新撰組顛末記 (新人物文庫 な 1-1)

著者 :
  • 新人物往来社
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本棚登録 : 597
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404036001

作品紹介・あらすじ

ロングセラーが遂に文庫化。新選組二番隊長として幕末動乱をくぐり抜け、唯一生き残った永倉新八が生々しい証言で綴る新選組の興亡。

感想・レビュー・書評

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  •  新撰組隊士として生きた一人の男の証言は、創作物の何倍も物語のようで、胸に迫る。永倉新八は近藤勇と袂を別つことになるが、その心の底にはやはり同士としての感情はずっとあったのではないかな、と感じた。晩年になるまで、永倉は新撰組のことについて語らなかったそうだ。しかし、晩年になって新撰組のこと語り、残した。その心境の変化は何だったのだろう。今の私はそれを想像するしかない。私としては、残してくれて本当にうれしく思う。新撰組という集団が確かに存在し、戦っていたことにものすごく興味があるからだ。そして、消え去ってしまいそうな歴史に興味がある。
     歴史が好きになってからいつか読まなければ、と思っていたものをようやく読み終えることができてうれしい気分だ。彼らの思いを、心に刻みたい。

  • 大正二年、永倉新八75歳、小樽新聞記者によるインタビューをまとめた物。
    今となっては目新しいことはないが、貴重な体験談、よくぞ語ってくれたものと思う。

  • 歴史は往々にして勝者によって語られる事が多く、幕末の動乱は薩長連合の官軍の目線で語られるものが多い。新選組は幕府軍と行動を共にし朝敵とみなされたので、多くの記録で本当の姿を伝えているか疑問が残る。そんな中で、本書は異彩を放ちます。なぜなら新選組隊士、永倉新八が晩年に小樽新聞の記者に語った連載をまとめた本だからです。実際に近藤、土方や沖田らと行動を共にし、池田屋事件や禁門の変を戦った彼の口から語られる生々しい話は迫力が違います。途中、永倉が関わってない事件の描写があるが、たぶん記者が別途まとめたんだと思う。

    • いりあさん
      >nyancomaruさん
      コメントありがとうございます。
      戊辰戦争あたりの話は、"勝てば官軍"ですから。あとは、スムーズに明治維新を進める...
      >nyancomaruさん
      コメントありがとうございます。
      戊辰戦争あたりの話は、"勝てば官軍"ですから。あとは、スムーズに明治維新を進めるためには敵をつくる必要があったのでしょう。
      2013/01/09
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「スムーズに明治維新を進めるために」
      礎にされてしまった訳ですよね、、、薩長側からすると、時勢をを読めない輩でしかなかったのかも知れません。...
      「スムーズに明治維新を進めるために」
      礎にされてしまった訳ですよね、、、薩長側からすると、時勢をを読めない輩でしかなかったのかも知れません。。。
      2013/01/17
    • いりあさん
      >nyancomaruさん
      コメありがとうございます。そうですね。自分たちに批判が向かないように、明治新政府の安定のため、仮想敵みたいなもの...
      >nyancomaruさん
      コメありがとうございます。そうですね。自分たちに批判が向かないように、明治新政府の安定のため、仮想敵みたいなものにされてしまったんでしょうね。
      2013/01/17
  • 新撰組で唯一の生き残りと帯があるが、斉藤一も新撰組幹部の生き残りである。
    新撰組について一切を語らなかった斉藤一とは違い、新撰組の生き様を語られた1冊。
    75歳のときに新聞社に語られたものが文庫化された。
    途切れ途切れで欠けた部分を感じるが、読み応えのある1冊。
    新撰組ファンなら読んでも後悔はない。

  • この書籍の著者である永倉新八は、幕末の京都で活躍していた「新選組」の生き残りで、後世に伝えようとしたために書かれたものです。

  • 燃えよ剣を読んで、新撰組についてもっと詳しく知りたくなり読みました。永倉新八へのインタビューを元にした本ということで、当事者の声を聞ける貴重な一冊。読めば読むほど、大正の世まで生き残ったのが奇跡みたいな人生。そして晩年に新撰組について書き残してくれて、本当に感謝したい。

  • 後の人が永倉新八になりきって書いた小説かと思いきや、新選組の数少ない生き残りである当人が書いたものが纏められた本のようだ。
    新選組を知る上では欠かせない、一級資料らしいが、『池田屋事件』で、沖田の持病の労咳が悪化→吐血で戦線離脱 とあった。
    今は、労咳ではなく熱中症が原因という説が主流と聞いたことがあるけど、一体どちらが正しいんだろう……。

  • 知さんに勧められて読んでみた作品

    本人が記者に語ったと言う事で期待したのですが
    物語みたいに淡々としていたし
    文体が古く読みづらい(昭和初期の出版物なので仕方ないかも)
    客観的な視点に欠けてる気がするけど
    だからこそ、その時代に生きた人の生の声なんだと思えました

  • 新選組2番組組長、永倉新八の晩年の語りを新聞記事として連載したもの。史実と違う部分もあるので、記憶が変わったり意図的に隠したりもあるのでしょうが、やはり中心人物の体験談は貴重。文章は古いですが、新聞連載なのでひとつひとつの量は少なく、意外に読みやすかったです。

  • 「子供に読ませたい本」みたいなフェアがあったとのことで妻が買ってきた。

    同書の文庫本になるまえのハードカバー本を昔読んだことがあるが、再度読み返してみたくなり手に取る。

    新撰組の大幹部で明治時代にも生き残った唯一の永倉新八。最晩年にようやく重い口を開いて幕末の己の生きざまをつづった回想録だけに、貴重な資料である。

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著者プロフィール

1839年(天保10)、江戸生まれ。本姓長倉。元は松前藩士。武者修行中に近藤勇に出会い浪士組に参加、新選組結成後は二番組長を務めるなど新選組草創期からの中心人物。甲陽鎮撫隊や靖共隊に属して戦うが、米沢より江戸へ帰還。松前藩への帰藩が許され、藩医の杉村介庵の婿養子となり杉村治備(後に義衛)と名乗る。その後小樽へ移り、樺戸集治監の剣術師範となる。数少ない新選組幹部の生き残りとして、板橋に近藤勇、土方歳三の墓を建立した。1915年(大正4)、病没

「2020年 『地図と読む 新撰組顛末記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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