幻色江戸ごよみ

  • 新人物往来社 (1994年7月8日発売)
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感想 : 20
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784404021267

みんなの感想まとめ

不思議さと少しの怖さが漂う短編集で、江戸の四季折々を背景にした十二の物語が描かれています。各短編は、庶民の暮らしや怪異にまつわるエピソードを通じて、心に残る印象を与えます。特に「鬼子母火」や「首吊り御...

感想・レビュー・書評

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  • 江戸下町の四季折々を描いた12編の短編集。
    市井の人々の暮らしぶりは決して楽とは言えず、常に慎ましやかなもの。その日常の中には終始仄暗さがつきまとう。

    子を思う母の無念さ、逃げ場を失った男の失望、持ち主の秘密を封じ込めた曰く付きの行灯、などなど。夢とうつつが重なり合う摩訶不思議な世界観も乙に思えた。
    どれもこれも余韻が残る終わり方で、物語の続きに思いを馳せずにいられない。宮部さんのこうした江戸下町の物語は、いつも切なさをそっとにじませるものが多いから好き。
    市井の人の寂しさ直向きさ無念さを書かせたら右に出る者はいないのでは。
    宮部さんの上手さが光る短編集だった。

    特に『鬼子母火』『器量のぞみ』『まひごのしるべ』『首吊り御本尊』が好みの作品。

  • 不思議や怖さがちょっとある短編集。

    「鬼子母火」「首吊り御本尊」が好みだった。

  • 1994年発行、新人物往来社の単行本。12編。短編集。歴史読本などに掲載されたものの単行本化なので、いくつかは既読。怪異を思わせるものもあるが、登場人物の語りの中の怪異なので、実際はどうなのかは分からない。どちらかいうと庶民の暮らしを描いた連作という感じである。心地よくなることもないかわりに、極端におそろしくなることもない、そんな作品集。少し笑えるオチの作品が多いかもしれない。

    掲載作:『鬼子母火』、『紅の玉』、『春花秋灯』、『器量のぞみ』、『庄助の夜着』、『まひごのしるべ』、『だるま猫』、『小袖の手』、『首吊り御本尊』、『神無月』、『侘助の花』、『紙吹雪』、

    初出:鬼子母火「歴史読本」1994年2月号、紅の玉「歴史読本」1994年3月号、春花秋燈「時代小説大全」1994年夏号、器量のぞみ「歴史読本」1993年6月号、庄助の夜着「歴史読本」1993年8月号、まひごのしるべ「歴史読本」1993年8月号、だるま猫「歴史読本」1993年9月号、小袖の手「歴史読本」1993年10月号、首吊り御本尊「歴史読本」1993年12月号、神無月「歴史読本」1993年11月号、侘助の花「歴史読本」1994年1月号、紙吹雪「歴史小説大全」1993年冬号、

  • 江戸の四季折々を取り込んだ十二話 。
    「鬼子母火」師走の夜に起こった小火の原因は…。
    「紅の玉」天保の奢侈禁止の世に生きる飾り職人。
    「春花秋燈」二つの行燈のまつわる怖い話。
    「器量のぞみ」自分を醜いとしかとしか思えない。
    「庄助の夜着」古着屋で見つけた夜着、痩せていく男。
    「まひごのしるべ」首にかけられた迷子札の謎。
    「だるま猫」火消しにあこがれた若い男。猫の目。
    「小袖の手」小袖から出てくる細い手・・・怖い!
    「首吊り御本尊」奉公が辛くて逃げ出した奉公人。
    「神無月」神のいない月だからできる男たちの行動。
    「侘助の花」看板屋がついた嘘。
    「紙吹雪」質屋の女中が屋根の上から降らせる雪。

    すっすと、読んでしまったけれど、どの短編も読み直したい。
    『かまいたち』の中の「迷い鳩」と「騒ぐ刀」よりも
    読みやすく、わかりやすく、筋立が整っている。
    「紅の玉」「春花秋燈」「器量のぞみ」「だるま猫」
    「小袖の手」「紙吹雪」がいいかな。。。
    ある意味、『三島屋変調百物語』も新鮮かも。
    図書館で借りたので、古本屋で探して、
    もう一度読んでみようと思う。

  • 四季折々の短編12編。妖が出てきたり、ぞくっとしたり、どの短編も面白かった。最後の「紙吹雪」が良かったな。

  • 江戸の町民の暮らしの中での妖を,一つ一つと積み重ねて12ヶ月分の不思議.ホロリとした人情,悲しい幽霊.短編ながらきちんと物語だ.

