タックスヘイブンに迫る―税逃れと闇のビジネス

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  • 新日本出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406058148

作品紹介・あらすじ

アップル、スタバ、アマゾン…マネー蠢くその全容。

感想・レビュー・書評

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  • 世界の金融資産の大部分がすでにさまざまなタックス・ヘイブンに隠されていて、世界的な富の地理的分布の分析に限界をもたらしている  
         『21世紀の資本』トマ・ピケティ p.483

    現代社会の早急に改善すべき不公平は、タックス・ヘイブンだ。
    最も金持ってるアップルやフェイスブックやスタバなど、グローバルな企業は、最高の税理士や弁護士をズラリと揃えて、タックス・ヘイブンに資産を隠し、税金を払わない。

    平凡な個人は、否応なく、税金を支払わされる。

    さらに、バカで貧しい個人は、宝くじ買ったり、公営のギャンブルに通ったりして、払わなくてもいい「愚者の税金」まで率先して支払う。

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    フェイスブック英国法人の法人税は昨年わずか80万円

        木村正人 | 在英国際ジャーナリスト
        2015年10月12日 7時4分配信

    フェイスブックが2014年、英国の従業員に自社株の上昇分を含め、給与やボーナスを平均21万ポンド(3866万円)も支払っていたのに

    法人税は4327ポンド(約80万円)しか納めていなかった。

    サンデー・タイムズ紙によると
    フェイスブック英国法人は昨年1億500万ポンドの売上を計上。
    ロンドンの従業員362人に3540万ポンドに相当する株式を大盤振る舞い。

    一方で、法人としては2850万ポンドの損失を計上。
    英税務当局の歳入関税庁にはたった4327ポンドしか納付していなかった。

    平均的な英国の労働者は年収2万6500ポンド(約487万円)
    3180ポンド(約58万5400円)の所得税と
    2213ポンド(約40万円)の社会保険料を
    納めている。


    フェイスブックの節税の手口

    英国の顧客から得た利益を法人税が12.5%と低いアイルランドに置く国際本社に送る。
    英国の法人税は20%。

    さらにタックスヘイブンとして知られる英国の海外領土・ケイマン諸島(カリブ海)に移転する。
    ケイマン諸島では法人税はかからない。

    フェイスブックは昨年、世界全体で125億ドルの売上があり、29億ドルの利益を上げた。
    英国の売上はその1割とみられている。

    多国籍企業の行き過ぎた節税が英国で大問題になったのは3年前。
    スターバックス英国法人が過去3年間で計12億ポンドの売り上げがあったにもかかわらず、法人税をまったく納めていないとロイター通信がスクープ。

    2008年の世界金融危機で財政赤字が膨らみ、英国も厳しい財政再建が強いられた。
    スターバックスに怒った納税者は不買運動を起こした。

    課税の公正さを求める声が高まり
    ■アップル
    ■グーグル
    ■アマゾン
    ■フェイスブック
    ■コカ・コーラ
    ■インテル
       などが俎上にあげられた。

    過度の節税を行っていた米多国籍企業への批判は英国だけでなく、ドイツ、フランスにも広がった。

    スターバックス節税のからくり

    【手口その1】
    スターバックス英国法人は11年、コーヒー1杯につき代金の6%の知的財産使用料を英国の会社に支払っており、その額は2600万ポンド。

    【手口その2】
    コーヒー豆をスイスの会社を通して購入、オランダで煎った後、英国に持ち込み、法人税が英国(当時の法人税率は26%)の約半分のスイスに利益を分散。

    【手口その3】
    子会社や関連会社間で融資を行い、スターバックス英国法人はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に4%を上乗せした利息を支払っていた。

  • タックスヘイブンは資本主義の究極の姿である。新自由主義が描くグローバル社会は、究極的にはオフショア・タックス・ヘイブンに重なり合う。資本家は強く大きくなればなるほど税逃れをして富が集中し、格差は広がっていく。
    タックスヘイブンの始まりは1980年代にアップル社が始めたもので、オフショア・タックスヘイブンのあらゆる機能を最大限に利用した課税逃れの典型である。アイルランドに2つの法人を持ち、オランダの法人にライセンス料を支払う形で行われているので、ダブル・アイリッシュ・ダッチ・サンドウィッチと呼ばれている。Google、Facebook、マイクロソフトなど多くの多国籍企業で使われている。
    OECDが国際的な規制をかけようとしているが
    、OECDに対するロビー活動を展開する団体もあり、しかも回転ドアで交流しているのである。

  • 4〜5

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著者プロフィール

1943年韓国・釜山生まれ。神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了。国会議員政策秘書を経て、公益財団法人・政治経済研究所理事・現代経済研究室長(主任研究員)
主著に『格差社会と大増税─税の本質と負担のあり方を考える(民主的改革のための経済学)学習の友社、『タックスヘイブンに迫る─税逃れと闇のビジネス』新日本出版社、『世界経済史概観─紀元1年‐2030年』アンガス・マディソン著、共訳、岩波書店、『パナマ文書とオフショア・タックスヘイブン 改革は可能か』日本機関紙出版センターなど。

「2016年 『これでわかるタックスヘイブン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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