ブックビジネス2.0 ウェブ時代の新しい本の生態系

  • 実業之日本社 (2010年7月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784408108537

みんなの感想まとめ

新しい時代における本や読書のあり方について、多様な視点が集約された一冊です。電子書籍の普及が進む中、紙の本を好む声も多く、特に目の疲れを懸念する読者が目立ちます。様々な事例やデジタル化の進展を通じて、...

感想・レビュー・書評

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  • これからの世界における本のあり方や読書について、様々な方の意見が集められてできた一冊です。個人的には電子端末で本を読んでいると尋常ではなく目が疲れるので、これからも紙で読書をしようと思っております。

    新しい時代の「本のあり方」について、さまざまな方が提言しているものであります。個人的にはデジタル文化の恩恵に浴しているものの、読書に関してはやはり紙の本をペラペラとめくる形式をこれからもとって生きたいと思います。

    もしも、アップルのツールを使って電子書籍を自分で出版できたとしても紙の本に関してはこれからもなくならないと信じております。それはなぜか?単純にいうとディスプレイで本を読むというのはタブレット端末で少し試したことがあるんですけれと、紙の本を読むよりも圧倒的に目の疲れの度合いが濃いからであります。

    まぁ、自分のことはさておいて、ここではアップルのiPadやアマゾンのKindleなどのアプリとしての電子書籍やグーグルが現在行っている書籍のデジタル化など、さまざまな事例が引き合いに出されていて、それにどう対応するべきかや、未来の本そのものや読書のあり方についての多角的な考察が提示されていて、読み物としては面白かったです。

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  •  岡本真・仲俣暁生編著『ブックビジネス2.0――ウェブ時代の新しい本の生態系』(実業之日本社/1995円)読了。

     先日読んだ『電子書籍と出版――デジタル/ネットワーク化するメディア』の類書。刊行時期も同じだし、編著者も一部重なっている。仲俣暁生や橋本大也は、両方の本に登場するのだ。

     というわけで、どうしても2冊の本を比較して読んでしまう。『電子書籍と出版』はとっちらかって未整理な内容だったが、それに比べ、本書に収録された論考はどれもきちんとまとまっている。
     ただ、本書のほうが面白かったかといえば、微妙なところ。正直、私にはちょっと期待外れだった。

     書名に「ブックビジネス」とある以上、寄る辺ないフリー物書き業者である私としては、「出版界はこの先どうなるの?」という疑問に答えてくれる本を当然期待するわけだ。身もフタもない言い方をすれば、「オレらフリーライターの5年先、10年先の食い扶持はどうなるの?」に答えてくれる本を、である。

     ところが、その期待に反して、本書の内容はやたらアカデミックでヘンに大局的なのであった。
     コンテンツは以下のとおり――。

    《はじめに 仲俣暁生

    電子書籍で著者と出版社の関係はどう変わるか
    津田大介 / ジャーナリスト インターネットユーザー協会代表理事

    印税90%が可能なエコシステムを
    橋本大也/ 起業家 データセクション代表取締役

    未来の図書館のためのグランドデザイン
    岡本真/ アカデミック・リソース・ガイド代表取締役

    ディジタル時代の本・読者・図書館
    長尾真/ 国立国会図書館長

    多様化するコンテンツと著作権・ライセンス
    野口祐子/ 弁護士 NPO法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事

    ウィキペディアから「出版」を考える
    渡辺智暁/ 国際大学GLOCOM主任研究員

    「コンテンツ2.0」時代の政策と制度設計
    金正勲/ 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授》

     見てのとおり、本書の編著者たちは「ブックビジネス」を非常に広義にとらえており、図書館、ウィキペディア、クリエイティブ・コモンズについてそれぞれ章を割いている。

     私が読みたかったのは、もっと下世話な、「本をめぐる商売が今後どうなるのか?」なのだが、それに答えてくれたのはわずかに2つの章――津田大介と橋本大也の論考のみ。この2章は読む価値があった。私が付箋を打った箇所を一部引用してみよう。

