ニッポン島遺産

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408008899

作品紹介・あらすじ

悪石島のボゼ、硫黄島に刻まれた記憶、軍艦島の廃墟群、ハミャ島の大砂丘…島々に残る古からの遺産を訪ね歩く。

感想・レビュー・書評

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  • 月刊「旅」の編集に携わった著者が全国の島をめぐった。

    表紙の仮面は鹿児島県トカラ列島「悪石島」(あくせきじま)の”ボゼ” 
    パプアニューギニアとかあたりの仮面を思わせる、インンパクトあるいでたち。頭上のウサギの耳のようなものはデフォルメした目蓋と眉毛だという。シュロのような葉っぱは”ビロウ” 。旧暦7月16日に現われる。化身してテラの空間から現われ手にはボゼマラを持つ。著者が1977年に現地に行った時はボゼがまず現われ、そのあと満月の下で男女が即興で歌を掛け合いながら、夜通し八月踊りを踊り明かした。お盆の行事の一環ということだ。現在はメディアの取材や観光客もあるようだ。
    悪石島 7.49k㎡ 人口73名

    「硫黄島」22.73k㎡
    あの戦争の硫黄島に慰霊団の一員として参加できた著者。一緒に参加した旧島民の人は「硫黄島は楽園だった」という。その楽園を仕切っていたのは今も存続して国から自衛隊の土地使用料を受け取っている硫黄島産業株式会社だという。主にサトウキビを作って半農半漁でトビ魚がよくとれたという。

    「壱岐島前」(中ノ島、知夫里島、西ノ島)
    写真をみるとおもしろい岩場がたくさん。西ノ島の北東にある星神島の奇岩「ぬりかべ岩」「ねずみ男岩」。知夫里島の西海岸の高さ200m赤壁もすごい。島めぐりの船があるようだ。前島全体は一つのカルデラ地形で成り立つ。

    「新島」面積22.97㎡ 人口2315名
    伊豆諸島。ガラスでできているという。コーガ石という新島とシシリー島だけで産する黒雲母流紋岩の一種で、ガラスの主原料の珪砂ををたっぷり含んだ岩が島を形作っているという。


    2016.8.10初版第1刷 図書館

  • <目次>
    第1章  独自に受け継がれゆく島遺産
    第2章  暮らしが薫る島の原風景
    第3章  大地から生み出された島遺産
    第4章  美しき自然が息づく島
    第5章  島の恵みが育む名産

    <内容>
    さまざまな島紀行を書いている著者の本。紹介される島の中には、北大東島、硫黄島のように通常では上陸できない島。聞いたことのない島、軍艦島のようにこの当時は上陸できなかった島などがあるが、短い文の中に、それぞれの島の魅力が息づく。行きたくなる。

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著者プロフィール

1954年岩手県生まれ。東京大学露文科卒。月刊誌『旅』などの編集に携わった後、フリーランスライターに。島、食、自然、農林水産業などをテーマに全国を巡り、膨大な取材量と独自の感性を生かした執筆活動に定評がある。島に関しては、南鳥島以外の日本の有人離島を全て踏破している。主な著書に『日本《島旅》紀行』『沖縄・奄美《島旅》紀行』『旬の魚を食べ歩く』(以上、光文社新書)、『絶対に行きたい!日本の島』(ビジュアルだいわ文庫)、『瀬戸内海島旅入門』(マイナビ出版)などがある。

「2019年 『シニアのための島旅入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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