- Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784404040350
作品紹介・あらすじ
血みどろの無残絵、迫力の妖怪絵から麗しき美人絵、気品あふれる歴史絵まで-谷崎、乱歩、三崎が愛した傑作絵画133点を収録。
感想・レビュー・書評
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いやー、表紙からしてすごい。月岡芳年、名前は知っていましたがいままでじっくりみたことはありませんでした。「最後の浮世絵師」にして「最初のイラストレーター」とあります。1839(天保10)~1892(明治25)53才没。
この本も「幽霊絵」と同じ作りで、編集がいいです。絵それぞれに「徳川の老将、玉砕せり」「悲運の妻、狼の餌食に」「けむそう」「かゆそう」「義家、碁盤を斬る」など大きい字で目を引く見出し文がついています。説明は1行。たっぷり絵の世界を堪能できます。
「けむそう」などはこの本のためにつけたのかと思ったら、絵の右上に四角い枠の中に「風俗三十二相 けむさう」と描いてあった。
血が多い絵は元治元年(1864)から明治2年(1869)のほぼ6年間に限られているとあります。ちょうど幕末の動乱期。25歳から30歳の時期。
表紙は「奥州安達がはらひとつ屋の図」明治18年(1885)
人形浄瑠璃が題材。秘薬を得るため老婆が殺した実重の女は実の娘だった。ああ、この場面だったのか。安達ケ原ふるさと村で昔人形劇をみたことがあった。まったく違う世界になっている。
「血みどろの恍惚」無残絵の世界
「○○そうな女」風俗三十二相
「躍動する英雄」英雄画のダイナミズム
「妖怪たちの宴」新形三十六怪撰
「狂おしき色恋」描かれた情感
「怪異の百物語」和漢百物語
「女性風俗三十二相」は文化文政から明治までの女性風俗を明治21年に出版したもの。大きい見出し文とあいまっていいです。
「桜田門外の変」の図、明治7年頃 がいい。大判錦絵6枚続き。血はあるのだが、雪の方が勝っている画。
~流人俊寛、絶望の咆哮~「俊寛僧都於鬼界嶋遇康頼之赦免羨慕帰都之図」明治19年 これもいいです。荒波打ち寄せる岸壁に両手を差しのべてきっと都の方向を向いているのでしょう。
「新形三十六撰」明治35年
鷺娘、八重垣姫、九尾の狐など逸話や言い伝えを描く。これはソフトなタッチ。
巻末に解説「「血みどろ」「狂気」のイメージを超えて(平松洋)
2011.6.30第1刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
月
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読み終わったと言っても、文章ほとんどありませんが。
無残絵を書いてたのはせいぜい六年間程度なんですって。すっかり無残絵の人のイメージだった。
しっかり芳年作品見たことなかったのですが、美人画は古めかしいけど武者絵とかはすごく新しそうに感じる。 -
文字だけのページは驚くほど少なく、フルカラーポケット画集といった感じ。
図書館で借りちゃったのですが、この価格でこんなにカラー絵が載ってるなら自分で買いたいかも…。
妖怪画と歴史画がたくさん見られて嬉しかったです。
構図と線と色が本当にかっこいい。着物の柄なんかもステキ。
この本、絵1ページごとに、脇にシャレた見出し(絵の中の文を書き起こしたものであったり、場面説明であったり)がでかいフォントで書いてあるのが、なんか毎回絵より先に目に飛び込んできちゃって、ちょっとわずらわしい気もしました。 -
図書館。
「花闇」参考図書として。
役者絵はほぼ無しなのが残念。
でも、私のような初心者向け月岡芳年入門にはわかりやすかったかも。 -
残虐絵で有名な絵師。
歴史関係の本を読むとよく使われている。
タイトルは忘れたが武者の絵がカッコいい。 -
表紙になっている絵に衝撃をうけてから、一度読んでみたかった本。
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手頃な価格で、芳年の画業を一通り楽しみつつ把握できます。
見ているとどうしてももっと大きな判型で、もっとそれぞれのシリーズを深く読みたくなってきてしまって若干物足りなさを感じてしまいますが、初心者向けとしてそれだけよく出来ているということでしょうか。 -
大学の道成寺縁起を扱った授業で芳年の清姫が紹介されたのと、去年月岡芳年展に行ってみたのもあり買ってみました。
月岡芳年に代表されるおどろおどろしい血みどろ絵はもちろん女性、妖怪、男女の色恋、百物語等を描いたものを多数収録。
○○そうな女、絵島や遊女八ツ橋桜姫、小町桜の精など見ると芳年の描く女性はすごく素敵!艶かしいです
全体的に構図が大胆で物語の場面場面を切り取ったような躍動感があります。
報知新聞は不謹慎だけどすごく面白い。
浮世絵にあまり興味ない人も楽しいかも -
作品数の多さと、文字数の少なさに驚きました。分かりやすくまとめてあり入門書にはとても良いと思う。この中で気になったものを大きめの絵でじっくりと見たい。全体的に色彩が暗いようです・・・たとえば大型本の風俗三十二相と比べてみても色の違いにびっくりします。
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江戸時代末期から明治にかけての浮世絵師。風俗三十二相の『・・そうな女』や血みどろの無残絵、妖怪絵などで有名。北斎、広重、国芳ほどの天才ではないが、なぜか気になる絵師のひとり。
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美的感覚の相違なんてただの先入観だったことを思い知る。
豊かな色と生々しい表情に惹かれっぱなし。 -
現代の劇画に通じるものなのでしょう。ここまでくると芸術性と娯楽性の錯誤に陥ってしまう。頭脳に衝撃を与えるのは単純に「血みどろ」なのではない。描写、構図・・・その他もろもろが、観る者の脳に衝撃を与える。
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芳年の作品が多く掲載されているが、文庫サイズにてせっかくの細かい描写が見にくい。
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月岡芳年のこれが見どころ!な絵を、テンポ良くまとめました…という感じです。
一ページに絵がドーン!とあって、その下に大きくひとこと解説があり、さらに詳しい?解説が一行ほどでまとめてあります。
ごちゃごちゃとした解説がないので、単純に絵を楽しみたい、というひとにはかなりおススメいたします。ソフトカバーで、手にとって見るのにほどよい大きさです。(まあ…これじゃあ絵ェちっさい!って人もいるかもしれませんが…)
表紙からいきなり、妊婦さん逆さづり~~、の、安達が原の鬼婆の絵が、ドドーン!とあるので何この絵コワキモイ!ってなるかもしれませんし、
そもそも月岡芳年そのものが「血みどろ絵師」として有名なので、苦手な方は苦手かと思いますが、
実際中を見てみると、意外と血みどろは少なくて、(実際、血みどろ描いてたのはたったの6年くらいだそうですねー)あでやかでいろっぽーいオネエサンがいたりとか(風俗三十二相)(しかしコレテーマが面白くて、「○○そう」な女性ばっか描いてるんですよね。「すずしそう」とか「かゆそう」とか。そしてラインがとってもエロい)
すっごく生き生きした英雄画とか、妖怪絵とか、色々あって、ちょっとイメージが変わります。
「最初のイラストレーター」なんて文句がありますが、まさにそんな感じで非常にエンターテイメント性があるので、興味本位で見ても、結構楽しめると思います、よ! -
月岡芳年展をやったら図録は多分こんな感じ…という本。
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素晴らしい 凄い