強制収容所のバイオリニスト ビルケナウ女性音楽隊員の回想

  • 新日本出版社 (2016年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784406060721

みんなの感想まとめ

テーマは、戦争の悲劇と人間の強さを描いた壮絶な回想録であり、特に強制収容所での体験が中心となっています。著者は、95歳であったヘレナの視点から、アウシュヴィッツやビルケナウでの人々の苦悩や複雑な人間関...

感想・レビュー・書評

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  • ・壮絶な強制収容所の回想録。
    ・ヨーロッパは、以前から大国に振り回されてきた。

  • 戦後すぐには語ることが出来なかった強制収容所での体験
    生きてビルケナウを出られたのは奇跡であり、今だからこそ真実を語り伝える事ができるヘレナさんの存在に感謝したい
    想像を絶する体験が実直にかかれている
    収容所用語も解説してあり、それが現実として実感できる一助となっている

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    もしもバイオリンがなかったら、アウシュヴィッツを生きのびることはできなかった。101歳の生還者の“警告のための記憶”。

    若い頃からビルケナウは必ず読んだり調べたりはしているのですが読むには覚悟がいるというのは長らく忘れていた感覚を思い出しました。
    あの過酷な環境の中で発狂する人間はいなかったのかと疑問に思っていたのですが、はじめてそこを文章で書いてもらった本だった気がします。
    収容所のスラングでその言葉があると言うことはいったいどれだけの人が発狂していたのか。
    でもこの過酷な環境での発狂は静かな発狂。心が壊れて無くなるとこうなるのかという恐ろしさ。
    そしてユダヤ人で無くてもビルケナウに送られた人がいるというのが改めての衝撃。知ってはいてもやはりアーリア人に虐げられるユダヤ人という図式にとらわれていたので、きちんとドイツ語を話すアーリア人が囚人でいたという恐ろしさも追加。
    あのナチ政権での息苦しさはどれほどだったのか。
    音楽が身を助けるのでは無く、音楽に疑問を持つ環境で、演奏することが肩身が狭くなるというのは本当にかわいそうです。
    ただでさえ過酷な環境で音楽がすくいになるかと思って読んだのですが、所詮ビルケナウ。
    ユダヤ人だけではなくいろいろな国の囚人がいて、いろんな組織があり、地下活動で救済の手が伸びていたことも知りました。

    数日息苦しいまま読みました。
    良書です。

    Drogi mojego życia

  • ナチスは重労働や屈辱的労働にユダヤ人を利用しました。ソ連撤退後、彼らに各刑務所に埋めていた死体を強制的に除去させただけではありません。犯罪の跡を消すためにヴレツキェの丘で殺害したルヴフの教授たちの死体をも発掘させました。ユダヤ人の手で掘り出された遺骨は焼かれ、残りはルヴフの東の郊外にあるレシェニツキの森に埋められました。ルヴフのユダヤ人はドイツ占領初期から悲劇的運命に見舞われました。戦争前にはルヴフに15万人のユダヤ人が住んでいましたが、ソ連占領時代にはさらに5万人増えました。それは絶滅への第一歩でした。ユダヤ人に手を貸したり、救出したりすることは非常に困難で危険でした。ルヴフ市内の東部を走る主要道路の1つがドイツ占領時代にマツェヴァ(死者の経歴が刻まれたユダヤ人の石の墓標)によって舗装されました。その仕事に強制的に駆り出されたのは、やはりユダヤ人でした。彼らにとっては何と心痛む労働だったことでしょう。

  •  自分自身が下手ながらヴァイオリンを弾くことから手にとった本。
     ヴァイオリン自体の描写はわずかながらこの著者にとってそれは(他の収容者よりも)悲惨な状況を回避し、収容所でもその後の人生でも友情と人の縁を結びつける大きな存在になったようだ。
     ドイツ親衛隊員の一人が著者にやさしい気遣いをした部分がとても印象に残っている。
     登場人物の名前が覚えられず、誰が誰だかわからなくなってきて、人のつながりの妙がとらえられなかったのが残念だが、それでもこの本の訴えたいことは読み込むことができたと思う。重厚な読後感に浸った。
     ナチスドイツによる強制収容関連の本を読むのはこの1年半の間に4冊になった。

  • ビルケナウ強制収容所にいたポーランド人女性の収容所体験談。ヴァイオリニストとして音楽コマンド(労働隊)隊員として”死の収容所”を生き延びた。ユダヤ人ではなくポーランド人の体験として貴重な証言ではあるが、なかなかに差別意識が滲み出た(対ユダヤ人やソ連・ロシアの人達)言葉が多くて考えさせられる。その分ドイツ人に対しては”同情はしないが”と言いつつ憎悪はそれほどないように見受けられる。自分たちのことはアーリア人意識でいるし。先行する音楽隊員証言として映画化もされたファニア・フェヌロン=ゴールドシュタインに対しては露骨な嫌悪感を見せている。ソ連への反感が強いのはルブフ(現ウクライナのリヴォフ(リヴィウ)出身で故郷を奪われた意識をずっと持ち続けていることが大きいだろうが、身につけているレイシズム(といってはさすがに言い過ぎかもしれないが西側が偉くてポーランドもその仲間的な感覚が明らかにあってアジア人の自分からしたらかなり嫌な感じ)当時の平均的ポーランド人よりちょっとだけましなくらいかなという気がしてくる。

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著者プロフィール

田村 和子(たむら かずこ)
1940年大阪府生まれ
お茶の水女子大学文教育学部哲学科卒
早稲田大学第一文学部文学科ドイツ文学専修学士卒
同大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士後期課程修了
日本独文学会、日本ゲーテ協会会員
『ゲーテの苦悩 ―『親和力』に込めた理念とは―』(鳥影社)

「2022年 『ふみよむつきひ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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