如く 孫子物語』(KADOKAWA)でも、その広範な知識や興味をいかんなく発揮している。

「2018年 『梨花の下で 李白・杜甫物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杜康潤の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×