「快楽の園」―ボスが描いた天国と地獄 (ビジュアル選書)

著者 :
  • 新人物往来社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404042354

作品紹介・あらすじ

狂気と異形の世界、主要作品をすべて収録。最新の研究より読み解くヒエロニムス・ボス入門書の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 2018.11―読了

  • ヒエロニムス・ボスの代表作を中心に、ボスの不思議なイメージ解読のきっかけになる1作。「ビジュアル選書」と銘打っているだけあって、作品の拡大図も多く細かな部分まで見れるのが良い。編者・神原正明氏の流れるような文体も分かりやすく、「酒を飲んでもその尻から尿にして出てしまうなら。はじめから尿を飲んでおけというブラックジョークが聞こえてくる」など、編者自身の解釈にも興味を惹かれる。

  • メインは快楽の園に関してだけど、それ以外のボスの作品に関してもわかりやすい解説をしてくれてる本。
    特にボス独特の絵柄は拡大して載ってて良い。
    まあ意味不明なことが多いので解説するのは難しいのだろうけれど。
    何冊か読んだ中で一番わかりやすい解説本だった。

  • バベルの塔展を観て、ボスの事を知りたくなり借りた。
    ボスはキリスト教的暗示が随所にあるので、知識が必要

  • ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」は見る者に強烈な印象を残す。

    初めて見たのはなにかの画集だったと思う。描かれているものが多すぎてどこに焦点を合わせたらよいのか分からず、全体から醸し出されるエネルギーにただただ圧倒された。

    この絵をみて以来、眠る時にみる夢の世界が少し変わったような気さえする。色彩的な部分で影響を受けてしまったらしい。混沌とした絵なのに心にフィットしてしまう不思議。

    たくさんの宗教的隠喩が散りばめられているとのこと。伝統的な構図とボス特有の構図が入り乱れる。混沌の中に計算されつくした秩序が数多くひそんでいる。

    遠方に見える淡いピンクやブルーの塔に無性に惹かれる。あの独特の形と色合い。特にブルーが好きだ。私はブリューゲルの絵画に使われているブルーが好きでそれに似ているなと思った。どうやらボスとブリューゲルは同郷で、ボスのほうが半世紀ほど先輩らしい。国も時代も近いのだから似ているわけだ。

    「快楽の園」以外のボス作品も紹介されていて面白かった。来年はボスの没後500年ということで色々イベントが企画されているらしい。美術館で特別展などが開催されるなら、本物の作品をぜひ見てみたい。

  • スポンサーは信者の恐怖を望み、描き手は湧き上がる妄想を確かな技量で吐き出したい。時代が、需給のタイミングが見事に一致し、このような怪作が後世に残った。
    妄想はここまで行き着くのかという感嘆とともに、怪物とは言ってもありものの組み合わせで構成されているという一歩引いた見方も出来て、想像力の限界のようなものも感じる。
    人間の一つの到達点として非常に感じ入るものがある。

  •  快楽の園、と言ってもエロ本ではありません。画家・ヒエロニムス=ボスの代表作のタイトルです。
     ボスの主要作品を全てカラーで収録した、幻想画好きにはたまらない作品解説集。
     諸作品に登場する異形たちの風貌は、ファンタジー系の絵を描く人にも参考になるはず。

  • 池上

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著者プロフィール

神原 正明(かんばら まさあき) 
1952年大阪に生まれる. 神戸大学大学院文学研究科修了. 西洋美術史・図像学専攻. 現在:倉敷芸術科学大学芸術学部教授. 著書:『ヒエロニムス・ボスの図像学』(人文書院), 『天国と地獄』(講談社), 『ボスの「快楽の園」を読む』(第13倫雅賞・河出書房新社), 『快読・西洋の美術―視覚とその時代』『快読・日本の美術―美意識のルーツを探る』『快読・現代の美術―絵画から都市へ』(すべて勁草書房). 共著:『芸術学フォーラム・西洋の美術』(勁草書房), 『名画への旅・北方ルネサンス』(講談社), 『世界美術大全集・北方ルネサンス』(小学館)ほか.

「2019年 『ヒエロニムス・ボス 奇想と驚異の図像学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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