暴れん坊本屋さん・完全版 ~平台の巻~ (ウィングス・コミックス)
- 新書館 (2012年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784403671241
感想・レビュー・書評
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ブクログにいらっしゃる本好きの皆様であれば、ほぼ確実に興味関心をそそられる内容なのではないでしょうか。
書店員との兼業漫画家だった久世番子先生による実録お仕事エッセイマンガと、日販通信に掲載されていた四コママンガ〈本販通信〉と新書館の紙の注文書ウラに掲載していた四コママンガ〈暴れん坊営業さん〉傑作選をまとめた、正に完全版という内容。
中身話題的には約20年前の事なので作中にチラチラ登場する新刊作品は『苺ましまろ』とか『1Q84』発売とか『土の中の子供』で中村文則芥川賞受賞とか『白い犬とワルツを』の特大ヒットとか。残念ながら私はその頃はまだ読書に関心が無かったのでピンと来ないのではあるが…。世相的にはハニカミ王子やハンカチ王子がフィーバーしていた頃。
久世先生直筆POP企画の当選書店が5軒紹介されるのだが、調べたら内3軒が閉店済みという事実。全国書店数は2006年に14,555軒だったのが2021年で8,642軒まで減少しているので致し方ないのか。
新刊配本が無い!取次・版元どうにかせい、という怨嗟はこの頃から今まで変わっていないのね。
雑誌創刊が8誌もある(p133)のはまだ雑誌が元気だったという事か。〈いけない♡若葉先生〉での雑誌にまつわる話が面白い。残念ながら本話に登場する明治図書刊の雑誌『女教師ツーウェイ』は現在は休刊済だが、その内容紹介「①教師の仕事には男も女もない、と思っている方。②女教師なんていういい方は差別的だ、オンナなんていう言葉でなく、女性というべき…と思っている方。③オババなんていうのはケシカランと思っている方。そういう方に読んでほしい雑誌。実践もピカイチ。」(明治図書HPより)が既に面白そうである。「オババ」ってさあ…。
続く話〈ふろく・めぐり愛〉も雑誌トーク。ふろくを組む作業も書店がやっているのか!それは確かに「製本の時とじこめよ」(p145)と言いたくなる気持ちはわかるし、明らかに挟めないデカいふろくは何なんと思うのは当然だと思う。最近は箱と本が合体したブランドムック?が増えましたね。ふろくで「全身コーディネートも可能⁉︎」(p142)はツボ。
客がタイトル間違えてくるのも昔からあるあるなのか。「ハリー・ポッターの書いた『ピーターラビット』」(p197)は笑うしかない。「ポター」だけはなんか引っ掛かってたんだろう。レベル高い勘違い。
万引き捕まえたら金一封っていうのも気になる(p46)。
読んだ後だと、いつもの本屋さんの売り場がまた違った景色に見えますね。
さあ『棚の巻』へ。
1刷
2023.10.9詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
楽しい!
番子さん可愛い!
本屋さんで働いている先輩のオススメ本。
本屋さんはこの本にすごく共感するらしい。
いいなぁ…。私も本屋さん視点で楽しみたい。
内容は苦労話が多いけど、可愛い絵とハイテンションなキャラクターで中和されている。
読み終わった感想は「やっぱり本屋さん大好き!」のみ。
本屋さんのお仕事は、どんなに大変だと言われてもやっぱり魅力的に見えてしまう。
「新聞に載ってたアレないか?」なんて聞いてくるお客さんは実際に仕事中に遭遇したら殺意がわくかもしれないけど、漫画で読む分には楽しい(全国の本屋さん、すみません‥)。
万引きネタはどう頑張っても楽しめないけど…。
そして描き下ろしもかなりショッキングだった。
本が本でなくなる瞬間は見たくありません‥。
すぐに売れなければ返品→廃棄の流れがどうにかならないものだろうか‥と思ってしまう。 -
むう、こういうのって嬉しいような悔しいような…。だってコミックスは持ってるんだもんね。しばらく迷ってたけど、おまけの収録作読みたさに、そのうち買うことになるのは自分でもわかっていた。まんまと買わされて悔しいが、読めて嬉しい。うーん…。
「暴れん坊営業さん」の字の小ささに苦戦。あのー、番子ファンには中高年もいるのでもう少し大きくしてくれませんかのう。-
えっ??!(*^_^*)
こんな版が出てたんですか。
そ、それは読みたいです!
全く、困っちゃいますよね。(^O^)えっ??!(*^_^*)
こんな版が出てたんですか。
そ、それは読みたいです!
全く、困っちゃいますよね。(^O^)2013/02/23 -
ね!困りますよねえ。いくら大人になったとはいえ(年齢だけは十分すぎるほどオトナ)好きなだけ本や漫画を買えるってわけではないもの。
往生際悪...ね!困りますよねえ。いくら大人になったとはいえ(年齢だけは十分すぎるほどオトナ)好きなだけ本や漫画を買えるってわけではないもの。
往生際悪く「棚の巻」(二冊に分かれてるんですよ~)はまだ買ってないんですが、そのうち買うのは見え見え。まったくもう。2013/02/23
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本屋好きなんで、こういう本屋あるあるはとても楽しめる。
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ついに暴れん坊本屋さんデビュー。本屋さんのお仕事大変なんだなぁ… はたきは本当にお掃除しなきゃいけないからなのね。返本後の本の行末が悲しかった。
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今の仕事以外でやってみたい仕事があるとすると、一つは本屋さんかなあと思う(書店員さんの苦労も知らず、かなり無責任かつ簡単に言ってますが…)
久世さんの本屋さんライフについて書かれたマンガでなかなか楽しかった。しかしここで書かれる本屋さんの裏側事情は不思議と知っていることも多かった。たぶん「自分が書店員になったら」という妄想を日頃しているため、本屋さんにいる時にも「あの裏にはこういう業務があるのだろうか」という想像が働いてしまうからなのだろうか。やはり力仕事の面があるんだよなあ。
大変なことばかり書いてあるけど「やはり本屋さんは楽しそう」と思ってしまうのであった。 -
暴本、完全版その1です。暴れん坊本屋さん+本販通信2007~2009+暴れん坊営業さんセレクション+描き下ろし。描き下ろしは返品本のその後。
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前の全3巻も持ってますが未収録の話もあるため読んでみました。久しぶりに読んでもやっぱり笑える。面白い。自分も本屋で働いているからか納得する部分が多々あります(笑)新書館コミックの注文書の裏に描かれた4コマ、FAX送る時、毎回楽しく読ませてもらってました(笑)
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完全版っていうか、再録…?
まぁでも本販通信と営業さんセレクションが入っているので、しかたがないです。
でも面白いんですよ。でもさ、完全版言うなら全部収録してくれよと思うんですけどね。
付録のお話は相変わらず面白いです。
でも番子さんのところの本屋さんの付録の入れ方は反対だ。雑誌の真ん中に入れるとか、ないわーw
番子さんのエッセイ本は今のところ外れなし。
ぜひとも本屋さんの悲鳴をご堪能していただければと。