武士の評判記―『よしの冊子』にみる江戸役人の通信簿 (新人物ブックス)

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  • 新人物往来社
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404039811

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  • 『よしの冊子』にみる江戸役人の通信簿~田沼時代を経て押収白河藩主・松平定信が老中首座となった。綱紀粛正を目指し,直属の部下を各所に配置し,役人の評判を報告させた。老中-賄賂で老中になった阿部正倫・温厚で何の害もない松平康福・心得違いを反省した水野忠友・真っ先に登用された若手の俊才松平明・側用人から老中格へ上がった本多忠壽:若年寄-時代を狙う堀田正敦・刀を忘れて自ら謹慎した京極高久・将来を嘱望された寺社奉行脇坂安薫・苦労を厭う坊ちゃん育ちの井上政国:町奉行-失言で左遷曲淵景漸・町方から馬鹿にされた柳生久通・天国から地獄へ初鹿野信興・萎縮した金太郎侍池田長恵:勘定奉行-御三卿清水家を改革柘植正是・型破りの豪傑根岸鎮衛・人々が感服する能吏久世広民・上を騙す吟味方佐久間茂之:火付け盗賊改め-母のために昇進を厭う堀帯刀・江戸町人に大人気長谷川平蔵・定信との関係を自慢にする松平左金吾・平蔵の毒気に当てられる太田資同:定信の退場-6年の政治は棄えん令の悪評で沈没~あまりに当たり役だったので昇進も加増もされなかった長谷川平蔵。武士と云うより殿様であって,譜代大名や旗本だもの。色々噂して大体が当たっているというのが面白いかな。意外な読み応え

  • よしの冊子にみる江戸役人の通信簿。今も昔も変わらない江戸サラリーマン社会の実態とは。
    ・序 章 松平定信の登場
    ・第一章 政権交代ー松平定信と田沼意次
    ・第二章 老中たちの評判
    ・第三章 幕閣大名の生態
    ・第四章 町奉行の勤務ぶり
    ・第五章 勘定奉行と勘定所役人
    ・第六章 江戸の機動隊、火付盗賊改
    ・終 章 松平定信の退場
    ・付 表 諸役職就任者
    ・参考文献
    ・あとがき

    寛政の改革を進めた松平定信の治世。定信は綱紀粛正を目指して役人達の日常を密かに報告させていた。その情報報告書がよしの冊子である。本書を読むと幕府役人達の生の息遣いが感じられて面白い。

    一般に改革は失敗したと評価され、定信の評価も高くはないが、本書を読んで人物像を見直す事が出来た。

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著者プロフィール

1957年岡山県津山市生まれ。東京大学文学部卒業。同大修士課程修了。文学博士。現在、東京大学大学院情報学環教授、同史料編纂所教授。
『江戸お留守居役の日記』(読売新聞社)(1991)で、日本エッセイストクラブ賞受賞。『鎖国と海禁の時代』(校倉書房)(1995)では、従来の「鎖国令」の定説をくつがえし、教科書が書き換えられている。豊臣政権から江戸時代の政治や武士社会を中心に研究している。
著書は、『流れをつかむ日本史』(角川新書)、『東大教授の「忠臣蔵」講義 』(角川新書)、『歴史の勉強法 確かな教養を手に入れる』 (PHP新書)、『天皇125代と日本の歴史』(光文社新書)、『格差と序列の日本史 』(新潮新書)、『歴史をつかむ技法 』(新潮新書)、『日本史の一級史料』(光文社新書)、『信長の血統』(文春新書)、『武士道の名著』(中公新書)など多数。
東京書籍からは、『読み方で江戸の歴史はこう変わる』、『教科書には出てこない江戸時代』、『こんなに変わった歴史教科書』ほか。

「2018年 『教科書には書かれていない江戸時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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