    《専業の物書きにとっては、いまは「頑張っていい本を書き、それをうまく売ったお金の余力で次の本を書く」というモデルしかありません。でも本当は、いい執筆プランがあった場合、映画を撮る場合と同じで、絶対に先行投資は必要なものとして、資金をどのように集めるかを考えていくべきだと思います。従来のビジネスモデルでは、出版社がそのリスクをすべて負っていたわけですが、いまは逆に、出版社があまりにリスクヘッジをし過ぎて、先行投資をすることができなくなっている。そうしたなかで、どうやって書き手が新しい本を書ける環境、いわば「執筆支援環境」を作っていくかに僕は関心があります。(津田大介の論考より)》

    《私はこれからの時代に、著者が起業家精神を持つことが何より大切になるだろうと考えています。自分の本の出版を自分のビジネスとしてとらえるべきなのです。
    (中略)
     これからの著者は、出版社に本を“書かせていただく”のではなくて、個人のビジネスのアウトソース先として、パートナーをコスト合理性で選んだらいいと思います。本づくりの特権は誰にでもある時代なのですから。
     たとえば私たちは、仕事で一般的な業務内容のアウトソース先を選ぶとしたら、まず価格で選びます。あちらの業者より、こちらの業者のほうが何割も安い。そして、あちらはこういうオプションも提供している、などと価格とオプションを加味して決めます。
    (中略)
     でも従来の出版業界はそうなっていません。どこもかしこも印税率はほぼ同じであり、魅力的なオプションも提示されません。オープンな競争市場が形成されていない証拠です。(橋本大也の論考より)》

     津田と橋本は、それぞれの論考の中で、角度こそ違え同じことを言っていると感じた。「これからは、ただ文章を書くだけのライターは生き残っていけない」のだ、と……。

     ほかの章は、「私には関係ない遠い世界のキレイゴト(理想論)」としか思えなかった。

  • 「ブック」を取り巻く世界のあらゆる概念が拡張、変化している様子が、複数の著者の多様な活動から見えてきます。特にイノベーションに対する「無視→脅威・抵抗→仲間割れ→受容・活用」という既存業界の流れというのが印象的でした。

  • 読了

  • 本の未来についての論文集みたいなもの。図書館の未来の話については面白かった。有料化??

  • 気になるジャンルでありながら,なかなか集中できなかった。4年前の本だが,世の中はだいたいこの本で予想されたとおりに動いているようには思う。

  • おもしろくない。
    それぞれの識者が書きたいように書いているだけで、それも「〜だろうか」という投げやりの疑問形であるため真剣に読む気になれなかった。
    星2つにできた理由は5人目のWikipediaのテーマのものが面白いと感じたから。

  • 7人の著者が、本・図書館・コンテンツ産業等につき今後の展望や可能性について語っています。

    自分は図書館員なので中でも岡本真氏・長尾真氏の論考が特に参考になりましたが、それ以外にも、クリエイティブ・コモンズという新しい著作権管理の在り方やウィキペディアの運営方法などについても知識を得ることができました。


    特に岡本真氏がいわれていた今後の図書館の在り方としての「人々の「マッチングプレイス」としての図書館」というのに大きく共感しました。ちょうど別の本でも図書館で人と人が出会い何かを生み出すことについて読み、その重要性について考えていたところでした。

    本を貸す・情報を提供するだけではなく、それを使って何ができるか、どんな問題が解決されたかというところに着目していけたら面白いだろうなと思います。

  • ■内容
     電子書籍やWebの発達により、出版社や著者の収益配分・図書館・著作権制度などがどのように変わっていくかを、各分野の専門家(ジャーナリスト・国立国会図書館館長・大学の先生など)が記した本。

     一番気になったのは、電子書籍図書館のビジネスモデル。
     物理的な本だったら、人気の本は貸出中になっていて借りられないことが多いので、早く読みたい人は本屋で購入する。それが電子書籍になって、在庫数に関係なく、図書館へ行かなくてもネットで無料で借りられるようになったら、本を買う人がいなくなってしまう。そうなると、著者・出版社・本屋が収益を上げられず、結果的に出版業界全体が衰退し、質の高い本が出版されなってしまうことになる。
     そうならないよう、出版側へ損害を与えず、借りる側の利便性も高めるモデルとして、下記の「長尾スキーム」が提唱されている。
    ・遠隔から電子図書館を利用する人からは安価な利用料金を取り、著者・出版社に還元。
    ・国立国会図書館が全ての本のデジタルアーカイブを行い、検索サービスを提供。

