ビジネス教養 地政学 (サクッとわかるビジネス教養)

  • 新星出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784405120099

作品紹介・あらすじ

急速にグローバル化が進んでいる時代。だからこそ、ビジネスの現場では世界情勢を知らなければなりません。世界情勢を理解し、話をするには「地政学」が必須です!

本書は「特別な図解を見るだけで、地政学の会話・説明ができる」ようになります!

防衛省の幹部候補生に地政学を教えている、地政学の第一人者「奥山真司」先生が伝授!


○ニュースを本当に理解するには、地政学の知識が必要
アメリカと中国の関係、沖縄基地や北方領土の問題、中国の一帯一路政策、イギリスのEU離脱、香港デモなど、日々さまざまなニュースが流れています。
これらを理解するには、その根本にある「地政学」の知識が大切です。

たとえば、

 ・なぜ、ロシアが北方領土を返還しないのか?
 ・沖縄基地を移転することが、なぜできないのか?
 ・竹島や尖閣諸島、対馬列島ではなにが起きているのか?

などは、地政学がわかると、とたんに理解できます。


○見るだけで、地政学の会話・説明ができる!
本書は、イラスト解説がメインになっています。特別なイラスト図解を見ながら、イラスト周辺の文字を読むだけで、世界情勢の根本がわかります。



○防衛省の幹部に教える、地政学の第一人者が伝授!
監修は、防衛省の幹部や幹部候補生に、地政学を教えている奥山真司先生。奥山先生は、同時に大学生にも地政学を教えています。
国防のプロにも、初心者にも教えている先生だからこそ、地政学の根本をわかりやすく解説されています。


○地政学に必要な5つの概念
奥山先生の提唱する「5つの概念」をベースに、地政学的な見地から世界の今を学んでいきます!

たとえば、リアリズム(現実主義)という概念があります。地政学的には、国際舞台で国の振る舞いを決めるのは、イデオロギーやカリスマ指導者、世論などではなく、リアルな軍事力や経済力だという考え方。言い換えれば、自尊心や恐怖心、経済的メリットなど、人間の本音のベースにあるものこそが、国を動かしているということです。

その他、チョークポイント、シーパワー・ランドパワーなど地政学の重要な概念をベースに、世界各国の言動を紐解きます。


本書は、文字中心のテキストを読むのは億劫。もっと手軽に地政学のことを知りたい。それも上辺だけの理解ではなく、きちんと会話・説明ができるようになりたい! という方にぴったりの一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカがなぜ世界の警察となったのか、中東問題、北方領土等、世界の様々な問題について、地政学にて解き明かして、わかりやすく解説してくれています。

    「中東はいつも争いが起きてるなー」や「中国が南シナ海に人工島作ってるのかー、アジアを牛耳りたいのかなー」等、自分が何となーく雰囲気で捉えていたものに明確な答えを提示してくれました。

    2020年出版の本ですが、出版後に始まったロシアとウクライナの戦争、ガザ地区の戦争についてもなぜ起きてしまったのか理解できます。

    社会人になると自分で情報を仕入れていかないと、世界で何が起きているのか、なぜ問題が起きたのか全くわかりません。
    とても勉強になりました。


  • 地政学とは…
    国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考えるアプローチ
    そう、地政学を駆使すれば世界をコントロールできるのだ

    図解がたくさんあり、わかりやすい
    とりあえず抑えるべきポイントがサクッとわかる

    なぜアメリカが覇権を握っているのか
    なぜフランスはテロが多いのか
    なぜ北方領土返還が進まないのか

    常に世界情勢を把握している人には、当たり前の内容であるが、漠然とそーゆーもんと思っていたことに裏付けが加わり、スッキリ納得


    【日本】
    ■海流、季節風などの影響で海外から攻めにくい
    ■自給可能な面積と人口、生存に適した気候
    ■日本とロシアにおける北方領土の重要度の違い
     ・ロシア→北極海ルートの支配、アメリカ動向の監視
     ・日本→国民感情が好転する、周辺海から海産物が取れる…程度
    ■沖縄米軍基地はアメリカにとって完璧な拠点
     ・アメリカの大陸間弾道ミサイル(ICBM)を沖縄に配備すると世界の多くの主要都市が射程に入る絶好の位置
    ■日本の石油ルートを守っているのは100%米海軍

    【アメリカ】
    ■孤立した大きな島だからこそシーパワー国家になることができた、かつ周辺にも存在を脅かすような国もない(隣接するカナダ、メキシコの国力はアメリカと比較にならない)
    ■アジア、ヨーロッパとの物理的距離 
    ■世界三大戦略地域のバランスを見ながらコントロール
     ①ヨーロッパ→NATO(北大西洋条約機構)の同盟により、ロシアの欧州進出を防ぐ
     ②中東→サウジアラビアと協力しイランを牽制
     ③アジア→日本や韓国に拠点を置き、中国を監視
    ■シーパワー勢力で結集し海外進出を目指す中国の「一帯一路」を阻止
    ・日本、オーストラリア、インドと協力
    ・ブルー・ドット・ネットワーク
    ・自由で開かれたインド太平洋構想
    ■ロシア進出ルートの防衛
    ・トルコ→黒海でロシアと面する しかしながらアメリカとの関係は微妙
    ・ポーランド→ロシア西方進出の出入口 アメリカと軍事同盟強化しようとしている

