勝つ司令部 負ける司令部 (新人物文庫 お 3-1)

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  • 新人物往来社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404037671

感想・レビュー・書評

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  • 日露戦争の東郷平八郎と太平洋戦争の山本五十六を比較して論じた一冊。というよりも山本五十六を批判するために東郷平八郎を引用しているといった感じで、東郷上げ・山本下げで徹底している(太平洋戦争組では例外的に井上成美には甘い)のは、終戦直前に海軍士官となったであろう筆者の経歴が強く反映されているようにも思えてしまう。
    中身は暴露本に近い内容も多いし、状況が違うものを結果だけで比較・批判しているように思え、そりゃ太平洋戦争当時はまずいところも多かっただろうが、明治と昭和では日本社会全体が違ってきているし、逆の立場だったらうまくいっていたとも思えないが。と、もやもやしながら読んでいたら、最後にどうせ誰がやってもアメリカには負けてただろうし、それを山本がやったのはある意味良かった。みたいに書かれていてガクッと来た。

    どちらかというと戦後の山本・航空主兵への高評価に冷や水を浴びせたいという自分の想いを一方的にまくし立てているだけに思える内容で、書名はせめて控えめに"勝った司令部と負けた司令部"くらいにしておくほうが良かったんじゃないかな。

  • 東郷平八郎と山本五十六を対比した本。
    東郷上げ山本下げ。
    引用が多く、行間が広く、文字が大きいので読みやすい。

  • 東郷率いる連合艦隊と山本とその一派が実質的に率いた昭和海軍を比較し、山本五十六を批判。ここまで滅多切りに山本とその司令部の面子を叩いているのは、珍しいかもしれません
    当然乍両者とも批判される点はあるのですが、戦争に対する向き合い方が対極的でしたね。

  • ロシアに勝った東郷平八郎とアメリカに負けた山本五十六を比較したお話。戦時中の話は「こういう見方もある」と思うに留めるべきだと思いますが、組織としてこうあるべきだろうと納得するお話もあります。

  • 太平洋戦争は負けるべくして負け、日露戦争は勝つべくして勝った。

  • 生出寿氏の本は「知将児玉源太郎―ある名補佐役の生涯」と「秋山真之のすべて」をかなり前、おそらく大学生の頃に読んだきりでした。

    いやぁ、痛快というか、快刀乱麻というか、太平洋戦争の山本五十六とその司令部を一刀両断。
    『比するに日露戦争の東郷平八郎連合艦隊司令部とは、そりゃ山本が可愛そうというものだ・・・』などと思いつつ読み進めるうちに、山本五十六への冷徹な評価に新鮮な驚きを感じます。とかく軍神とあがめられている感のある山本五十六とは、かくも低俗な人間性だったのかと、ちょっと認識を改めざるを得ませんでした。

    昔読んだ「失敗の本質」 という、多くの会社社長が座右の書には、「航空主兵を主張する山本五十六」はヒーローみたいな感じで書かれています。それが生出寿氏にかかれば一介の俗っぽい博奕打ちに豹変、国を博打にかけた卑しい性格の人物となりました。

    どちらが山本五十六の本質をついているのか。

    もう一度「失敗の本質」を読み返してみようと思いつつ、生出寿氏の「凡将山本五十六 烈将山口多聞」も読んでみたいと思います。

  • 軍事もの好きな組織を束ねる人に勧め2。山本五十六を軽く批判したい人向け。失敗の本質とあわせて読めば、こんな見方もありますよ的に。

  • 事実かどうかさておき、神格化される時はその詳細の事実を隠す場合が極めて多い。五十六さん、まさかあなたもカシラ?何れにせよ、勝てば官軍、、という事でしょうか。

  • 山本バッシング。失敗の本質は本質ではなく、迷信との記載も。異なる視点が面白い。

  • 日露戦争で強大なロシア艦隊を破った東郷平八郎率いる連合艦隊と太平洋戦争で完敗し戦死した山本五十六率いる連合艦隊。勝敗を決めた要因は何だったかをそれぞれの司令部の人事陣容や各海戦の詳しい戦況分析を基に解説。

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著者プロフィール

大正15年3月、栃木県に生まれる。海軍兵学校74期。海軍少尉。東京大学文学部仏文科卒。戦記著書=「反戦大将井上成美」「烈将山口多聞」(徳間書店)、「勝つ司令部と負ける司令部 東郷平八郎艦隊と山本五十六艦隊」(人物往来社)、「海軍兵学校よもやま物語」「勝負と決断」「政治家辻政信の最後」「元大本営作戦参謀ビジネス戦記」(潮書房光人社)。

「2020年 『海軍人事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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