高田屋嘉兵衛のすべて

  • 新人物往来社 (2008年10月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784404035523

感想・レビュー・書評

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  • 今さらですが読みこみました

  • 司馬遼太郎の『菜の花の沖』の主人公で、司馬をして「江戸時代で誰かに会いたいかと問われれば、それは高田屋嘉兵衛であろう」といわしめた、その嘉兵衛について、様々な角度から、それぞれの嘉兵衛像を記している。
    「北海を雄飛した怪傑の実像」を書いている須藤隆仙氏は、函館における嘉兵衛の菩提寺である浄土宗称名寺の住職。函館戦争で新撰組の屯所になったことで土方歳三の供養等も同寺にあるところから、生前の司馬さんと嘉兵衛や歳三の史実について語らったことから書き起こしている。「高田屋嘉兵衛の出自と系譜」を書いているのは、嘉兵衛の末裔7代目で、北方歴史資料館館長である高田嘉七、といった具合。高田屋さんは、北方領土問題について、ご自身のHPでhttp://takadaya.d2.r-cms.jp/blog_top/[「高田屋は物申す」]と先祖の史実の再認識も求めている。

    嘉兵衛の生涯自体が波乱に富んで、まさにドラマだが、中でもロシアとの折衝というのは、現在の日ソの交渉に「人」がいれば、随分と話は違ったのであろう、と思わせる。またゴローニン艦長という捕虜と、嘉兵衛らの拿捕。人質の解放へのやりとりには、北朝鮮の拉致問題の交渉に嘉兵衛がいれば、と思ってしまう。
    江戸幕府の末期、明治維新期への時代に、北方の「大使」でもあった高田屋の存在がさまざまな角度から照射されることには意義があろう。

    トリビア一つ。論文の一つにも「高田屋」の読み方で、北海道で読まれる「タカダヤ」説と、郷里・淡路での「タカタヤ」と濁らない説があること、また「露書にはタカタイ・カヒとある」とも紹介されている。そして平成19年まで店を開いていた函館の喫茶店「TAKADAYA cafe」の命名が評判だった、とも教えてくれている。

    因みに、その気が利いた命名をしていたのはhttp://www.photo.hakodate.jp/lib/past/bn2006_07.html/[はこだて写真図書館]1階にあったブックアンドシネマカフェの通称だったようだ。この写真図書館、webで見る限り、さすが函館、と思わせるものだが、残念ながら8年正月から「休館」しているようだ。全国のどこからでも支援が可能のようだが、北の雄都の健闘を祈りたい。

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