    【ロシア】
    ■ロシアのGDPはアメリカの約1/12
      韓国やカナダと同程度
    ■北極海ルート
    ・2000年頃から氷が溶け通航可能になった
    ・極東〜ヨーロッパの距離の短縮
    ・海賊がおらず安全
    ・ロシア一国の許可で航行できる
    ・北極海ルート周辺に莫大な石油や天然ガスなど豊富な資源有り
    ・高価な耐氷船がに必要
    ・補給基地が不十分
    ■クリミア併合の重要性
    ・黒海ルートの防衛
    ・NATO勢力との対立のため(隣接する国を協力的な状態にしておく)


    【中国】
    ■国内に50以上もの少数民族を抱えており、民族同士の争いが絶えないため、国内の治安維持費が軍事費を上回る
     →監視、盗聴、過激派対策、ネット上の政治的内容の削除など
    ■一帯一路構想
    ・「一帯」…中国西部から中央アジアを経由し、ヨーロッパへ至る「シルクロード経済ベルト」
    ・ 「一路」…中国沿岸部から東南アジア、アラビア半島を経由し、ヨーロッパへ行く「海上シルクロード」
    ・中国の投資により、陸海の物流インフラを整備して貿易を促進し、経済圏を作ろうと言う構想(表向きの理想論)
    ・国内で過剰になった製品を国外で売って利益を得たい(裏の欲)
    ・中国の貸付に対し、返済不能になると中国が使用権を独占する「債務の罠」が問題に
    (こちらも裏の欲)
    ■水をめぐって周辺国と対立
    ・メコン川、ブラマプトラ川上流にダムを建設し、水の流れを東側へ向かわせようと画策している(下流にあるインド、バングラデシュ、ラオス、タイなどの国々水量が減り死活問題に)


    もちろんヨーロッパ、中東などまだまだネタは広く浅くだが豊富にある

    また「チョークポイント」、「ランドパワー」、「シーパワー」、「ハートランド」、「リムランド」など地政学ならではのワードも抑えることができる

    世界は自国の利権のために、ドロドロしているのだ
    日本は多くの恵まれた環境であるがゆえ、この利権争いに対して他国と比べるとお品よく思える
    中国とアメリカの覇権争い、世界でコロナウィルスが蔓延し、経済が不透明となり今後何が起こるかわからない情勢だ
    世界の将来を左右するこの分野はあらゆるビジネス及び人々の生活に大きな影響を与える
    日本もこのドロドロした利権争いに負けない戦略で自国を守っていただきたいものだ
    また国任せではなく、各個人も知識を増やし、偏ったマスコミ報道に流されない目(真実の知識)を養うことも大切である

    地政学は、時代、国際情勢、政権、環境、テクノロジーなど様々な要因でガラッと見方が変わることがありとても興味深く目が離せない分野だ
    世界史、地理、政治など、あらゆる分野を紐付けしていくのに役立つ
    また地政学の戦略ロジックはビジネスのロジックにも役立ちそうだ

    この地政学の意識で、何気なく流して見てしまうニュースの見方が変わるだろう

  • フォローさせて頂いているハイジさんのレビューのとおりです。

    『本音で対論! いまどきの「ドイツ」と「日本」』のレビューで、
    《国境を9か国に囲まれているドイツでは、地政学的条件を加味した近隣諸国との関係を維持するのも大変です。》
    と書いたのですが、
    日本が島国でなくて、中国、台湾、韓国、北朝鮮、ロシア、アメリカ、カナダ、メキシコ、ペルー、チリなど多くの国と陸地で国境を接する国だったとしたら、、、
    今とは全く違う歴史になっていたのでしょうね。
    日本などという国は存在していないに違いありません。

    地政学的にみたヨーロッパ(北欧やチェコなど)についてもっと知りたかったのですが、イギリス、フランス、ドイツ、ギリシャだけで10ページ程しかなかったのが残念です。
    アフリカの説明もありませんでした。

    ヨーロッパの他の国やアフリカに関しては別の書籍を調べてみることにします。

  •  わかりやすいのはいいのだけれど、地政学というのはどーも学問とすると少し強引過ぎる理論のような気がします。地政学的の理論から言うとロシアは徹底的に叩きのめさないと世界の平和は確保できないことになりますが、それでいいのかな?
     ランドパワーとシーパワーの対立2元論で割切れるものも多いのだろうけれど、割り切れない現象も多くあるのだと思う。

