古典への招待 中巻

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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406051637

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  •  なるほど、「賃金、価格および利潤」では「資本論」では取り上げられていない「闘争無用論への反論」「経済闘争の必然性」「賃労働制度の廃止への展望」の論考過程が学べるという。また、マルクスの「ゴーダ綱領批判」やエンゲルスの「空想から科学へ」なども本著を横に置きながら学んでみようと思う。
     それにしても日本共産党の幹部のここまでの研究熱心さには頭が下がる。

  • [ 内容 ]
    <上>
    二〇〇六年以来、『月刊学習』に連載中の「古典への招待」の最初の一年分を、まとめたものです。
    連載は約三年間続く予定で、現在(〇八年二月)まだ連載中ですが、エンゲルス『イギリスにおける労働者階級の状態』(〇六年五月・六月号)からマルクス、エンゲルスの国際政論活動(〇七年四月号)までを、上巻として刊行。

    <中>
    パリ・コミューンの経験から国家論を画期的に発展させた『フランスにおける内乱』、ラサール主義の6つの教条を批判し労働者党の綱領的立場を解明した『ゴータ綱領批判』、科学的な自然観と社会観、未来社会論まで解明した『自然の弁証法』と『空想から科学へ』など、1870年代、マルクス、エンゲルスの主要著作の全内容を克明に解説する。

    <下>


    [ 目次 ]
    <上>
    第1講 エンゲルス『イギリスにおける労働者階級の状態』
    第2講 マルクス、エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』
    第3講 マルクス、エンゲルス『共産党宣言』、エンゲルス『共産主義の諸原理』
    第4講 「新ライン新聞」と“革命三部作”
    第5講 マルクス『経済学批判』への「序言」「序説」
    第6講 多彩な国際政論活動

    <中>
    第7講 マルクス『賃労働と資本』『賃金、価格および利潤』
    第8講 エンゲルス『「資本論」綱要・「資本論」書評』
    第9講 マルクス『フランスにおける内乱』
    第10講 マルクス『ゴータ綱領批判』
    第11講 エンゲルス『自然の弁証法』
    第12講 エンゲルス『空想から科学へ』

    <下>
    第13講 エンゲルス『反デューリング論』
    第14講 エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』
    第15講 エンゲルス『フォイエルバッハ論』
    第16講 エンゲルス『エルフルト綱領批判』

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • この『古典への招待/中』に取り上げられた古典は、「賃労働と資本」「賃金,価格および利潤」「資本論綱要」「フランスにおける内乱」「ゴータ綱領批判」「自然の弁証法」「空想から科学へ」などだが、中でも「空想から科学へ」については思い出がある。

     中学2年の頃,よく貸本屋で小説を読んでいたが、その頃の貸本屋には、退職した教員等が玄関に本棚を出しているというような所もあった。
    そんなところの本棚を眺めていたら,たまたま『空想から科学へ』というタイトルが目についた。それをサブタイトルの<社会主義の発展>に気づかず、神話の時代から現代にかけての<自然科学の発達史>と思い違いして借りて来た。

     ヘェーそういうことか、と読みながら世間を新鮮な目線で捉える、初めての一書となった記念すべき本。何だそんな本に関心あるならということで友人から、そう云う類いの読書会に誘われるようにもなったのだった。

     今度この『古典への招待』を読んで新たに2つのことを知った。
    一つは「空想から科学へ」が、「反デューリング論」の抜粋版であったこと。これは読んだ時は知っていたと思うが,なんせ昔のこと全く記憶になかった。
     マルクス,エンゲルスに限らず,社会科学のこの時代は,もともと運動の中で論争を闘わせ,問題を展開させ新しい局面をつくる,といった類いの文章が多いように感じていたが,これもその一冊だった。

     もう一つは,著者が「空想から科学へ」の中で<問題>として、三つの点をとりあげていること。
    一つは, <資本主義的生産様式の矛盾をとらえる根本には,剰余価値の問題がすえられるべきではないか>。しかしエンゲルスのそれは、<生産が社会的になっているのに、取得形態は古いままに止まっている>ことを根本的矛盾とみていること。
    二つには,エンゲルスはプロレタリアートとブルジョアジーの対立関係を,資本主義生産の基本的なものとみていない場合があり、したがって無理な叙述になっていることがあること。
    三つには,エンゲルスは恐慌の究極の原因は<生産の無政府状態>にもとめているが、マルクスは<剰余価値の追求>においていること。
     もう一度原典を読み直して見たい。 

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