足みじかおじさんの旅―やなせたかしのおとなのメルヘン

  • 新日本出版社
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本棚登録 : 74
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406052399

作品紹介・あらすじ

足みじかおじさんは無名である。カッコよくない。でもぼくらが悩む時、ひそやかに悩みを解決してくれるひとが、そんなひとがいれば助かる。ここに集めた、足みじかおじさんのみじかいお話がいくらかあなたの心をなぐさめることができたなら、それが作者のよろこびです(まえがきから)。

感想・レビュー・書評

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  • 現実と非現実の境目からやってきた足みじかおじさん。足長おじさんほど有名ではない。微力だけれど困った人を助けるのが仕事だという。いつも逆光の中にいて、顔かたちもさだかではなく、年齢も正体も不明。
    悲しみを少しやわらげてくれる、悩みを解決してくれる、心をなぐさめてくれる。全部で100篇ほどあるお話らしく、その1/3がこの本に収録されている。ひとつのお話が3ページでおわる、とっても短い。短いけれど、ほわってしますね。他のお話も読みたい。

  • 著者であるやなせたかしさんが卒寿を迎えられる時に出版されたものであるというメルヘン短編集。

     困っている人や悲しんでいる人の手助けが趣味という、現実と非現実の間を行き来する足みじかおじさんは、生きていく上で遭遇するであろう様々な苦難や困難の壁を乗り越えるためのきっかけ力を与えてくれる。

     前に読んだ時は、すーっと沁みる様に入ってきたように記憶しているが、再読した今回、何故か梃摺ってしまった。難しいお話でもないし、読みにくいわけでもないのだが、今もって理由はわからない。

     スーパーマン的存在で何でも一挙に解決!という話ではないところが、逆に現実味があり、私の好むところである。
     私たちは時として一挙解決のスーパーマンを求めてしまうけれど、世の中甘くはない。誰かの手助けを受けながらも、自らが立ち向かっていかなければ真の解決は得られない。そんな当たり前のことに気づかせてくれるお話でした。 また、大きな手助けは私には到底できないけれど、足みじかおじさんのように、小さな手助けのできるおじさんでありたいと、震災から丸一年経った昨今、強く感じさせてくれた一冊でもありました。

  • 足みじかおじさんが困っている人を助けていく不思議なお話。
    ひとつひとつの話が短編で特に繋がりはない(足みじかおじさんが出てくるのだけ一緒)

    自虐的だわ、人を助けて力を使い果たして自分がヘロヘロになるわ、あまり自分の力は強くない。
    でも、足みじかおじさんのおかげで出会った人は前向きになっていく。

    読んでて思ったのは足みじかおじさんは何を表してたのだろう。
    自分の裏にいる自分自身?
    辛いときに声をかけてくれる人?
    神様?

    何者なのかを読みながら考えてしまった。

  • 足みじかおじさんは現実と非現実の狭間を行き来する不思議なおじさん。悩みや困った事が起きて苦しんでいる人のところに現れて、ほんのちょっと困った人のためになる事をしてくれる。
    ある時は雨に濡れないための数分の傘代わりに雨の降らない道を作ったり、危うく事故に遭いそうになった人を助けたりとアンパンマンの前身となる主人公かもしれない。

    童話と言えば子どものものだが、この話は大人にも向けて書かれた大人の童話でもある。

    ただ、童話としてはすこし大人の無理があるかなと言うのが私の感想。

    やなせたかしさんの大人の中の子どもの世界が書き出されたメルヘンでしょうか。

  •  足ながおじさんでなく、足みじかおじさん。
     足が短くて、帽子を深くかぶって顔は見えなくて、困っている人がいると、どこからともなく現れる。

     短編集はどれも繋がりのない話ですが、雰囲気の煮ているものを纏めている感じ。
     最初のほうは、助けられる側が純粋無垢な少女て感じだったけれど、中盤はちょっとやさぐれてたり、子ども向けじゃないな、て雰囲気だったりするし、最後のほうは、助けられる側も人間でなかったりします。

     あとがきからすると、全部で300話くらいあるうちの1/3くらい収録しているらしいので、残りも読みたい。

  • アンパンマンの著者、やなせたかし氏が書いた大人のためのメルヘン短編集。挿絵付き。様々な悩みを抱えた主人公たちに魔法をかけて解決に導く。確かに、大人向きかな。キスマークとか出てくるし。さくっと読める、嫌みのない一冊。

  • ゴーストタウンのゴーストダンス
    今、みているのは幻影かもしれない。
    でも、人生そのものも一種の幻影のようなものだ。それならば、幻影の中でひととき、夢を見るのも悪くはないさ。

  •  優しい気持ちになれる短い話がたくさん入ってます。休み時間や電車の中で読むのにぴったりですヨ。
    (一般担当/おー)平成28年10月の特集「朝読に読みたい!」

  • なじ■
    自分は人気者じゃない、凄いことはできないといつも控えめで、
    助けての声あるところにはすぐに駆けつけ、
    人を喜ばせる為なら自分の身を削るようなことだってする足みじかおじさんは
    やなせさんそのもののように思えて涙が出ました。
    本当にこんな風に、ささやかな力ながら助けてくれる人が
    いてくれたら良いのになあと思えるお話集でした。

  • 黒いボウラーハットに黒いアタッシュケース。顔は常に影になっていて表情はわからない。
    やなせたかし氏が連載していた足みじかおじさんシリーズから抜粋してまとめたらしい。
    足みじかおじさんが困っている人のところにあらわれてちょっとした魔法で悩みを消してくれる。大人のメルヘンと銘打っているだけあって、悩みがみんなやたらリアルで重め。足みじかおじさんもなんでもできるスーパーヒーローじゃなくて、人助けをしても「これはただの自己満足かも」「私にはこんなことしかできない」と思い悩む。
    少し哀しく、少し幸せな掌編。刺さる人にはすごく刺さると思う。

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著者プロフィール

1919年生まれ。 高知県出身。新聞記者、三越宣伝部のデザイナーなどを経て漫画家、詩人として活躍。1973年、絵本『あんぱんまん』を刊行。同時期に雑誌「詩とメルヘン」を創刊し、30年間編集長を務めた。主な著書に絵本『やさしいライオン』『チリンのすず』、作詞に『手のひらを太陽に』『それいけ!アンパンマン』など多数。1990年勲四等瑞宝章受賞。1995年日本漫画家協会文部大臣賞受賞。2000年日本児童文芸家協会児童文化功労賞受賞。2013年10月逝去。

「2015年 『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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