- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408108537
作品紹介・あらすじ
iPadやKindleだけが「本の未来」ではない。この先にある「本」のかたちをめぐる俊英たちからの提案集。
感想・レビュー・書評
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これからの世界における本のあり方や読書について、様々な方の意見が集められてできた一冊です。個人的には電子端末で本を読んでいると尋常ではなく目が疲れるので、これからも紙で読書をしようと思っております。
新しい時代の「本のあり方」について、さまざまな方が提言しているものであります。個人的にはデジタル文化の恩恵に浴しているものの、読書に関してはやはり紙の本をペラペラとめくる形式をこれからもとって生きたいと思います。
もしも、アップルのツールを使って電子書籍を自分で出版できたとしても紙の本に関してはこれからもなくならないと信じております。それはなぜか?単純にいうとディスプレイで本を読むというのはタブレット端末で少し試したことがあるんですけれと、紙の本を読むよりも圧倒的に目の疲れの度合いが濃いからであります。
まぁ、自分のことはさておいて、ここではアップルのiPadやアマゾンのKindleなどのアプリとしての電子書籍やグーグルが現在行っている書籍のデジタル化など、さまざまな事例が引き合いに出されていて、それにどう対応するべきかや、未来の本そのものや読書のあり方についての多角的な考察が提示されていて、読み物としては面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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岡本真・仲俣暁生編著『ブックビジネス2.0――ウェブ時代の新しい本の生態系』(実業之日本社/1995円)読了。
先日読んだ『電子書籍と出版――デジタル/ネットワーク化するメディア』の類書。刊行時期も同じだし、編著者も一部重なっている。仲俣暁生や橋本大也は、両方の本に登場するのだ。
というわけで、どうしても2冊の本を比較して読んでしまう。『電子書籍と出版』はとっちらかって未整理な内容だったが、それに比べ、本書に収録された論考はどれもきちんとまとまっている。
ただ、本書のほうが面白かったかといえば、微妙なところ。正直、私にはちょっと期待外れだった。
書名に「ブックビジネス」とある以上、寄る辺ないフリー物書き業者である私としては、「出版界はこの先どうなるの?」という疑問に答えてくれる本を当然期待するわけだ。身もフタもない言い方をすれば、「オレらフリーライターの5年先、10年先の食い扶持はどうなるの?」に答えてくれる本を、である。
ところが、その期待に反して、本書の内容はやたらアカデミックでヘンに大局的なのであった。
コンテンツは以下のとおり――。
《はじめに 仲俣暁生
電子書籍で著者と出版社の関係はどう変わるか
津田大介 / ジャーナリスト インターネットユーザー協会代表理事
印税90%が可能なエコシステムを
橋本大也/ 起業家 データセクション代表取締役
未来の図書館のためのグランドデザイン
岡本真/ アカデミック・リソース・ガイド代表取締役
ディジタル時代の本・読者・図書館
長尾真/ 国立国会図書館長
多様化するコンテンツと著作権・ライセンス
野口祐子/ 弁護士 NPO法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事
ウィキペディアから「出版」を考える
渡辺智暁/ 国際大学GLOCOM主任研究員
「コンテンツ2.0」時代の政策と制度設計
金正勲/ 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授》
見てのとおり、本書の編著者たちは「ブックビジネス」を非常に広義にとらえており、図書館、ウィキペディア、クリエイティブ・コモンズについてそれぞれ章を割いている。
私が読みたかったのは、もっと下世話な、「本をめぐる商売が今後どうなるのか?」なのだが、それに答えてくれたのはわずかに2つの章――津田大介と橋本大也の論考のみ。この2章は読む価値があった。私が付箋を打った箇所を一部引用してみよう。
《専業の物書きにとっては、いまは「頑張っていい本を書き、それをうまく売ったお金の余力で次の本を書く」というモデルしかありません。でも本当は、いい執筆プランがあった場合、映画を撮る場合と同じで、絶対に先行投資は必要なものとして、資金をどのように集めるかを考えていくべきだと思います。従来のビジネスモデルでは、出版社がそのリスクをすべて負っていたわけですが、いまは逆に、出版社があまりにリスクヘッジをし過ぎて、先行投資をすることができなくなっている。そうしたなかで、どうやって書き手が新しい本を書ける環境、いわば「執筆支援環境」を作っていくかに僕は関心があります。(津田大介の論考より)》
《私はこれからの時代に、著者が起業家精神を持つことが何より大切になるだろうと考えています。自分の本の出版を自分のビジネスとしてとらえるべきなのです。
(中略)
これからの著者は、出版社に本を“書かせていただく”のではなくて、個人のビジネスのアウトソース先として、パートナーをコスト合理性で選んだらいいと思います。本づくりの特権は誰にでもある時代なのですから。
たとえば私たちは、仕事で一般的な業務内容のアウトソース先を選ぶとしたら、まず価格で選びます。あちらの業者より、こちらの業者のほうが何割も安い。そして、あちらはこういうオプションも提供している、などと価格とオプションを加味して決めます。
(中略)
でも従来の出版業界はそうなっていません。どこもかしこも印税率はほぼ同じであり、魅力的なオプションも提示されません。オープンな競争市場が形成されていない証拠です。(橋本大也の論考より)》
津田と橋本は、それぞれの論考の中で、角度こそ違え同じことを言っていると感じた。「これからは、ただ文章を書くだけのライターは生き残っていけない」のだ、と……。
ほかの章は、「私には関係ない遠い世界のキレイゴト(理想論)」としか思えなかった。 -
「ブック」を取り巻く世界のあらゆる概念が拡張、変化している様子が、複数の著者の多様な活動から見えてきます。特にイノベーションに対する「無視→脅威・抵抗→仲間割れ→受容・活用」という既存業界の流れというのが印象的でした。
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読了
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本の未来についての論文集みたいなもの。図書館の未来の話については面白かった。有料化??
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気になるジャンルでありながら,なかなか集中できなかった。4年前の本だが,世の中はだいたいこの本で予想されたとおりに動いているようには思う。
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おもしろくない。
それぞれの識者が書きたいように書いているだけで、それも「〜だろうか」という投げやりの疑問形であるため真剣に読む気になれなかった。
星2つにできた理由は5人目のWikipediaのテーマのものが面白いと感じたから。