定本新撰組史録

著者 :
  • 新人物往来社
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404031075

作品紹介・あらすじ

昭和3年刊行の新選組の名著。

感想・レビュー・書評

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  • (2004.05.18読了)(2004.03.03購入)
    新選組についての歴史的評価の転換点になった著書は、1928年(昭和3年)に相次いで発表された子母澤寛「新選組始末記」(中公文庫)、平尾道雄「新撰組史録」(新人物往来社)の2冊で、新撰組について書かれた小説類は、ほとんどこの2冊を基に書いているということです。
    (「新撰組意外史」八切止夫著より)
    新撰組ものの元ということで読んでみました。関係資料が、漢文調のまま掲載されているので、かなりしんどい。(資料集ではないので、著者による記述も半分ぐらいはあるのでそこを読むだけでも新選組についてのある程度の事は分かると思う。) 現代語訳がついていたらずいぶん読みやすいのにと思ってしまう。
    例えば、「新選組!展」にも展示されていた、近藤勇の養子縁組についての「宮川家文書」は、以下のようです。
      差出申養子一札之事
     今般貴殿忰我家養子に貰請度申入れ候処、早速相談被下、我等方に貰請候処実正也。
    然る上は諸親類は不及申、勝手とも差構無く御座候。仍乃加印一札入置申処仍て如件。
     嘉永二年酉十月十九日
    全体の文の雰囲気は分かるけれど、細かいところまでは分からない。例えば、「勝手とも差構無く御座候」は、どういう意味なのだろう。江戸時代に生きていれば、簡単に分かったことなのだろうけど。
    また、本文では、近藤勇の元の名前が、「勝太」となっているが、解説の菊地明氏によって、「勝太」ではなく「勝五郎」だったとされている。歴史はどんどん改められる。

    天然理心流の伝書も掲載されている。著者は、「これを精読すれば天然理心流の剣理と形容の大略について窺知されよう」と述べている。この中の剣の極意らしき物の中に月波剣、応対剣、月影剣、電光剣、石火剣などというのもある。説明は、例えば次のように記してある。
    月影剣 「うつすとも思はすうつるとも月も思はぬひろ沢のいけ」
    電光剣 「打て出る太刀にこそ入るこそ必死なり能身を捨は必勝となる」

    京都に着いた清河八郎が学習院に提出した建白書もある。学習院は京都における議政所と記述してあるのだが、幕府なの?朝廷なの?
    京都に上った浪士組のうち京都に残ったものは、24名とも14名ともいわれる。「会津藩庁記録」には24名と記述され、永倉新八の「同志連名記」には13名とある。
    新選組の局中法度書
    一、 士道ニ背ク間敷事 
    一、局ヲ脱スルヲ不許
    一、勝手ニ金策致不可
    一、勝手ニ訴訟取扱不可
    一、私ノ闘争ヲ不許
    右条々相背候者切腹申付ベク候也

    新選組の歴史の順に沿って記述されているので、史実を追うのにはいいと思う。近藤勇が、幕府に対してあれこれ意見を申し立てているのは、少し驚いた。新選組での働きがかなり認められていたということなのだろう。
    新選組の歴史に興味があって、お金にも余裕があればお勧めです。

    著者 平尾 道雄
    1900年9月3日 高知県生まれ
     日本大学商科入学 宗教科に転入 中退
    1928年 「新撰組史」自費出版
    1942年 「新撰組史録」と改題し育英書院より刊行
    1967年 「新撰組史録」改定版、白竜社より刊行
    1977年 「定本新撰組史録」新人物往来社より刊行
    1979年5月17日 脳血栓のため死亡 79歳

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