    ■感想
     物理的な本の表紙・装丁の温かみ、本棚に並べるコレクション欲は捨てがたいが、電子書籍の便利さ(端末1台に数千冊蓄積可・検索容易性など)は議論の余地は無い。今後この流れに逆らうことはできないと思う。
     ただし、本屋や図書館で興味のなかった分野の本を表紙やタイトルに魅かれて、たまたま手に取って読み、新たな世界が広がるという「ハッピーハプニング的な出会い」というのは減ってしまうだろう。それを代替するのが、SNS・読書会・Amazonのレコメンド機能だと思うが、更にこの本では、図書館が仲介して異なる分野の人達の交流の場となることも提唱している。本や図書館を通していろんな人と繋がり、世界を広げることが出来るとしたら、楽しいかもしれない。

  •  一冊の本としてのまとまりはない感じ。電子書籍が現実味を帯びてきて、これからの本を巡る情勢はどうなるかを、7人がそれぞれの意見を綴っている本。各個人の意見は、まとまってはいるが、ページ数の都合からはあまり踏み込まれていない。また、現状を網羅的に把握するには全体の構成が緩いため、どっちつかずな感じ。

  • それぞれの著者が、各方面について考えてることを1冊にまとめてあるのは面白かった。
    本全体の結論ありきじゃなくて。

    勉強してから読んだら、もっと理解できるんだろうなぁ。
    しかし長尾構想の料金体系はなんとなく納得いかない。

  • ブックビジネス2.0のわりには、市場規模もスケジュール感もないいつかくる夢想の話しで終始してあんまり面白くない。個の話はそれなりに面白く言いたいことは分かるけどタイトルとのギャップが大きい。
    各結論だけ読めばそれで事足りる。

  • デジタル時代の所有感は、検索できること、とのこと。まーそーだね。これがないと電子書籍の意味ないでしょ、と思う。
    本、というものが背景ありきの商品となってゆくのかなあ、という印象を持った。それを考えるのも出版社じゃなくて著者とか、それか著者が依頼した誰か、見たいな。
    あと図書館に救われた、という記述があって嬉しかった。良い公共性が機能したんだなあと。ただ、それらの機能全体がイコールとしてインターネットと同じ、というのがまた辛い。
    つぎの役割としては、知識の活用のための図書館、というのが合点できる。つまり学校図書館と同様なんじゃないか?
    単に本を借りられるのではなく、調べて研究できる場所、本にも書かれているように、市民のサービスを探すためのインターフェースとしての役割を果たす、というのがまったく同意できる。
    これはわくわくするねえ。
    また、電子図書館の現実的な実現方法も面白い。図書館に来る人には無料、遠隔利用は有料ってのはなるほどです。
    これが書かれたのは2010年。実際には2009年の記事だとすると、また状況が変わっているでしょう。
    絶望せずに、面白い未来がちょっと見えてきた。

  • 2010年にかかれた本。いまを予測されてることもあるし、実現されてないことも多々ある。。
    新しい出版や、図書館、法律と著者が多い分しっかりいろんな角度で書かれてる良書。いま、改めてよんでも遜色の無い一冊。

  • 1章2章はよくも悪くも電子書籍について
    3章4章は国立図書館について
    ここが一番面白かった。
    5章はライセンスについて
    6章はWikipedia
    7章はまとめ的な

  • 012016.

  • 今、本の世界を動かす著者が勢揃いしている。これは持ってないと。

  • ウェブ時代の本のあり方、とか今後の本のあり方について
    多角的に知ることができる一冊だった。

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著者プロフィール

1973年、東京都生まれ。アカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg)代表取締役、プロデューサー。ヤフーで「Yahoo!知恵袋」のプロデュースなどを担当し、2009年に起業して現在に至る。日本各地で図書館のプロデュースに関わる。著書に『未来の図書館、はじめます』(青弓社)、『ウェブでの〈伝わる〉文章の書き方』(講談社)、共著に『未来の図書館、はじめませんか?』『図書館100連発』(ともに青弓社)、共編著に『ブックビジネス2.0――ウェブ時代の新しい本の生態系』(実業之日本社)など。

「2022年 『司書名鑑 図書館をアップデートする人々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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