- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408110639
感想・レビュー・書評
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何気なく読んだらすごく面白かった。ゼンリンの住宅地図は日本中を歩き回ってメンテナンスするんですね。そんな超アナログと、自動のレーダー計測など新技術との組み合わせが面白い。災害地図をはじめこれからのビッグデータ時代の地図の可能性も示されて、地図の世界は深いですね。
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図書館にも置いてあるゼンリンの住宅地図は、一般的な地図と違い、細かな道、その土地に誰が住んでいるかまで、詳細に掲載されています。実は、それを調べるのに人の手を使っているのをご存知ですか。調査員が1日当たり1000人程度活動し、自分の持ち場の建物を1件、1件回り、表札によって確認しています。
意外と奥が深い地図の世界が分かる本です。 -
地図業界の裏話、おもしろい
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まるでプロジェクトXみたいでした。まさか本当に足(実地調査)で書いているとは思いませんでした。それを思えばストリートビューなんて邪道ですねw
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2014年6月刊。1件1件に名前が入っている住宅地図やカーナビ地図の制作現場の舞台裏。
◆【引用メモ】もしゼンリンが地図のデジタル化(昭和57年)をほんの数年でも遅らせていたら、カーナビ地図ソフト業界におけるトップシェアという現在の地位は、相当異なっていただろう。(p.135)
◆住宅地図の調査の仕方から(中略)三次元地図の自動作成の部署にいたるまで、超アナログな作業が残されている。最新技術の開発とともに、創業以来培ってきたプロが「歩いて調べる」「見て判断する」といったものは、なくなっていない。(p.163) -
≪目次≫
はじめに
第1章 「住宅地図の不思議」解明編
第2章 日本の面白住宅地図ネタ編
第3章 「カ-ナビ地図の進化を追う」編
第4章 クラウド、ビッグデータ時代の地図
≪内容≫
第1章は面白かった。住宅地図の最大手ゼンリンの住宅地図作りの苦労を、特にアナログで担当している調査員の体験談を中心に仕上げたあたりがよかった。しかし第2章の著者の趣味が前面に出たところは頂けなかった。第3章以降は、今後の地図業界、特にゼンリンの今後の地図の使い方の話で、興味を引いた。 -
ピンク情報というのが非常に印象に残った。デジタル万能的な世の中になっているが、結局は地道な努力が実を結ぶ、ということか。
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面白かった。で終わらしてはならぬな。
少し前の出版物なので、今は変わっている部分もあるだろうが、ゼンリンの地図の作り方、更新の方法、使用する筆記用具(4色ボールペンの色毎の意味、そして桃色は特注!)、調査の方法等の内部情報は興味深かった。
ハザードマップやGPSの利用、ナビゲーションシステム。
技術の進歩とともに、都市の発展とともに新たな情報を組み込んだ地図は必要とされ続けてきた。
目的によって必要となる情報は異なる。
情報ごとに分けたレイヤーは1000に及ぶという。
震災直後の地図の重要性からも、どれだけ技術が発達しても人の手と足と耳(口)を使ったアナログな方法は、おそらく残り続けるんだと思う。
地図を必要とするのがヒトである限り。 -
ゼンリンがどのように住宅地図を作っているか、会社の歴史と、ネット地図事業の紹介など。
・やはり一番面白いのは実際の調査のノウハウ。住人に怪しまれない心配り。入口がどちらを向いているか(ピンク情報)などの記入ルール。
・昭和58年(1983)に、善隣、善隣出版社、日本住宅地図出版の3つの会社が合併して株式会社ゼンリンができる。この時期以前の住宅地図を図書館で検索する時にはゼンリンと入れるとヒットしない。
・東日本大震災の後、被災自治体から紙の住宅地図の需要が押し寄せた。津波でさらわれた地区の調査。震災後すぐの版では、元の家と住人の名前を薄いグレーで印刷した。
・地図で読み取れる廃線跡。
・ドライバー視点のカーナビ、歩行者視点でのナビは、アナログで得た道路ネットワークのデータがあるからこそ可能となる。
・本書内では地図の図版をたくさん使っているが、本来住宅地図に掲載されている住人の個人名は消されている。「はじめに」では「住宅地図本来の用途での掲載ではないため」との断り書き。 -
ノンフィクション