  • こんな時代だから…世界が混沌としているから今こそ読むべき、と手にとった本。地政学についてほとんど知識のない自分なので、世界地図を片手に繰り返し読んでいきたいです。
    ロシアのウクライナ侵攻前に発行された本なので(2020年6月発行)やや情報は古いものの、大まかな世界の動きは何となく分かる感じでした。全ページがカラーでイラストがシンプル。わりと頭に入りやすいです。これを足がかりにしてさらに掘り下げた本を読めたらいいなと思っています

  • 地政学の代表的な概念を説明した上で、世界の地政学について図を多く用いながらサクッと説明。初版は2020年。

    私には以下のようなポイントがためになった。
    ・日本にとっての米軍の意味(石油の安定確保)
    ・アメリカの戦略(かつての日本も含め、アメリカってすぐ競合国を叩きに行くよなと思っていたけど、それはバランス・オブ・パワーという他国をコントロールする戦略である)
    ・自由で開かれたインド太平洋構想や一帯一路構想など、よく聞くけどちゃんとわかっていなかった構想たちの整理と理解
    ・クリミアの重要性(黒海ルートの確保)

    以下は正直まだ消化不良。
    ・イランとアメリカの対立理由

    あとがきにて、著者は安易な平和理想主義を夢見るのはやめよう、と訴える。地政学的に見ると、自分たちの国益を求めて虎視眈々と動く殺伐とした世界観が広がっており、それこそが現実なんだと。

    でもやっぱり私は平和を模索したい。日本は、アメリカが自国利益を優先して中国を叩きに来ていることを冷静に認識した上で、その上で過度なアメリカ迎合主義に陥ることなく、米中の橋渡しをするような立ち回りを賢くしていった方が世界全体で見たときの平和に貢献できたりするんじゃないだろうか。冷戦構造に陥り、小国での代理戦争みたいな様相を呈してくるのは避けたいと思うけど、平和ボケしているのかな…

    (家の蔵書一斉処分企画)

  • わかりやすい。国、民族、宗教が異なる人々が、”自分たちに都合のいい平和”を求めるからこそ、絶えず争いが起こり、平和を求めること自体が争いのタネになっている

  • 難しそうな地政学を図やイラストで説明した大人のための教科書。これはとっかかりとしてとても分かりやすかった。
    ウクライナ問題や中国の一帯一路政策など、世界情勢を俯瞰的に眺められる。特に興味深かったのが、温暖化により氷河が溶け、今まで通れなかった北極海ルートが通れるようになったこと。
    ロシア、中国、アメリカがこのルートの覇権争いを始めているが、北方領土の返還が難しい原因がロシアがこのルートの安全性を確保するためだという。
    この本をきっかけに、北極海ルートのことを詳しく知りたくなった。

  • 「地政学とは~、アジア・中東・ヨーロッパという3大エリアで、衝突に関係する国のふるまいの研究です。
    世界的なニュースのほとんどは、このエリアにかかわっているため、地政学を知ることは世界の情勢を知る事につながるのです」(本書p.8~9より)

    ということで、なぜあの国はあのような行動をとるのだろうとか、あの国とあの国はなぜ仲が悪いのだろう、等々、国際的ニュースの理解の基礎となる知識が、見開きのイラストも交え満載。

    もちろん、海外の事だけでなく、国際社会の一員である日本については、地政学の観点から解説がなされている。

    新聞、テレビ、あるいはインターネット等の国際関連ニュースを読んで、あるいは聞いて「?」と思う事があった人であれば、基礎知識として本書を一読されることをお勧めします。

  •  大学・大学院では、土木・建築工学(防災)を専攻。
     ただ、仕事柄、国際情勢も頭に入れる必要があり、手にした一冊。

     著者は「地政学とは、国際政治を冷酷に見る視点やアプローチ」と表現しています。
     内容は、地政学の入門書だと思いますが、情報の可視化が丁寧で、地球儀を俯瞰した状態で、史実や各国の思惑などを理解することができます。

     個人的には、教育のデジタル化が叫ばれている昨今、歴史の年号や事象を掻い摘んで暗記させるよりも、GIS(地理情報システム)を活用して、地図上で、歴史の流れ・背景を覚えさせる方が、将来的には役立つように感じました。

     緊迫が続くウクライナ情勢や、中国の力による一方的な現状変更・・etc.
     今後、世界はどう転ぶのか?を予測して行動する際、地政学は有用であると感じました。

    〇【さいごに】
     大好きな沖縄の方言で「いちゃりばちょーでー(一度出逢ったら皆兄弟)」があります。
     心の底から、戦争なんて無くなれば良いと思いますが、現実を直視した上で、生き抜く必要がある・・冷酷な視点で物事を見つめる必要があるからこそ、人間としての温かい心を忘れてはいけない・・そう思えた一冊でした。

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