水上勉作品集 日本の戦争

  • 新日本出版社 (2008年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (276ページ) / ISBN・EAN: 9784406051231

みんなの感想まとめ

戦争の中での兵士の姿を描いたこの作品は、特務兵としての独特な体験を通じて、戦争の現実を生々しく伝えています。著者は昭和19年に召集され、馬の世話をする特務兵としての生活を描写し、その中で時代背景や人間...

感想・レビュー・書評

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  •  水上勉作品集「日本の戦争」、269頁、2008.2発行。短編6話と長編1話が収録されています。著者水上勉氏は、徴兵検査時は肺結核で丙種。昭和19年5月に26歳で召集。「特務兵が兵隊やったら、蝶やトンボも鳥のうち」と言われた馬の世話をする輜重輸卒に入隊、1ヶ月半過ごしたそうです。短編では「比良の満月」が胸に響きました。長編の「兵卒の鬣(たてがみ)」は、著者のほぼ実体験とのことです。

  •  「兵卒の鬣」を読んだ。昭和19年作者が25歳の時、召集された。京都の墨染で、馬の世話をする特務兵(昔の言い方では、輜重輸卒)だった。 
    軍隊の話は確かにいろいろ読んだことがあるが、こんな仕事の兵隊がいたことは初めて知った。この特務兵は、「天皇の馬」の世話をするのだが、その馬以下なのだ。

  • 「馬は天皇陛下の馬だが、お前たちは、その天皇の馬の世話をするために一銭五厘(召集令状のハガキの値段)で集めたものだ」
    作品中、何度も出てくるこの言葉。
    その時代「人の命」がいかに軽んじられていたのか。
    静かな怒りと哀しみを湛えた作品集。

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著者プロフィール

少年時代に禅寺の侍者を体験する。立命館大学文学部中退。戦後、宇野浩二に師事する。1959(昭和34)年『霧と影』を発表し本格的な作家活動に入る。1960年『海の牙』で探偵作家クラブ賞、1961年『雁の寺』で直木賞、1971年『宇野浩二伝』で菊池寛賞、1975年『一休』で谷崎賞、1977年『寺泊』で川端賞、1983年『良寛』で毎日芸術賞を受賞する。『金閣炎上』『ブンナよ、木からおりてこい』『土を喰う日々』など著書多数。2004(平成16)年9月永眠。

「2022年 『精進百撰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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