- Amazon.co.jp ・本 (24ページ)
- / ISBN・EAN: 9784406062701
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
カナダの児童文学作家<マーグリ-ト・ルア-ズ>は、硬く冷たい石に命を吹き込み、人々の愛、苦しみ、悲しみ、喜びの感情を表現する、シリア人の石の芸術家<ニザ-ル・アリ-・バドル>の作品に目を奪われたことがきっかけとなり、ニザ-ル氏の石のアートに寄り添ったシリア難民の悲劇の物語が誕生した。 戦争のために自分の国から逃げ出さなければならない多くの人々(世界で7000万人以上もの人々)の不幸な状況を知り、平和と人間の尊厳についての意味を伝える沈思黙考の絵本。
-
シリアに住むアーティスト、ニザール・アリー・バドルさんが海岸で拾い集めた石を組み合わせて表現された「絵」で故郷を戦争で壊され必死で逃れ海を渡り難民となって異郷に辿り着いて自由を得る様子を描く。陸地に着いたときに辿り着けなかった人たちを記憶するために花の種を植える。
この前読み終えた愛しいラフィク・シャミの『ぼくはただ、物語を書きたかったのだ』に溢れる故郷シリアの喪失が、美しい石のアートで目の前に現れる。
日本語訳の下にあるのはアラビア語かと思われるが、訳者の前田君江さんはペルシャ語翻訳者とのことだ。 -
自然の石の質感や色彩を活かした画面。
製作に至った解説まで読んでほしい。 -
・シリア人アーティストであるニザール・アリー・バドルの作品をFacebookで見た作者のマーグリート・ルアーズが彼の作品である石のアートで物語を作りたいと考え、実現した絵本。巻末には難民や避難民について詳しく知りたい人へのガイドがついている。
・主人公はおじいさん、両親、弟と「おうち」に住んでいたが、戦争が始まり慣れ親しんだ土地を離れて安全な場所へ逃げることになる。海を渡り無事に新しい「おうち」にたどり着くというハッピーエンドなのだが、常にカギ括弧つきの「おうち」で暮らさなくてはならないということに考えさせられる。
・石を組み合わせて作られている「絵」が素晴らしい。
・アラビア語が併記されている。
・子どもに難民問題を伝える絵本として、『私はどこで生きていけばいいの?』(西村書店)『難民になったねこクンクーシュ』(かもがわ出版)があると参加者から紹介があった。 -
長い長い時間をかけて、石は、そこにいる。
たくさんのことを、見てきた石は、私たちにその姿で、語りかけてくれる。 -
逃げてるところが、つまらなかった。もっと感動さがほしい。
-
絵本で世界を学ぼう
で
紹介された本。
本書で72冊目だ。
本書はシリアに関する絵本だ。
正確に言えば本書も絵本ではなく写真本だ。
様々な大きさ、形の石を用いて人々を表現している。
その発想、その造形美の世界は素晴らしいと思う。
しかし、それはシリア難民を描いたものだ。
難民問題は、
受け入れない国が悪い。
と言うスタンスで論じられるものが多く
本国での解決方法を論じるものはあまりない様に思う。
本書も何故、本国に住めないかについては触れていない。
絵本で世界を、個々の国を学ぶと言うスタンスで紹介本を読み進めていく。
本書の石を使った写真群に別の説明をつけても、お話は成り立つと思う。