  • そういうつもりじゃないのかもしれないけれど、「怪談噺の短編集」という読後感。全12話。
    鬼子母火/紅の玉/春花秋澄/器量のぞみ/庄助の夜着/まひごのしるべ/だるま猫/小袖の手/首吊りご本尊/神無月/侘助の花/紙吹雪

    すこし暗闇の中にある、ホラーよりはファンタジー寄りなのかもしれない、ひとの世の罪は時として正義や、誇りや、愛がくっついていたりする。ひとのおもいはこんなにも複雑
    みたいなところがすべての底に流れている短編集なので、
    寝る前に、1話ずつ読んで、その物語のその先に思いを馳せながら眠る、なんてかんじで、枕元で読むのを勧めたい1冊。脳内に挿絵が浮かびます。

  • ソロモンの偽証を見てから読んだんだけど、このすっきりしない終わり方が良い。
    紅の玉なんかも後味悪い正義の形が描かれてて良かった。
    人生にあり得る あり得たろう一幕が連なる短編集。

  •  読後が良い話は「器量のぞみ」と「首吊りご本尊」「神無月」と「侘助の花」は謎のまま、それ以外は大体苦いものが残る話。
     中でも「紅の玉」は絶望しかなかった。相手の話を信じ、世に出る物でない、咎められるものでないならば、職人として名を刻みたいと思っただけなのに…
     「紙吹雪」は救いは何もない、だが称賛したくなるほどにあっぱれ見事。

  • 久~しぶりに読み返したら、やっぱり面白かった!
    短編が十二話も。
    どれもちょっと不思議だったり気味が悪かったり。
    けれど、面白かったのに、どれもあまり心に残らないのはなぜだろう?
    またいつか読み返したら、また楽しめると思うけど、それとも次回は何か心に響くものが出てくるのかな?

  • 1998年2月27日読了。

  • 茂七シリーズだと思ってたら違ったので勝手に残念。

    火消しになりたいけど火が怖い「だるま猫」が印象的

  • やっぱり面白い、宮部みゆきの江戸モノ時代小説。
    人情味あふれるお話あり、まるで救われないお話あり、怖いお話あり、の充実した内容です。

    宮部みゆきの江戸小説はいくつか呼んでいますが、貧困の苦しみが一番生々しく描かれているように思いました。

  • 全12話の短編。怪談も多い。江戸で小さく生きる人たちが書かれる。

  • 5/16/10図書館

  • たぶん以前読んだ気がする?
    自由なようでままならない江戸の人情話集。
    特に「庄助の夜着」がよかった。

  • 読んだ直後は★3つかなぁ~と思ったが、レビューを書こうと読み返したら、やっぱり面白い。
    中でも「器量のぞみ」「だるま猫」「紅の玉」!
    全12話です。

    「器量のぞみ」
    本人も自覚している器量の悪い娘に縁談があり、その理由が「器量が良いから是非に」だった。
    半信半疑で嫁に行くと、どうやら祟られていて、器量の悪い人が美人に見える家族だった。娘は気付きながらも子供を授かるが、可愛い娘なのに家族は器量が悪いと嘆き悲しみ・・・
    ついに自分が離縁される事を覚悟して祟りをお祓いすると・・・・。

    「だるま猫」
    怖い~!

    「紅の玉」
    殺生やで。お侍のおじいさん。忠告して欲しかったよ。

  • 江戸時代の庶民の生活を舞台に描かれた短編12作品。
    ちょっとミステリーだったり、こわかったりもしますが、江戸に暮らす人々の生活と人情がうまく描かれています。
    さすが宮部みゆきという感じで、おもしろく読めました。

  • のめりこんで読んでしまう。ぞっとするところあり、ほろっとするところあり。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ・みゆき):一九六〇年東京都生まれ。八七年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『火車』で山本周五郎賞、『理由』で直木三十五賞、『名もなき毒』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。『霊験お初捕物控』『ぼんくら』『三島屋変調百物語』シリーズ、『きたきた捕物帖』シリーズなど著書多数。


「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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