天皇家はなぜ続いたか

著者 :
  • KADOKAWA(新人物往来社)
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本棚登録 : 31
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404018748

作品紹介・あらすじ

日本という国号が決まるのとほぼ時を同じくしてその称号の定まった天皇家は、なぜ現代にいたるまで連綿と続いたのか。律令制の崩壊、武家政権との確執にも生き残った歴史を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 読むのが大変だった。
    文章自体は別に堅くも難解でもないのだけれど、筆者が辿った
    結論までの道筋が長くて複雑なので、読んでいて頭が混乱し、
    正直とても、イライラした。
    これまでどうして天皇家はこうも長く続いてきたのか。
    その大元は古代にあると言うことで、話しは一気に古代に飛ぶ。
    「日本書紀」の信憑性については、随分と前から指摘されてきていた事だし、嘘と真実がない混ぜになっていて、そこから真実を導き出すのは大変難しい。
    筆者はそんな「日本書紀」の、何故わざわざ、必要のないと思われる余計な事柄を連ねたのか。そこには、わざと書かねばならない事情があったのではないか。。。
    そういう観点の元、大和王朝の建国の様子を探り、そこから邪馬台国の問題が浮かんでくる。
    ずっと読んでいると、ちょっと深読みし過ぎでは?とか、自分の仮説に都合の良い記録ばかりを集めたのでは?と思わない事もなかったが、興味を引かれたのは、各地に残る神社伝承。
    「日本書紀」で祖先を神としている天皇家だが、祭られている神々の足跡や伝説などを辿っていくうちに、奇妙な共通点の多さが目立つのに気づく。
    神社を軽視していた自分にとっては、信仰の対象としてではなく、歴史的な興味が湧いてきた。本編では、どこそこの○○神とナントカの××神は共通の神で、これは△△天皇と同一で、みたいな感じで様々な登場人物の複雑極まる関係をこまごまと書かれているので、頭が混乱。でも、最後まで読んでいくと、それなりに納得はできる感じかな。
    ただそこまで読み進むのに、とても時間がかかり、途中、止めたくもなったりして、知的好奇心とイライラの闘い、みたいな感じでした。  
    解釈としては、とても斬新だし、神社伝承と「日本書紀」、「古事記」各地の風土記などを総動員して上手い事成り立つ仮説だと思った作品でした。

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著者プロフィール

今谷 明(いまたに・あきら)
1942年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。文学博士。日本中世史専攻。横浜市立大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て都留文科大学学長、現在、国際日本文化研究センター名誉教授。主著『室町の王権』(中公新書)、『武家と天皇』(岩波新書)、『象徴天皇の源流』(新人物往来社)、『近江から日本史を読み直す』(講談社現代新書)、『戦国期の室町幕府』(講談社学術文庫)、『日本中世の謎に挑む』(NTT出版)、『象徴天皇の発見』(文春新書)ほか多数。

「2019年 『文庫 中世奇人列伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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