少年たちの戦場 (文学のピースウォーク)

著者 : 那須正幹
制作 : はた こうしろう 
  • 新日本出版社 (2016年5月21日発売)
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  • レビュー :5
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406060219

少年たちの戦場 (文学のピースウォーク)の感想・レビュー・書評

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  • 幕末、つぶて打ちが得意で喧嘩っ早い餅屋の幸助は、入隊すれば武士に取り立てられるとの言葉を信じ、家業を捨て奇兵隊に加わる。初戦で大将首を打ち取ったことから、無敵幸之進勝行と命名され、その後越後平定に向かう。激しい戦いをくりぬけてきたが、終えて故郷に戻ると、母は他界しており、奇兵隊は解散。結局士族への取り立てもなかった。藩の決定に不服を持った幸助たちは脱走し、武力をもって抵抗したが鎮圧され、幸助は17歳で死刑となる。
    この「その名は無敵幸之進」ほか、同じく戊辰戦争の二本松の子どもが主人公の「田上小士郎の戦争」、太平洋戦争末期の満蒙開拓青少年義勇軍の少年を描いた「コーリャン畑の夕日」、沖縄戦の「仏桑華咲く島」、計4話を掲載。

    最後の一話を除いてすべて主人公の少年は無念の死を遂げる。
    自分たちの働きに報いてくれなかった藩への反抗による死刑とか、劣勢になった戦いから一時離脱した折敵兵と出会ってやられてしまったとか、敗戦後故郷に帰るまでの間中国の内戦に加わっていたら、そこで戦死してしまったとか。

    生きていればたくさんの人々の力になったであろう人たちが、あっけなく帰らぬ人になっていく様子を、普通の少年の目線で淡々と描いてあり、それだけに恐ろしい。

    最後の少年は、母の形見の三線を弾き、仲間とともに歌い踊った事から生きる希望を見出し、そのための行動をとることができた。
    基地という戦いは未だ残ってしまったままだが。

    等身大の戦争の物語に触れた子どもたちが、自分事として捕らえ考えていく一助となってもらいたい本である。

  • 4人の少年の戦争の話

    1その名は無敵幸之進(こうのしん)
    2田上小士郎(たのうえこしろう)の戦争
    3コーリャン畑の夕日
    4仏桑華(ぶっそうげ)咲く島

    11868年戊辰戦争 政府軍愛して従軍した長州の子ども
    21868年戊辰戦争 政府軍に対する二本松藩の子ども 
    3第二次世界大戦末期の満州に渡った満蒙開拓青少年義勇軍の少年
    4第二次世界大戦の沖縄戦


    いずれも少年(こども)がどのように戦争にかかわっていったかが書かれていて興味深いものだった。
    いずれも純粋な気持ちのまま、争いに巻き込まれ、亡くなっていく姿はかなしい。

    さて、子ども自身はどのように読むのだろうか。

  • 簡潔な描写が、淡々と続く。
    感情移入することなく読めるのは、戦場小説としては意外だった。

    悪くはないのだけれど、どこか物足りない。
    児童書なのだし、これで良いのかな。

    戦場にいた少年たちは何をしていたのか。
    それを冷静に知ることができるという点では評価できる。
    那須正幹は読んだことがなかったので、これが狙いなのかどうかは分からなかった。

  • 戊辰戦争で相対する藩で戦った少年二人の話と、第二次世界大戦で満州と沖縄でそれぞれ戦った少年二人の話、計4話。

  • 戦場に赴き武器を持つことになった子どもを主人公にした4つの短編集

    戊辰戦争で政府軍に従軍した長州の子ども
    その戊辰戦争で政府軍に対抗して敗れた二本松藩の子ども
    第二次世界大戦末期の満州に渡った満蒙開拓青少年義勇軍の少年
    沖縄戦で学徒通信兵に徴用された少年

    淡々と描かれる少年と戦争の物語にこめられた那須正幹のメッセージ

    日本児童文学者協会「新しい戦争児童文学委員会」による
    創立70周年記念出版〈文学のピースウォーク〉の一冊

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